愛の病
毒林檎 様
「ねぇ〜ゾロあたしたちの出会い覚えてる?」
「なんだよ。いきなり・・・。」
「覚えてないのぉ?ついこの間じゃない。」
「さぁな。」
「もういい。ほかの男のとこに行ってやる。」
「うそだって!ナミ。機嫌直せ。」
ゾロは軽くナミの唇に触れた。
***********
時は2年前。ここはアルバーナ高等学校。
ナミはここに通っている。かわいいセーラー服にあこがれて、ここに入ったのである。
しかし、ナミの服装は大胆であった。
上着はとても短くへそが見えそうなほどぎりぎりであったし、スカート丈はほんとぎりぎりの短さで、激しく動くのは危険であった。
ピンポンパンポーン♪
「2年D組のナミさんは直ちに職員室にきなさい。」
ガラガラ。
「ちょっとナミさん。あなた、また事件起こしたの?駅でおじさんをボコボコにしたとか警察から電話かかってきたわよ。その人病院に行ったとか。説明して頂戴!!」
「先生、あれはその親父があたしにセクハラしたんですよ。やめてっていったのに、聞かないから体に教えてやったのよ。迷惑なのはこっちです。どうにかしてくださいよ〜。」
「それは、あなたがそんな売春婦みたいな格好してるからでしょ?」
「いいじゃないですか!若いうちに楽しまないでどうするんですか?先生だって昔は、やってたでしょ?」
「わっ私のことはともかく・・・。」
「くすっ。やってたんだ。ならいいか。今度から、病院送りにしないように気をつけます!失礼しました。」
「やってくれるわ。あの子・・・」
教室に戻った。
「ナミさん。どうしたんですか?私何事かと思って心配しましたよ!」
あわてた口調でしゃべるビビ。ナミの親友である。とてもいい子だが、言いたいことはずばっという、ナミといい相性だ。この2人は美人で男子からちやほやされていた。そして、昼休憩になった。
ガラガラ。
「ナミってやつぁー、このクラスか?」
怖そうな先輩が来た。そいつの名はギン。
悪いやつで有名であった。
「はぃ?あたしですけど。」
驚いた様子もなく答えるナミ。
「誰ですかあの人?」
とビビ。
「ちょっと、来てくれ。断るなよ。ぎろっ。」
睨みをきかせた。
「ビビ。あたしちょっと行ってくる。」
「ナミさん!大丈夫ですか?」
ナミはニコっと笑って教室を出て行った。
「さすがだわ。怖いものなしね。」
ナミは体育館倉庫までつれてこられた。体育館では剣道部が昼練をしていた。
「先輩何のようですか?」
「うるせぇ。あっち向いてろ!」
ナミが後ろを振り向いたとたん、
手足が縛られた。すると、3年で最も強いといわれるアーロンがやってきた。
「ギン。ご苦労だった!これが約束の品だ。」
といい札束を渡した。
ギンは笑うと帰っていった。
ナミは焦った
「何すんのよ。離しなさいよ!」
「てめぇの存在は入学してからずっと狙っていた。こんなに早くに捕まえれるとは思ってなかったぜ!」
アーロンの醜い声が言う。
「冗談じゃないわよ!」
「てめぇは、だまっとけぇのか!」
そういうと体育館倉庫にナミを投げ込んだ。
「きゃっ。」
ナミは太ももに傷ができた。
「このまま俺が食ってもいいんだが。それだけじゃつまんねぇ。てめぇのあらわな姿を写真におめとくかな。高く売れるぞ。シャハハハハ。」
「最悪!!変態!!」
ナミは手足を縛り付けられてるため動けない。おまけにアーロンは力強いため歯向かっても無駄であった。胸元にあるリボンをほどかれナミの服は、はだけた。
アーロンは、この姿を写真におさめるのであった。今度はその胸をあらわにしようとしたところで、アーロンは倉庫から引きずり出された。カメラを壊す音が聞こえた。数分すると血だらけの男がのぞいてきた。ゾロである。「てめぇ、大丈夫か?」ナミは涙目でうなずいた。
怖くて、声が出なかった。ゾロの顔が赤くなった。
「まずその格好をどうかしないとなぁ。」
「手足を縛られてんの。ほどいてくれない?」
固く縛ってある紐をゾロはといた。
相当きつく縛り上げられてたせいか、血がにじんでいる。
「ありがと。あんたがいなかったらあたし、どうなってたことか・・・。」
ナミは震えている。
「別に。昼練終わって体育館から出たら、なんか倉庫から光があって気になってたから。」
「あぁ。その光はフラッシュね。」
「あの、アーロンって奴に写真撮られてたんだろ。カメラ壊したから安心しろ。じゃっ!」
ゾロは去ろうとした。
「待って!名前は?あたしナミ!」
「知ってる。俺はゾロ。」
「えっ?あたしの名前何で知ってるの?」
「さぁな。早く教室帰れよ。」
「ほんとありがと!」
ナミはアーロンにあんなことをされてショックだったがが、ゾロに助けられたおかげで傷は浅かった。
ナミが教室に帰ると大騒ぎになったいた。
「ナミさん。何が起こったんですか?アーロンに何かされましたか??」
「あぁ・・・。」
おきたことを1から話し10分するとビビはやっと落ち着いた。
「そのゾロって人がいてよかったですね。あの人がいなかったらどうなったたことだか。アーロンに手渡された女子は今まで無事に帰ってきた人はいませんよ。」
「えっ!?」
ナミは驚いた。
その事件から数日後アーロンは退学になった。
ナミの頭の中ではゾロのことでいっぱいだった。廊下でゾロの話が聞こえると心臓がバクバクいった。これを恋というものか。
同じくゾロもナミのことを考えてた。そして、ゾロが告白し2人は付き合うことになった。
*********
「あー、なつかしい。ゾロ思い出した?」
「・・・。俺いい奴だな。なぁ、ナミもう寝ていいか?」
「もぅ。知らない。」
「ナミ?何きれてんだ?」
「ふん!お・や・す・み」
「ナミこっち向けよ。」
「もう寝た。話しかけないで!」
といいつつ、しぶしぶゾロの方を向いた。
「起きてるじゃねぇか。・・・。過去のことは忘れててねぇ。俺らの原点だ。昔と変わらず今もてめぇのこと思ってるから安心しろ。もう寝る。」
ゾロは顔が赤くなった。部屋が暗くてよかったとそう思った。するとナミも
「あたしだってずっと好きなんだからね!!好きすぎておかしくなりそう。だからどこにも行かないでよね!」
というとゾロの胸の中にもぐりこんだ。
「あぁ、どこにも行かねぇ・・・。」
2人は幸せのうちに眠りについた。
ねぇ。ゾロ。いつもいつも愛してるって言ってもらいたいわけじゃないよ。
ただね、出会ったころの2人の思い出を忘れてほしくないだけ・・・。
END
(2004.03.30)Copyright(C)毒林檎,All rights reserved.
<管理人のつぶやき>
2年前のナミ。若さにまかせてブイブイいわせてますな!
しかし、いつか痛い目に遭うのであった。ゾロが来てくれてよかった〜(>_<)。
そんなナミも、ゾロと付き合い始めて落ち着いたのでしょうか。
ラストの文に彼女のいじらしさを感じますね(^.^)。
毒林檎さんの初投稿作品です。どうもありがとうございました♪