想いと言葉
            

結衣 様




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不安、苛立ち。

君は何を想って私を抱いているの?

緑色の髪と、低い声。
私よりずっと大きな背中。

魅せられた私が悪いの?

君から目が離せない。

私の精一杯の気持ちを伝える
行為の最中。

聞こえてるの?

聞こえてるなら何か言ってよ

女は言葉で伝えてくれないとわからない生き物なの。


*******

ねぇ、私のこと好き?

隣で眠る君に問いかける。

返事がないのはわかってる。

いつもより幼く見える寝顔に口付けて部屋を出た。

もう空が白んでる。

君は私のこんな不安を知ってるの?

少し前に伝えた私の気持ち。

君は照れたように笑って私にキスをした。

私、こんな気持ちになったことなんてないのよ。

こんなに人を好きになれるなんて思ってもいなかった。

ねぇ、冗談か何かじゃないのよ。

君の気持ちを聞かせてよ。

********

涙が頬を伝う。

完全に日が出て、まわりが明るくなった。

コックさんの朝食の時間を伝える声。

涙を拭いてキッチンへ向かう。

いつも通りのにぎやかな朝食。

笑えない。

心配そうなコックさん。

心配なんかしないで。

私はあなたの気持ちを裏切っているようなものだから

*********

みかんの木たちは、オレンジ色の実をつけている。

熟したものから収穫していく。

実を入れたかごがいっぱいになった頃、

見覚えのある、緑色の頭が階段を上がってくる。

「ナミ」

「何よ」

「みかんくれ」

「ダメ」

「なんで」

少し拗ねたような表情をする。

「・・ゾロ、私のこと好きじゃないでしょ?」

「はぁ?」

「だって、私のこと好きって言ってくれないじゃない」

「そんなんしょっちゅう言えるか!
あのクソコックじゃあるまいし。
それとみかんとなんの関係があるんだよ」

「でも・・」

ダメだ。涙がにじんでくる。

俯くと涙がこぼれた。

「私は言って欲しいのよ」

嗚咽交じりに言う。

------瞬間、抱きしめられる。

何が起こったのかすぐには理解できなくて動けない。

「・・・ゾロ・・?」

彼は私にやさしく口付けて、

「好きだ」

と言った。


穏やかな晴天の午後。




FIN


(2005.03.22)

Copyright(C)結衣,All rights reserved.


<管理人のつぶやき>
態度で示すが言葉では言わない・・・・実にゾロのゾロたる所以な部分ではありますが、そんな彼と実際付き合うとなると、女の子としては不安になるもので。
でも最後にはちゃんと言ってくれた。根は優しいんだなぁ。よかったね、ナミ!

結衣さんの初投稿作品です。ご投稿ありがとうございました♪

 

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