思い出話
            

ねここ 様


私は今片思いというものをしていた。

実際これが恋なのかは自分自身よく分からない。

だって、初めてだったんだもの。こんな気持ち。

なんて言えばいいのかな?

ん〜、気がつくとその人のこと考えてたり、その人に会いたいって思ったり・・・

・・・これを『恋』っていうのかしら?

ま、きっと人それぞれ違うと思うから、どうでも良いわ。



これから話すのは私の恋が叶うまでの話。良ければ最後まで付き合ってね♪



私の好きな人の名前はゾロ。翡翠色の髪の毛と瞳、左耳には金色の3連のピアス。強面。

これが特徴かしら?

彼との出会いは小学校1年生の時。

話しかけてきたのは彼から。いきなりこっちに向かって走ってきたから、全速力で逃げちゃった♪

そしたら追いかけてきたのよ。逃げ続けたわ。

でも、子供だからね。結構すぐに疲れちゃって。休んでる間に追いつかれちゃった。



それで「何で追いかけてくるの?」って聞いたら「君と遊びたかっただけなんだ」ですってv

(今は絶対言わないと思うわ)

で、そのまま彼と仲良くなった、と。




この気持ちに気づいたのは5年生の時。

「明日席替えかー」とか寝る前に思ってたの。そしたら「ゾロの隣の席になれたらいいな」とか自分の知らないうちに呟いてたわ。この時点でゾロのこと好きかも?って思った。

次の日の席替えでは私は前から二番目。ゾロは1番後ろだった。

ちょっと残念。とか思ってたんだけど、ゾロの隣の席のひとが目が悪くて、先生が「どの辺なら見える?」って聞いたら「前から2番目」って答えたの。そこは私。で、交代ってわけ。

内心とても嬉しかったわ。けど、外見はちょっと嫌そうにしてた。だってあからさまに嬉しそうにするのも・・・ね?

翌月の席替えも同じだったわ・・・またその目の悪い子がゾロの隣になって、私が前から2番目。

「もしや・・・」って思ったわ。案の定、また彼女と交代して私はゾロの隣。すっごいラッキーだった。



6年になって違うクラスになったときは凄いがっかりしたわ。けど、委員会同じだったからまだ良し。

告白するタイミングは何度もあったわ。修学旅行の時、廊下で2人で歩いてたとき・・・。

けど、言い出せなかった。今の関係が心地よかったのもあると思うの。けど私が臆病なのもあった。

そして卒業。時が流れるのは本当に早い。式が終わってクラス別のお別れ会が始まる前にゾロにあった。

ゾロはみんなが行く市立の中学じゃなくて、私立を受験して合格。離ればなれになる・・・。

お別れ会が始まるそのちょっとの時間でも言えたはずよ。いくら近くに人がいたか らって小声で言えばよかったのよ。けど、言えなかった。今はただそばにいたかった。



中学1年生の9月。ゾロの通っている中学で学祭があったからみんなで行った。

ゾロを見たときはびっくりした。だってまだ最後に話したときから半年ぐらいしか 経ってなかったのに、ゾロの身長は168cmはあった。小学校の時は私と同じくらいだったのに。

学祭は凄く楽しかった。ゾロのクラスは写真とかの展示だけだったけど。クラス全員の顔写真が貼られてて1言づつその人の特徴みたいなのが書いてあって、ゾロのは「万年寝太郎(笑)」って書いてあった。

小学校の時からそうだったけど、中学に入っても直ってなかったのがおかしかった。



気がつけば高校1年生。年賀状のやりとりはしたけど、それ以外は何にもなし。

いつの間にか受話器を握ってて、もうすでに電話番号を押し終わった後。

しょうがないと思ってそのまま切らづにまってた。そしたら――

『はい。ロロノアです』

でた。しかもこれは本人だ。家のひとが出なくてよかった。だって恥ずかしいし。

『あの、どちら様で?』

そこで自分が数秒黙っていたことが解った。

「あ、私ナミです。えっと、ゾロ・・・だよね?」

ゾロだと思った。けど声が以前よりも低くなってて本当にゾロ?って思った。

『ああ、そうだけど・・・なんかようか?』

「あ、あの・・・」

いつの間にか電話をかけていたものだから、何を言おうか。

「あのね、今度、時間空いてる?話したいことがあるの」

『ああ?何だよ急に。・・・日曜なら空いてるけど、どうだ?』

「に、日曜ね!ゾロの家に行かせてもらうから!よろしくね、じゃ、日曜に」

『ああ・・・日曜に。じゃあな』

そこで電話が切れた。

ああ、今から日曜日が楽しみだわ!

よし!勇気出していこ!



そして日曜日が来た。

今、ゾロの家の前にいる。けど、なぜかインターホンが押せない。

ああ〜!もう、ぐずぐずしてるのは性に合わない!せーのっ!!


ピンポーン


『ハイ。あ、ナミか?今開ける』

そしたらドタバタ音がしてきた。

と、思ったらドアの開く音がした。

「よぉナミ!久しぶり。上がってくれ」

「う、うん」



「で、話ってのはなんだ」

「え、あの、えっと・・・」

いきなり告白ってのも、なんかね。えっと・・・

「さぁ、私が話したいこととはなんでしょう!
1,重大発表がある2,ちょっと気まぐれで・・・3,告白4,・・・会いたかったから さぁ!どれだと思う?」

「・・・・・・・・・・・・」

なんでこいつったら黙ってるのよ?

「で、なんだと思う?」

「・・・1,重大発表がある」

「ぶっぶー!正解はなんと!・・・・・全部v」

「はぁ!??」

あら、結構予想通りの反応ね。そりゃ驚くわよ。答え全部なんて。ゾロの頭でこんな答え想像できなかったでしょう?

「んっとね、まず、なんか会いたかった。電話したのは気まぐれ。で、重大発表が あって、それが告白。と言 うわけ。解った?」

「・・・てことは、お前は俺が好きなんだよな?」

と、にっこりと笑っていった。

次の瞬間ナミの顔は真っ赤になっていた。

「な・・・!いきなりそんなこと言わないでよ!その・・・す、好きだなんて」

「いいじゃねぇか。ホントの事なんだし」

「じゃぁ、ゾロの気持ち。聞かせて」

「俺?・・・・・好きだよ。ナミのこと。小1の時に出会ってからずっと」

「・・・・・・?」

ナミは一瞬ゾロが何を言ったのか理解不能だった。でも本当はゾロの家に来たときから脳の一部がショートしていた。

そして意味が分かってくると、一度は静まった顔の赤みが再び戻ってきた。

「・・・ホント?本当なのゾロ?」

「ああ。・・・本当だ。俺はウソはつかねぇ」

ナミはいつの間にかゾロにキスをしていた。

ゾロはそれに対し一瞬吃驚したが、すぐに落ち着きを取り戻した。

「ねぇゾロ」

「なんだ」

「これからはずっと一緒だよ?」

「ああ――ずっと一緒だ」



さて。これで私の話は終わり。最後まで聞いてくれてありがとう。

どうだった?楽しんでもらえたかしら。

話して私もなんかすっきりしたわ。今までこういう話はしたこと無かったんだもの。



あ、ゾロとはずっと続いてるわよ?そりゃぁたまにケンカもするけど、それでも仲良くやってる。

あれ?もうお別れの時間??

それでは。また会えるのを楽しみにしてるわ




FIN


(2006.07.14)

Copyright(C)ねここ,All rights reserved.


<管理人のつぶやき>
ナミが自らの恋のお話を語ってくれる。ええ、最後まで付き合いますのことよ!(笑)
幼馴染のゾロを意識して、それから成長し、告白するまで。
ゾロに出したクイズ(?)の答えがナイスですね^^。それは思いつかなかったよ。

ねここさんの7作目の投稿作品でした。どうもありがとうございました♪

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