「なぁナミ。誕生日プレゼントなにがいい?」
ゾロにそういわれて、初めて気がついた。
自分の誕生日の7月3日まで後1週間もない。
「そう・・・もうそんな時期なのね・・・」
このごろは生徒会役員としての業務が忙しくてカレンダーなんてものは少しも見てなかった。
「そうだ。だからプレゼントやるよ。お前に。」
「な〜によ。今金欠のくせに。」
「う゛っ!」
そうだ。ゾロは欲しかったマウンテンバイクを買うために今までためてた貯金を使ってしまったのだ。
「い、いや。俺にしかあげられないものとかもあるじゃんか?」
「ふ〜ん・・・そういうのは自分で考えてみたらどうなの?でも、ま、プレゼントは楽しみにしてるからね♪」
「お、おう!楽しみに待ってろ!」
と、彼は笑顔を見せていった。
(・・・大丈夫かな?)





最高のプレゼント

ねここ 様




あれから1週間。今日が7月3日だ。
ナミはゾロがどんなプレゼントをくれるか楽しみにしていた。
(だって・・・大好きなゾロがプレゼントくれるって言うんですもの♪けど・・・)

今日は日曜日なのでゾロは今もずっと寝てるだろう。
(プレゼントくれるんなら・・・夕方くらいかな?)
そんなことを思いながら、ナミは階下のリビングへと向かった。



*****************



リビングに行ったとき、ナミはびっくりした。
いつもならまだ眠っているはずの彼がそこに居るのだ。
「ちょ・・・ちょっとゾロ!どうしてあんたがここに居んのよ!まだ10時にもなってないのに」
「いや、お前へのプレゼント考えてたらよ、良いのが思い浮かんで・・・――!」
ゾロはそういいながらナミの方を向いたとき、固まった。
そしてハァ・・・。と深いため息をはきながらゾロは言った。
「お前さぁ・・・どうしたんだよ。その服装。」
そういわれてナミは自分の服を見てみた。
「・・・――!!」
今日のナミの服装は至ってシンプル。シャツにミニスカートだ。
だが、シャツのボタンが上までちゃんと留まってなかった。ナミの形の良い胸が覗いている。
ナミはあわててボタンを留めた。
着替えながら考え事をしていたので、きっと考えている時にシャツのボタンを留めていた手が止まってしまったのだろう。
ナミはボタンをすべて留め終わって咳払いをして、話を続けた。
「で、何の話してたっけ?」
「だからさ、お前へのプレゼント、良いのが浮かんだんだよ。聞いてくれるか?」
「?・・・いいけど?」
何故『聞く』なのだろう?普通プレゼントは『渡す』だろうに。
(ま、いっか。)
「んでさぁ、ここだと話しにくいんだけど・・・」
「じゃぁ、私の部屋に行く?」
二人はナミの部屋に向かった。階段を上る途中、ナミは考えていた。
(ちょっとちょっと!『ここだと話しにくい』ってどんな話よ。あ〜あ!気になるじゃない!!)
二人はナミの部屋には行って、ベットに腰掛けた。
「で、話って?」
「ああ。・・・これは俺からお前にしかあげられないもんだ。ちゃんと聞いてくれよ?」
「う・・・うん。」
ごくり、と唾を飲んだ。いつものゾロとは違う・・・ちょっと怖い気もする。



「俺はだな・・・」



「お前のことが」



「好きだ。」



「好きなんだ、ナミ――・・・」



(これが・・・プレゼント?)
ナミはびっくりした。今日はこの男にびっくりさせられてばっかりだ。
ゾロは深呼吸をしてから言った。
「これが俺の『プレゼント』だ。お前にしか渡せない――だろ?」
ゾロはそういって口の端をあげて、いたずらっぽく笑った。
一筋の涙がナミの頬をつたっていた。
それにゾロはびっくりして、あわてていった。
「ど、どうしたんだナミ?」
「――嬉しいの。」
「はぁ?」
「だから、嬉しいの!ゾロの言葉が・・・ゾロのプレゼントが。」
「ほ・・・本当か?」
「うん。私も・・・ゾロのことが大好きだから!」
そういった瞬間、ナミはゾロの腕の中にいた。
「よかった・・・ナミが喜んでくれて。」
そういったゾロの声はとても穏やかだった。

(ありがとう、ゾロ。こんな素敵なプレゼントをくれて――本当に嬉しい)

そしてナミはゾロに満面の笑みを送った。
「あのさぁ、ゾロ――」
「なんだ?」
「・・・これからもよろしくね!」
「ああ――よろしくな。」

ナミは今、今までで一番の誕生日を迎えたのだった。








〜後日談〜

「ねぇゾロ」
「なんだ」
「もし私があのとき嫌がったらどうするつもりだったの?」
「あぁ?そんときゃそんときだ」
「なによそれ!力ずくで振り向かせるとかしないわけ!?」
「なんだ。して欲しいのか?――じゃぁ今してやろうか?」
「え?意味わかんな――!」
言い終わる前にゾロの唇がナミのそれに覆い被さっている。
「ちょっと!ゾロ!!」
そのとき口を開けたのがいけなかったのか、ゾロの舌がナミの口内に入ってきた。
「ん、ゾロ、やめ・・・〜〜〜っ!」
それでもゾロはやめない。
「〜〜〜っやめてっていってるでしょ!」
ナミのアッパーがゾロの顎にヒット!ゾロ、ノックダウン!!(←実況)


その後1週間、ナミはゾロと一言も話さなかったとかなんとか――・・・




FIN







<管理人のつぶやき>

高校生ゾロナミ。ナミは誕生日に何が欲しいか?
自分から話を振ったからには、ゾロにはナミが喜ぶものを贈る責任があるゾ。
そして、期待に違わぬ最高のプレゼントが届きました。
好きな男の子から誕生日に告白を貰えるなんて、こんな嬉しいことはないですね^^。
後日談で・・・そんなガッつかなくても(若いナァ)。早く仲直りしなさいヨ(笑)。

【投稿部屋】でも投稿してくださってるねここさんが、ナミ誕の方にも投稿してくださいました。
ねここさん、どうもありがとうございましたーーー!





戻る