最高の1日を




しるきー 様


「ナミ、起きて」
 ロビンの声が聞こえて薄っすらと目を開ける。
 最近は忙しくてろくにロビンの顔なんて見ずに過ごしてきたからロビンの笑顔に思わずナミもにっこり。
 でも、もうちょっとだけ寝かせて・・・。
 とナミがまた目を閉じようとすると、唇に懐かしい感触。
 ロビンとキスするなんていつぶり・・・ってキス!!??
 思わず体をガバッと起こしてロビンの顔をまじまじと見つめてしまう。
「おはよう。もう朝食の準備が出来てるって。だから早く着替えて行きましょう?」
 一瞬で目が覚めてしまった私は、ロビンの後姿を眺めつつ、着替えた。
 何、どうしちゃったわけ?ロビンが自分からキスするなんて何なの一体。
 ロビンの後ろからついて行く。その間にあくびが出る。涙目をこすりながら食堂へ入ると、突然の爆発音に似た音に驚いた。
「「「おめでとー」」」
 えっ?何何どうしたって?
「ふふっ、おめでとうナミ」
 一緒に入ったロビンが笑顔でこっちへ言ってくる。他のクルー達からも祝福の言葉が。
 あー私今日誕生日だったんだ。最近忙しすぎて忘れてた。でもまさかこんな朝から祝ってくれるとは・・・。
 他の人なら夜に宴会をやって終わりなはずなんだけど、きっとサンジ君が取り計らったんだろうな、朝から豪勢な食事だった。
「んナミさぁ〜ん!おれが腕によりをかけてつくったんだよー」
「んまそー!ナミ、おれがこれ食べていいか!?」
「ナミ、おめでとー誕生日は嬉しいよな、エッエッエッ」
「ヨホホホッ!なんてめでたい日なんでしょう!そんな日にパンツ見せてもらってもよろしいですか?」
「んースーパー!こんなスーパーな日にゃ、コーラに限るぜ!」
「いや酒だ!おいコラクソコック!酒持ってこい!」
「おいナミ、早くしねぇとお前の分なくなっちまうぞ?だがあれは食べるな。おれ様とくせいタバスコ星が入って・・・あっはっはっ!」
 部屋中がこの日のことを喜んで私に言葉をくれる。横ではロビンも楽しそうに笑っていた。
「みんなありがとーでも、この会に使ったお金に私は一切関与しないからー!」

「もう食べらんない!朝からずっと食べっぱなし」
 お腹をさすってベッドに腰を下ろす。正確には落ちる?
 夜は豪勢な食事に加えての特大ケーキだった。ほとんどサンジ君からのラブメッセージばっかり書かれてたけど。私のみかんが使われててとっても美味しかった。
「ほんとね。でもすごく楽しかった」
「うん。ありがとうロビン」
 にへへっと笑いかけると、ロビンもニッコリ。
「はい。これは私から」
 え?何ですって?
 目の前に差し出された手の上に乗っているのは包装された小さな箱。
「もしかして・・・プレゼント?」
「それ以外に何があるって言うの?」
 おかしそうに笑うロビンから手渡された箱をしげしげと眺める。ロビンは私の横に座る。
「開けていい?」
「もちろんどうぞ。気に入るか分からないけれど・・・」
 私は几帳面さの欠片もない開け方をして箱を開ける。そこにはみかんの形をしたピアスが入っていた。
「わー可愛いー!!ありがとうロビン!これどこで!?」
「前寄った島で。どの島の街を探してもなかったから心配だったんだけど、やっと前の島でみかんの見つけたの」
 前々からずっと探しててくれたんだ・・・。みかんのってかなーり少ないから見つけたらレアなんだけど、それをロビンが・・・!
「ありがとーロビン!」
「どういたしまして。気に入ってもらえて良かった」
 私はピアスの入った箱を机に置く。そして、ロビンを横倒しにして上に乗っかる。
「もう一つ欲しい物お願いしてもいい?」
「大体想像つくけれど・・・」
「ロビンが欲しいなー」
 と朝のキス以来のキスをする。本当ならロビンだけ頂いて誕生日を終了させるつもりが思わぬプレゼントが。
 いい恋人を持ったわ、私。超可愛いし、頭いいし、もう最高。
「いい、誕生日になった?」
「なったなった。ロビンが目覚めのキスをしてくれた瞬間からね」
 私がニヤケながら言うと、ロビンは顔を真っ赤にした。
「出来れば、毎朝してくれると嬉しいんだけど・・・」
「それは出来ません」
 ロビンがきっぱり断るので私は頬を膨らませていじけてやる。
 いいじゃんいいじゃん。キスぐらい。何よもーケチ。
 とか思ってる時にロビンの細い腕が私の首に巻きついた。
「誕生日だけ特別に、ね?」
 頭が引き寄せられてロビンにキスされる。
「おめでとう、ナミ。好きよ」
 優美な笑顔のロビンに見惚れて動けなくなっちゃう。
 最高の誕生日よ。あんたがいるだけで毎日が幸せなの。ってこれはあえて言わないでおくけど。
「ありがとう。私の方が何十倍も大好き」
 とまたキスをした。


 来年も何十年後もおめでとうと言って 好きと囁いて―――




FIN



 

<管理人のつぶやき>
ナミとロビンは恋人同志。いつもはナミからロビンにキスするのに今日は・・・・。
そう、今日は特別な日、ナミの誕生日なんですね^^。仲間達からのたくさんの祝福がとっても嬉しい。でも今日一日の最後のとっておきのプレゼントはやはり恋人であるロビンから。おかげで特別で最高な誕生日になりましたねv

【ドロップ】のしるきー様が投稿してくださいました。
しるきー様、ステキなお話をどうもありがとうございました♪