恋の値段
*みかん* 様
とある島に無人島に上陸していた麦わら海賊団。
サンジ、ロビン、ルフィは食料、薬草を配達。
チョッパー、ウソップはメリー号の修理。
ゾロ、ナミは、あちらこちら回りながら天候を見張っていた。
「・・・・ゾロ・・・」
「あ?」
「・・・雨・・・・っていうより・・・嵐 来そうよ」
「は?」
ゾロはそう言いながら、空を見上げた。
雲が騒がしくうごめき、気づけば小雨が降っている。
「・・・たしかに、いやな天気だな」
「みんなに知らせなきゃね」
「おう」
ゾロはナミに続き、木と木の間を抜けていった。
すると次の瞬間、一気に雨が強く降ってきた。
「わっ!」
「うぉ!夕立か!?」
「だから嵐が来そうなんだってば!聞いてなかったの!?」
「とにかくどっかで雨宿りすっぞ!」
「うんっ」
ナミとゾロは、近くにあった大きな木の下に駆け込んだ。
「・・・ここなら大丈夫そうね」
「そうだな」
「おっきい・・・この木」
「おう」
「・・・・すごい雨・・・ね」
「そうだな」
「さっきからあんたいいかげんな返事ばっかりね」
「眠ィんだからしょうがねぇだろ」
「眠いの?」
「おれ昨日船番で寝てねぇんだよ」
「へぇ。気の毒ね」
「なんだよその返事・・・他人事みてぇに」
「だって他人事でしょ」
「・・・ひでぇ」
ゾロはため息をつき、どかっと地面に座った。
「ちょっとゾロ、汚れるわよ?」
「おめぇもいつも汚れてるだろ」
「・・・そうだけど」
「立ってるとキツいぞ。おめぇも座れよ」
「・・・・」
ナミは黙って、地面に座った。
雨水が尻にじわっと冷たく伝わってくる。
「・・・・寒ィな」
「うん・・・・」
「・・・・やべ・・・やっぱちょっと眠ィわ」
「ちょっと、ここでアンタが寝たら私のことは誰が守るの!」
「・・・なんだソレ・・・自分勝手だな・・・」
「女って言うのはそう言うモンよ」
「・・・・・ナミ」
「え?」
「ちょっと借りるぜ」
「え・・・・」
ゾロはそう言うなり、ナミの肩に自分の顔を乗せ、体全体の体重を、ナミにかけた。
「ちょ・・・!ゾロ・・・!?」
「黙れ・・・眠らせろ」
「あ・・・・アンタちょっと何やってるか分かって・・・」
ナミが文句を全て言い終わる前に、ゾロがナミの唇を塞いだ。
「・・・・っ」
「・・・・・」
ゾロはすぐに唇を離し、ナミの肩に、こてんと頭を乗せた。
「・・・・ゾ・・・・」
ナミは両手で口を押さえ、顔を真っ赤にして黙った。
(な・・・何考えてんのよ・・・ゾロ・・・)
そう思いながらも、あまり嫌な気持ちを覚えないナミだった。
しばらくして、ゾロは目を覚ました。
ゾロが目を覚ますのと、騒がしい雲から太陽が顔を出すのは、ほぼ同時だった。
「・・・・ふぁ・・・」
「!やっと起きた!ちょっとゾロ!」
「あ゛?」
「アンタ私に何やったか覚えてるの!?」
「あ・・・・?あぁ・・・・キスか」
「!!はっっっきり言うな!!!」
ナミは顔を真っ赤にして怒鳴った。そしてゾロに手を差し出した。
「?何だ?この手は」
「1万ベリー!」
「は?」
「キ・・・キスの値段!」
「値段??」
「そう!」
「金取るのかよ」
「そう!」
「・・・・分かった分かった。払えばいいんだろ?」
「あら。結構あっさり言うこと聞くのね」
「・・・・払えば何度でもして良いんだろ?」
「!」
ゾロはニッと笑ってそう言うと、よっこらしょ、と起きあがり、先にすたすた歩き出した。
「ちょ・・・っ・・・ゾロ!どういう意味よーーー!!!」
太陽はさんさんと二人を照らした。
−end−
(2006.04.07)Copyright(C)*みかん*,All rights reserved.
<管理人のつぶやき>
ゾロ、ナミを黙らせる・・・・・くちびるでvvv
ゾロの方が一枚上手で、ナミの方がこのゾロに振り回されてますね〜(珍しい・笑)。
キスで1万ベリー。ゾロの借金がどれくらい増えていくのでしょうか(笑)。
*みかん*さんが2作目を早速ご投稿くださいました。ありがとうございました!