距。

mariko 様




あいつの隣で見せる、その笑顔。

おれの隣で、お前はあんな顔をしたことがあっただろうか。








あいつは人を無条件に惹きつける。
無茶苦茶で後先考えない行動でも、あの男なら、と何かを期待させる。
おれ自身、身を持ってそのことを実感している。
だからナミがあいつに惹かれるのも理解できる。
おれにとっても、あいつは特別な存在だ。


それでも


お前のその笑顔を独占する、あいつを憎いと思う自分がいる。


たった一人の存在に執着する。
何て器の小ささだ、と時折自分が嫌になる。





お前を泣かすことがあっても、おそらくそれ以上に笑顔にさせることができる男には、おれはなれない。

分かっていても、それでも。










 『出逢う順番が違っていたら、もしかしたら今とは違う関係になってたかもね』

 『・・・・・かもな』

 『でも私は、ルフィに逢ったから』

 『・・・・・』

 『あんたより先に・・・ルフィに、逢ったのよ』

 『・・・・そうだな』

 『私あんたの事、好きよ?』

 『あぁ・・・』





お前は今と同じ顔で同じ言葉を、ルフィに向かって言うことはないんだろう。


まるで共に駆けた戦友のように、
血を分けた兄妹のように、
残酷な愛をお前は今日もおれに寄越す。

決して男女のそれにはならない、おれにとっては至極残酷な愛を。








 『ルフィ』

 『ねぇルフィ』







船内に響くお前の声は心地良い。
それがおれ以外の男の名を呼ぶものであっても。

だがそれでいい。
それがおれを、衝動から踏みとどまらせる。
あいつを呼ぶその声と、あいつを見るその視線が、
おれの心臓を縛り上げ、そして同時に冷静にさせてくれる。


ナミはルフィの隣に、ルフィはナミの隣に。
今のメリー号で、それは最も自然な関係。
この船にそれがある以上は、おれはここから動かない。

否、動けない。

絶対的なその関係こそが、今のおれの唯一の救いなのだ。





決しておれには届かないと分かっている、
お前の声と笑顔を、それでも心の端で欲しながら。




FIN







<管理人のつぶやき>

想い人はナミ。そしてナミはルフィを見ている。ゾロの想いは決して報われない。ゾロの苦悩が胸に痛いです;;。
ルフィとナミは、色恋沙汰を超えてゾロにとっては特別な存在なので、離れることもできず。
全てを受け入れてなお、二人のそばにいてくれる。その覚悟が熱くて尊い。さすがゾロ。
でも、気持ちを思うとね、やっぱりゾロが切ないのだ〜〜〜!(;w;)

【海賊の隠れ家】様のナミ誕企画『橙祭 2006』では、小説のリクエストを募集されました。
カップルはゾロナミでなくてもいいとのことでしたので、私は「ルフィ×ナミ←ゾロでゾロ嫉妬」とリクエスト。
ゾロナミサイトさんにナニをリクエストしてるんでしょう私は・・・・(汗)。
でも見事に表現してくださって!marikoさん、どうもありがとうございましたーー!!


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