When He's Not Around

                                
味海苔 様


 賑やかだったナミの誕生日も、もうすぐアルバムの1ページになろうとしている。ルフィ達はとうに酔い潰れ、ロビンも先程部屋に帰った。甲板では、2人の酒豪が、黙ってただ酒を飲み交わしていた。

「…ありがとね。」
「んあ?」
 間の抜けた返事に、ナミは頬を緩めた。
「だから、イヤリング。ありがとう」
「…いや///」
 可愛い…。照れているゾロを見て思わずからかいたくなったが、このルビーに免じてやめておくことにした。
 正直言って、今回のプレゼントは完全に予想外だった。ゾロが誕生石を知っていたことも勿論驚いたけれど、去年までは言葉だけだったのに今年は宝石を、しかも丁寧にラッピングまでしてくれたのには、天地が逆さまになったのかと疑うほど驚いた。それにしても…
「お金は誰に借りたの?」
「…コックだ。」
「やっぱり。皿洗い、頑張ってね。」
 わざとからかうようにして言うと、拗ねた目をしてそっぽを向いた。

 沈黙が船の上を支配する。ナミは居心地がなんとなく悪くなり、空を見上げた。
 満天の星空。瞬く星は、笑っているようだった。ふと、ベルメールの顔が星に重なる。幼い記憶が甦る。
 ナミが目を閉じると同時に、昔村で聴いた歌が浮かび、唇から溢れ出る。

“He's uncool and
unsophisticat
He's a tightrope walker on an open path
He's a maze of curiosity
He is the living bread that
cores my appetite

I find that I can't breathe
and I can't sleep
When he's not around
Everyday is bluey gray
When he's not in town…”

 この歌の意味は、鈍感なゾロには多分通じない。それでも、私の気持ちを伝えたかった。


「おい、サンジ。」
「朝一番がマリモかよ…。皿洗いなら朝飯の後だぞ」
「…『アイカントスリープ ウェンヒズノットアラウンド』って何だ?」
「なに〜!?だだだ誰から言われたんだっ、ままままさか、愛しのナミさんや麗しのロビンちゃんからだなんて言わないだろうな!??」
「ナミからだ。で、どういう意味なんだ?」
「ああ、このサンジもついに滅亡の時が…いや待て、まだロビンちゃんがいらっしゃる!」
「だから、その意味を教えろと」
1人目まぐるしく表情を変えていたサンジが、やっと我に返る。深く溜め息をつき、
「あのなぁ。それは『彼がいなければ私は眠ることもできない』、つまり、それほど相手の男を愛しているってことだ。ああナミさん、こんな鈍感な筋肉バカなどさっさと捨てて、この俺にしませんか…」
「お前なんぞにナミを渡すか、このエロコック」

その日には、船の材木が総動員されたという。




FIN






<管理人のつぶやき>
ナミが歌に託した気持ち。それをゾロも感じ取ってくれてたのがステキですね^^。
歌詞の意味を教えてもらいました。

    彼は別に格好よくはないし、お高くないの
    広い通りで綱渡りの綱を歩いている
    彼は好奇心の迷路
    私の欲望を満たしてくれる

    彼が傍らにいなければ、私は息もできないし眠れない
    彼が町にいないと毎日が退屈よ


だそうです!

【投稿部屋】の投稿者でもある味噌様が投稿してくださいました。
素敵なお話をどうもありがとうございました!



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