きっと、好きになっちゃいけねぇ。いけねぇんだけど・・・・
言えない言葉
*みかん* 様
今日は特別、星の多い夜だ。
クルー達は皆、楽しそうに夕食をとっていた。
「コラてめぇルフィ!肉食い過ぎだ!」
「いいじゃんか!まだ8個しか食ってね・・・」
「「そんなに食ってるだろがーー!!!」」
「サンジとウソップ、そんなに肉食いたいのか?」
「俺はそうだ!」
「俺は違ぇ!ナミさんの分が無くなっちまうだろうが!」
「てめぇら黙って食うっつーことが出来ねぇのか!」
「ふふ、にぎやかね。はい 船医さん、野菜とってあげたわよ」
「おう、ロビンさんきゅー!やっぱここはにぎやかだなぁ!」
「そうね」
こんなにうるさい中、ナミだけが珍しく黙っていた。
サンジがそれに気づき、ナミに声をかけた。
「ナミさん?どうしたんです、何の飯にも手をつけずに・・・」
「う・・・うん・・・ごめんね。ちょっと頭がくらくらして・・・」
「だ、大丈夫かナミ!今診てやるからな!」
「ありがとうチョッパー・・・でも大丈夫よ。今日は快晴だったから、ちょっとはしゃぎ過ぎちゃったみたい・・・。もう寝るね」
ナミはそう言うと、ゆっくり女部屋へと戻っていった。
「・・・大丈夫かな・・・ナミ・・・」
チョッパーが心配そうに言う。
「看病してやりてぇけど・・・今日はおれ、こんなに洗い物やら何やらあるし・・・」
「私は今日、船医さんと一緒に薬を作らなきゃいけないのよね」
「おう」
「おれはメリー号の故障してところ、今日直す予定なんだが・・・・」
「おれは今日当番だ」
「「「「「ってことは」」」」」
5人の視線は、ゾロに向けられた。
ゾロは黙って目をそらす。
「お前が一番ヒマだよな、ゾロ?」
「剣士さん、航海士さんの看病してあげてちょうだいよ」
「お願いだ、ゾロ」
「てめぇナミさんに何かやったらオロすぞコラ!」
「ゾロ〜・・・」
次々にそう言われ、ゾロはとうとう言い訳が出来なくなり、結局今晩、ナミの看病は自分がやることになった。
* * * * * * * * * * * * * * * *
「・・・・最悪だ・・・眠ィんだよな・・・本当は」
ゾロはぶつぶつ言いながら、女部屋へと向かった。
「ナミー・・・入るぞ」
「・・・ゾロ・・・?」
「入るぞー」
「・・・ええ」
ゾロは静かに女部屋のドアを開いた。
見るとナミがそこには寝ていた。
「・・・・何であんたが?」
「いろいろあってな。結局俺が今晩お前の面倒見んだよ」
「・・・・そう」
「熱は?」
「ちょっと微熱が・・・ね」
「そうか」
ゾロはそう言うと同時に、辺りを見回した。
きれいに整理され、男部屋とは比べものにならなかった。
「・・・・・」
「ゾロ・・・・」
「あ?」
「・・・ちょっと・・・吐きそう」
「!?は!?」
「そこの・・・ビニール袋・・・取って」
ナミは苦しそうにそう言った。ゾロは吐かれちゃたまらんと、咄嗟にビニール袋をナミの口元に広げた。
そして、ゾロはナミの背中をゆっくりさすってやった。
「・・・・う゛・・・・」
「だ・・・大丈夫か?」
「ま・・・あね・・・・!う゛・・・っ!」
ナミは、苦しむに苦しんで、結局もどしはしなかった。
ゾロとナミは、はぁ・・・とため息をつき、ナミは再びふとんに潜り、ゾロはそばで見守ってやった。
「・・・・ゾロ・・・」
「あ?」
「・・・・ごめんなさい・・・」
「・・・・気にすんなって。仲間だろ?」
「・・・・・そ・・・うだね」
「・・・・まぁ・・・仲間ってのもあるけど・・・」
「・・・え?」
「・・・・・いや。なんでもねぇ」
「・・・・そっか」
ナミはまた苦しそうな顔を見せながら、眠りについた。
ゾロは、それを見届けると、一言小さく呟いた。
「仲間ってのもそうだけど・・・・俺はお前が・・・・な・・・」
次の日ナミは、またいつもの調子を取り戻した。
−end−
(2006.04.06)Copyright(C)*みかん*,All rights reserved.
<管理人のつぶやき>
言っちゃいけないとは思いつつも、この分だとそう遠くない日、ゾロはナミに告げそう・・・^^。
ナミを優しく見守るゾロの気持ちが透けて見えて、なんだかくすぐったいですv
ゾロが看病役になったのは、もしかしたら仲間達の陰謀だろうか(笑)。
*みかん*さんの初投稿作品でした!どうもありがとうございました〜。