猫
しぇりー 様
連日のように襲われていたサイクロンから開放され、
やっと眠ることが出来たクルー一同。
見張りであるナミ以外は全員寝静まったかと思われた男部屋に、
小さな明かりが灯っていた。
男部屋の端のほうでチョッパーは眠い目をこすり薬を調合していた。
(ナミ、大丈夫かな・・・ ただでさえ疲れているのに見張りなんて)
「変わってあげるって言ったのに・・・。」
今日の見張りがナミだと知ってクルーは勿論みんな反対した
「おいナミ〜俺が変わってやるから寝てろよ〜」
「んん、いいのよチョッパーこのくらいなんとも無いからv
あんたも他の皆だって疲れてるんだし。ね、だから大丈夫!」
「航海士さん寝たほうがいいんじゃなくて?」
「平気、平気! 明日からゆーっくり休ませてもらうからw」
そんなナミが心配になったチョッパーはナミに疲れが取れるサプリメントを作ってやろうと起きていたのだ。
チョッパーもやはり疲れがたまっていてほぼ半寝状態で作業していた。
チョッパーは知らない。疲れのあまり調合を誤っていたことを・・・
その日の朝食も終わり、ナミとロビンが食後のティータイムをしていた。
「航海士さん調子はどう?」
「今朝チョッパーからもらったサプリのおかげで全然元気よ!」
「それは良かったわ。おかわりいるかしら?」
「ええ、もらうわ」
ロビンは紅茶を注ぎにキッチンへ行った。
と、そのとき・・・
「えっ!!!???」
ナミは体に違和感を覚えた、(キッチンが大きくなってる!?)
とっさに体を確認すると・・・
オレンジの毛並み するりと伸びる尻尾 手には肉球?
(えぇ〜〜〜〜 猫になっちゃった!)
(どうしよう、とにかくチョッパーに見てもらうのが一番だわ)
「航海士さん、あら、どこにいったのかしら?」
(航海士さんの服?)
(も〜チョッパーどこにいるのかしら?)
「お〜いウソップ!あれ見ろ猫だぞ!!」
(ギクッ! やばいわ)
「おまえなぁルフィこの船に猫が・・・いた!!」
「つかまえようぜ〜」
(あいつらに捕まると面倒なことになっちゃう;)
「あっ 逃げた」「追うぞ!」
水鉄砲を食らわされたり、危なく絞め殺されそうになった
数十分にもわたる追いかけっこの末、やっと安全地帯に隠れた
ただいまお昼ね最中のゾロのかげ
こっちの苦労も知らず気持ちよさそうな寝顔に
軽い怒りを覚えて、そのたくましい腕を引っかいてみた
「ってぇ ん?・・・なんだお前」
「ニャァ(ゾロ気づけ!あたしよ)」
「どうやって乗り込んだんだ?」 「どこ行った猫〜」
「・・・おめぇも大変な目にあってんな。チョッパー呼ぶか」
「クション!(う〜寒い!あいつらの水鉄砲のおかけだわ;)」
「その前に風呂行ったほうがいいな」
(え? 待って待って!ちょっ つれてくな〜〜)
ガチャ
「トレーニングしてすぐ寝ちまったからな、俺も入るか」
(はぁ?? なにいってんのよコイツは// 絶対無理!)
「うし、入るぞ」
(脱いでるし・・・ まぁあたしが裸なわけじゃないからいいか)
ジャアー ゾロは優しく(彼なりに)猫の体を洗ってやった
(ちょっと乱暴だけど、なんだか気持ちいい)
「終ったぞ。 よっと」
ゾロは猫をバスタブのふちにおいて自分もからだをシャワーで流した
それをあまり見ないようにナミはバスタブに張ったお湯を眺めていた
体を流し終わったゾロが湯船につかった。
「なんかお前ナミみてぇだな」
驚いたナミはゾロを見た
「オレンジ色だしよ、強気そうな目も同じだ」
(なによコイツ気づいてる?)
「こっちこい」
そう言ってゾロはナミのほうに手を伸ばしてきた
少しためらったナミだったが、素直にその手に近づいていった
すると、ゾロはいきなり猫を抱きしめた
(ちょっとなにすんのゾロ///)
抵抗してみるものの、構わずゾロが抱きしめてくるので力を抜いた
しばらくの間ゾロの胸の中にいたナミは再び体に違和感を覚えた
「・・・ナミ?」
「え?何戻ったの?」
ほっとしたのもつかの間、今の状態は危ない
服はキッチンでロビンに拾われているので着ているはずも無く
「キャー 見るな変態!」
恥ずかしさのあまりゾロをに殴るかかるナミ
「いてぇな、てめぇ・・・やってくれんじゃねえか」
「うっさい!」
「きちんと状況判断じたほうがいいんじゃねえのか?」
「やっ// どこ触ってんのよ!エロ魔中!!」
「いやぁ〜〜〜〜〜〜〜〜」
自分が渡したサプリでナミが大変なことになっているとは知らないチョッパーはのんきにロビンとトランプをしていた。
(航海士さんも大変ね)
「どうしたんだ?次ロビンだぞ!」
「ええ」
しばらくして、風呂場から出てくるいつにも無く機嫌のいいゾロと
顔を真っ赤にしてよたよたと歩くナミをウソップが目撃したとか
おわり
(2010.01.27)