雨の日に
ねここ 様
私の名前はナミ。
この近くのイーストブルー高校の生徒だ。
今私は雨の中を走っている。どこか雨宿りできそうな場所を探して。
何故傘を差してないかって?それは――・・・
確か今朝見た天気予報のせい。だって、『今日は一日晴天が続くでしょう』っていうんだもの。
それを信じて何が悪い?
それに、いつもならしっかり携帯してる折りたたみ傘――なんで今日に限って鞄の中に入ってないのかしら?
えっと、昨日ノジコに貸してそれから――・・・返してもらってないわ。
そう思いながらもナミは道を急いだ。
学校から少し走ったところにちょうど良さそうな木がある。あまり雨は入ってこなさそうだ。
(よし。あそこに決め!・・・もう誰か居るっぽい?)
良く見ると人影がある。
まぁいいかと、ナミは勢いよく木の下へ走った。
(あれ?)
ナミは木の下に入ったとき、先に居た人物が目に入った。
その男は髪の毛が緑色で、身長が高く、結構な強面だ。
(ちょっと怖いかも・・・)
ナミはそう思い、他の場所を探そうと木の下を出ようとした。すると――
「おい。夕立っぽいから止むまでここに居れば良いんじゃねぇか?」
ふいに男の方から声がした。振り向いてみると男はナミの方を見ていた。
「え?」
「だから、ここにいた方がまだ雨には濡れねぇぞって、言ったんだよ」
ナミもこれは夕立だとはわかっていた。そうだ。わざわざ制服を濡らす必要はないのだ。
「・・・じゃぁ、ここに居させてもらうわ」
そう言ってナミは雨の当たらなさそうなところを見つけたので、そこに落ち着いた。
そして、暫しの沈黙が流れた。
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
この沈黙に耐えきれず、ナミは男に尋ねた。
「ねぇ、・・・名前、なんて言うの?」
「あぁ?名前?なんでそんなもんてめぇに教えなきゃいけねぇんだよ」
「いいじゃない。教えてよ名前」
男は一つため息をついてからいった。
「ロロノア・ゾロだ。・・・お前は?」
「私はナミ。イーストブルー高の生徒よ」
「なんだ。同じか」
その言葉を最後に、また沈黙が流れた。空を見上げると、もう雨は止んでいた。
「さて。雨もあがったことだし、そろそろ帰るか。お前も早く帰れよ?」
「あ、まってゾロ――!」
ゾロはナミの方を振り向いてから言った。
「なんだ」
「あの・・・また会えるかな?」
「ああ。学校も同じだから運が良ければまた会えるんじゃね?」
それを聞いてナミは何故かホッとした。
「そっか・・・それじゃ、またね」
「ああ――またな」
ゾロはそう言って、その場を立ち去った。
なぜだかわからないが、今ナミの胸はとても高鳴っている。
たった数分しか一緒にいなかったのに。ホントに少ししか話さなかったのに・・・。
・・・まさか一目惚れ?・・・そんな分けないか。
「ロロノア・ゾロ――か」
そう呟いてナミは家へと帰っていった。
後日――ゾロとナミは再会できた。
バスの中でナミが痴漢に遭っているのを助けたのが2人の再会。
これを機に2人の仲は進展していく――?
FIN
(2006.07.16)Copyright(C)ねここ,All rights reserved.
<管理人のつぶやき>
雨が降って、それでナニが起こるかわからないものですねー。なんせナミは雨宿りをきっかけに一目惚れv
怖さも吹き飛んで、名前を聞いたりして(積極的^^)。
でも、きっとゾロもナミのこと気に入ったと思うんだー。だって呼び止めてたぐらいだもん!
ねここさんの8作目の投稿作品でした。どうもありがとうございました♪