あ、まただ。クソコックと楽しそうに話してやがる。
無防備な服着て、無防備な顔して、あいつには男に対して危機感ってもんがないのかね。
あーあ、あのクソコックの顔見ろよ、鼻の下がだらしなく伸びてやがる。
胸クソ悪いったらねぇ。

「ゾロ、どうしたんだ?」

聞こえてきた声に目線を下げれば、我が船の愛らしい船医。

「別に何でもねぇよ。」

ニッと笑って言えば、いつも通り「そうか!」なんて笑って向こうへ行くかと思ったが、

「でもゾロ何だか辛そうだぞ?小さなことでも言ってくれよ?
 何事も早期発見が大事なんだ!」

しょんぼりしながら言われると、何か悪いことしたみてぇだな。

「あぁ、最近ちょっと息苦しいんだ。」

正直に言うと、「それは大変だ!」と船医による診察&問診が始まった。







特効薬
            

hio 様



あーあ、何やってるかね。
こっちを射抜かんばかりの睨みをきかせてるかと思いきや、
今度はチョッパーと一緒になってお医者さんごっこ?
あいつの頭の中はどうなってるんだ。…ってまぁマリモだから仕方ないか。

「サンジくん、聞いてる?」

おぉっといかんいかん。愛しのナミさんとのせっかくの語らい中に!
マリモのことなんてどーでもいいっての!

「ナミさんに見とれてたんだよ〜、で何だっけ?」

「もうすぐ着く島での食料調達についてなんだけど…」

ムードの欠片もない返事だけど、二人きりの語らいの時間。うーん、幸せ!


何日分の食料が必要か それにいくらいるか等を話していたら、
チョンチョンと小さな蹄が。

「なぁに、チョッパー?」

「ナミ、ゾロの所に行ってくれ!」

深刻な顔をした船医がナミを押していて、

「くぉら、クソトナカイ!!ナミさんの足を触るんじゃねぇ!
 しかも二人っきりの語らいの邪魔を…」

…は?ゾロ?

「「クソマリモ(ゾロ)がどうした(の?)ってんだ?」」

「ゾロな、ナミとサンジが一緒にいると息苦しくなるんだって!
 俺知らなかったけど、それはシットっていう心の病気らしいんだ。
 ナミが傍にいれば その発作はおさまるって言うんだよ!」


サンジの口からタバコがぽろりと落ちた。


胸をはって説明する船医に、
赤い顔して呆然とするナミ。
そして向こうからニヤリと笑う極悪面が…

「そういうことだから コイツ少し借りてくわ」

「ちょ…。な、何言って! ゾロ!?」

ひょいっとナミを担ぐと、軽い足取りで船尾の方へ歩いていく。

「何なのよー!!降ろしてーーー!!」

叫ぶナミの声に、サンジが我に返った時にはすでに時遅し。


「こんの…クソマリモ!!なぁにが嫉妬だ ゴラァ!!」

そこには、目をパチクリさせている船医がいるだけだった。


FIN


(2012.09.08)


<管理人のつぶやき>
ゾロのいろいろな一面が見れて楽しい♪ 嫉妬して、チョッパーの前で正直心情を吐露したのは素直だなと思うし、チョッパーを使ってサンジくんとナミの間を裂く手に出たゾロはちょっと腹黒かった(笑)。

hioさんの2作目の投稿作品でした。ご投稿ありがとうございました〜^^。

 

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