HORIDAY
れーな・K 様
穏やかな風が吹いている。
静かな午後。
お昼過ぎに着いた島は、何もかもお誂え向き。
港で聞いたらログは三日で溜まるって。
お手ごろな感じに活気がありそうで、物資の調達にも便利な港町。
一番の喧騒の元は、入港する直前から大騒ぎで
ゴムの手が届く近さまで来たら、手を伸ばして
一人で飛んでいこうとしたから、パンチひとつお見舞い。
どうしてこんなに落ち着きがないのかしらね。
上陸組にいろいろ指示。ロビンがいるから安心よね。
今日はみーんなお休み。
HOLIDAY。
海の上でいつも仕事してるのは、私とサンジくんだけなのよね。
丈夫だけが取柄な連中ばかりだから、普段ならチョッパーの出番は少ないし。
ウソップはいつもなにやら作ってるみたいだけどアレだって趣味の一環でしょ。
ロビンは日がな読書。ゾロとルフィは、云うのも面倒。
だから今日はHOLIDAY。
たまにはコックさんだってお休み欲しいでしょ?って
サンジくんに云ったらなんだか妙な顔してたけど、
私ちゃんと知ってるのよ。
たまにはロビンとごゆっくり。
「お邪魔なのを全部片づけたかっただけなのではなくて?」
そのとおりよ、ロビン姉さんvv
我らが船長のお守りは、ウソップに厳命。
でもほら、チョッパーもいるからね?
静かな午後。
後甲板、パラソルの下のデッキチェアー。
サンジくんが降りる前に用意していってくれたスペシャルドリンク。
私の分はもう空っぽ。
もう一人の分は見事に氷が溶けて、薄くなっちゃってる。
よく寝ていらっしゃいますこと。
あんたの場合、雪が降ってても昼寝日和なんだから。
こんな天気なら何より。
蜜柑畑に上る階段の脇で、気持ちよさそうに爆睡中。
どうせ目が覚めたらトレーニングでしょ。
でも、今日はHOLIDAY。
少し見てたらそろそろ起きそうな気配。
当り。
デッキチェアーから立ち上がって、大欠伸で伸びをしたゾロの隣に座る。
まだ半分目が覚めてない。
頬っぺた突付いてやったら私にやっと気がついて。
「・・・・あ?朝か?」
バカ。
「まだ昼間の3時前よ。今更だけどあんたの体内時計どうなってんの」
「・・・・煩ェ」
面倒くさそうに、もう一度欠伸して立ち上がろうとするのを、
腹巻引っ張って邪魔をした。
「なんだよ」
「今日はね、お休みなのよ」
「・・・・は?」
「今トレーニングしに行くつもりだったでしょ」
「だからなんだってんだ」
「お休みなの」
立ち上がれないように腕を絡めたら、ゾロは反対側の手で
自分の頬っぺたをカリカリ掻いてる。
「わっかんねえ・・・」
「判んなくてもいいのよ」
「・・・ここにいろってか」
「そ」
今日はね、みーんなお休みの日なのよv
もう一度そう繰り返してあげたら、
上見上げて何か考えてる。
「ゾロ?」
こっち向いて例の笑い方で唇歪めて。
「ナミ」
「何よ」
「じゃあ夜も休んでいいのか?」
・・・・。
鈍い音と一緒に、甲板に仰向けに沈んだ男のお腹の上に
頭を乗せて私も寝ちゃお。
今日はHOLIDAY。
FIN
<管理人のつぶやき>
緊張を伴う航海を終えての心休まるひととき。お休みと言ったらお休みなのだー!そういう時間は好きな男と過ごしたい。そんな女心が見え隠れして可愛いな、ナミv
それにしても・・・夜を休むと辛いのはキミだよ、ゾロ(笑)。
FEINT−21様(閉鎖されました)のサイト一周年を記念して出されたDLフリー小説です。れーなさん、どうもありがとうございました!
実はこのお話ナイトバージョンもあるんですがね。めくるめくようなのが。残念ながらうちには裏サイトがないので、こちらだけ頂いてきました。くぅ〜(涙)。