「今日はドクターにいろんなこと教わったんだ」

子どもが嬉しそうにしているから、何を習ったのか余り深く追求しなかったのだけれど―――まさか、あんなことだったなんて、この時は思いもしなかった。






どうして僕は
            

AKARI 様



僕の家族はお父さん・お母さん・僕の3人。
いつもとても仲の良い家族で、特にお父さんとお母さんはラブラブです。
近所のおばさんが「いつまでも新婚夫婦みたいねぇ」とか言っているのを聞きました。
“新婚夫婦”が何なのかは分からないけれど、悪口ではないみたいだから「そうだね」って僕は答えたんだ。

今日は週に1度、近所の小児科の先生と遊べる日。
いつか先生のようになりたいと思って弟子入りしたのはつい最近のこと。
今回は生命の神秘について教えてくれると言っていたから、僕は楽しみにしていたんだ。
お父さんとお母さんも「良かったね」って言ってくれたんだよ。

「ドクター、お願いします」
「おぉ、チョッパー。じゃあ説明を始めようか」

僕は真剣になって先生のお話を聞いたよ。
後でお父さんとお母さんに教えてあげようと思ったから。
だから持っていったメモ帳に重要なことは書き込みながら面白い話を聞いたんだよ。
僕が産まれた時のこともドクターは教えてくれたんだ。

「有難う、ドクター」
「また遊びにきなさい」
「うんっ!!」

今日は沢山のことを学んだよ。
生命の神秘って凄いんだなぁ。
僕が知らないことをドクターは沢山知っている。
僕もいつかあんなドクターになれるのかな?

「お母さん、今日は生命の神秘について教えてもらったんだぞっ」
「そう、良かったわね。どんなお話だったの?」
「あのね、人間が子作りをする時は男と女がセ―――」

僕が説明を始めたらお母さんの顔がどんどん青ざめていった。
だから心配になって様子を伺ったんだけれど、お母さんは「嘘よ嘘だわ」とか呟きながら何だか悲しそうな顔をしていた。
僕は変なことを言ったのかな?
何か間違っていたのかな?

「お母さん?」
「チョッパー、今日教わったことは誰にも言っちゃいけないわよ」
「どうして?」
「それは大人になったら分かるわ」

お母さんがそう言ったから僕は誰にも言わないって約束したんだ。
約束の大切さはお父さんが教えてくれたから絶対に破ったりしないよ。
だって僕は良い子なんだもん。

少ししてお父さんが仕事から帰ってきた。
そして「おかえりなさい」とお母さんが出迎えると頬にキスをして今日僕が習ったことをお父さんに話したんだ。
そしたらお父さんもちょっと複雑な表情を浮かべたんだ。
やっぱり変なことだったのかなぁ?
僕がおかしいのかな?

「チョッパー、その・・・どこまで習ったんだ?」
「お父さんのち―――」
「きゃー!!!!どうしよう、ゾロ。どうしよう」
「ンなこと言われたってどうしようも無ェだろうが」

僕が説明をしたらお母さんが叫び声をあげてお父さんに抱きついたよ。
そしてお父さんといえばお母さんをそっと抱きしめながら、やっぱり複雑な表情を浮かべているんだ。
いつもだったら偉いな、って褒めてくれるのに今日はどうしたんだろう。
僕にはよく分からないや。

「チョッパー、良いわね、他言無用よ」
「うんっ!!」

今日のことはドクターと僕とお父さん・お母さん、4人の秘密。
約束だよ、ね、お父さん・お母さん。

今日も僕たちロロノア家は仲良し家族です。




FIN


(2007.10.12)


<管理人のつぶやき>
どうしてチョッパーは生まれてきたかというとそれはね・・・・・。
チョッパーが今日教えてもらったことは、チョパよりもナミ母さんとゾロ父さんにとって刺激が強すぎたみたい(笑)。うろたえるナミさんが可愛いですねvvv

AKARIさんの初投稿作品でした。ほのぼのでハートフルなお話をありがとうございましたー!

 

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