mysterios love
            

みづき 様






「よし・・・!呑んでやる・・・今日はとことん呑んでやる・・・!」



港を出航する前、ポケットマネーでいろいろお酒を買った。
今日はとにかく呑みまくって、酔いつぶれたかったというのが理由。
だから味なんて関係なしに、アルコールが強くて安いお酒をとにかく買って来た。
戻った時ルフィが袋を見て食べ物が入ってると勘違いしてたと思うけど、良く覚えてない。



・・・それもこれも、原因はあのマリモ。



まぁ・・・別にあいつが悪い訳じゃないけど。
行動に移せないあたしが悪いんだし。
だから、そんな自分自身にイラついてる時に島へ着いたのは丁度良かった。



・・・今日はもぅ、とこっっっとん呑んでストレス発散してやる!




「おい、ナミ〜・・・お前それ、幾ら何でも呑み過ぎじゃねぇか〜?」
「い〜の、い〜の。今日はそのつもりなんだから。」



言ってみればヤケ酒に付き合って貰ったのはウソップ。
話し相手になって貰うには丁度いいし、何のかんのでちゃんと聞いてくれるし。
タイミング良く見張りだったっていうのもあるかな。

あたしの驕りだって言っても、一応見張りだからか殆ど呑んでない。
こういう所は真面目よね、こいつ。
大事な船に何かあったら・・・っていうのもあるんだろうけど。

「だったらゾロを付き合わせりゃいいだろが。まだ寝てねぇだろ、あいつ。」
「まぁね・・・そうなんだけどさ・・・。」

何でそこでゾロの名前を出すかな・・・確かに言うとは思ったけど。

「あ〜?何だお前等、また喧嘩でもしたのか?」
「またって・・・してないわよ。」
「おぉ、そうか。って・・・だったら尚更変じゃねぇかよ。」
「何が?」
「何がって・・・喧嘩してねぇならいつもみてぇに呑んでりゃいいじゃねぇか。」



う・・・結構痛いトコ突いたわね、ウソップさん。



「それが出来ない時もあんのよ・・・。」
「ふ〜ん・・・何か女みてぇな事言うな、お前。」
「何ですって・・・?」
「い・・・いや、だからよ・・・お前らしくねぇっていうか、何てーか・・・まぁ、そういう事だ。」

あの・・・最後の方は別に胸張って言う事でもないと思うんだけど。

「あたしらしく、ねぇ・・・。」
「まぁ、俺は別にそれでもいいと思うけどよ。」
「え・・・どういう事?」

「ずっとこうやって航海してんだし、顔見たくねぇって時もあっておかしくねぇなと思ったんだよ。
その理由が喧嘩じゃなくてもよ、会いたくねぇ時位あるかもなと思ってさ。
それにお前、ちょっとした事で機嫌変わるし。」

「へぇ・・・あんたにしちゃいい事言うじゃない。」
「まぁな。」
「最後の一言余計だったけど。」
「う・・・。」

そう言ったらウソップはすぐにバツの悪そうな顔をあたしに向けてた。

「ま・・・まぁ、アレだ。気持ちが落ち着くまでそうしてていいんじゃねぇか?
ゾロには俺からも巧く言っといてやる。」

「ウソップ・・・。」

「その代わりなるべく今みたいにしてろよ
・・・お前の様子変わっただけでうるせぇからな、あいつら。
特にチョッパーなんかすぐに治療するとか言い出すぜ、きっと。」

「あ、そうかも知れない。」
「だろ?」



ウソップがそう言ってくれたのを聞いたら、何か不思議と落ち着いた。
そうよね・・・こうやって一緒な以上顔を合わすんだもん、無理しなくていいかも。
行動を起こすのは何時だって出来る訳だし。
まぁ・・・砕けた時のアフターケアとその後の事考えると不安にもなるけど・・・。
でも今日は、取り敢えずいいか。



「ありがとウソップ。お陰で落ち着いた。」
「も・・・もぅか!?」
「まぁね。これでも感謝してんのよ、素直に受け取んなさい。」

「お・・・おぉ、そうか。んなら今日のトコはもぅ休めよ、朝一番に航路見るんだろ?
ここの片付け位俺がしとくからよ。」

「・・・。」

見たら確かに、あたしの周りは空瓶の山。
あたし・・・ここまで呑んでた訳ね。

「サンキュー、ウソップvじゃ、お願いねv」
「分かった・・・分かったから腕離せ!驚いたろうが!」



ウソップに抱き付いた後立ちあがったら
それまで座ってた所為か、結構頭がふらついて来た。

・・・ここまで酔いが回ってるんなら、速攻で寝付けそうね。

「おいナミ、大丈夫かよ?」
「へ〜き・へ〜き・・・おやすみぃ〜。」

そのまま背を向けて『ヒラヒラ』手を振りながら部屋へ戻ったら、ロビンがいなかった。
まぁ・・・いいけど。
取り敢えず鍵は開けとくか。



「・・・。」

案の定横になったら速攻で眠気が来た。
あれだけ呑んで正解だったのと、ウソップのお陰って所かしら・・・?



そう言えば・・・その後ゾロが部屋へ来たような・・・。
寝付くかどうかの時だったかな・・・。

聞こえてきた声であいつだってのは分かったけど
・・・よく考えなくてもロビンには能力があるんだし、鍵閉めておけば良かった。



「おい・・・まさか、もぅ寝たんじゃねぇだろな?」

ゾロの声は確か上から聞こえてきたと思うけど
あたしはもぅ殆ど眠る方に意識がいってて、はっきり聞こえてなかった。

「ホントに寝てんのか・・・?」

寝てるも何も・・・その声だって何言ってるか良く聞こえてなかったんですけど。

「寝てんなら勝手に酒持ってくぞ。」

あぁ・・・それで部屋来た訳ね。
って、ちょっと・・・勝手に持ってかないでよ。



・・・あれ?
でも瓶を動かす音してなかったような・・・。



「ホントに寝たのか・・・ったく、人の気も知らねぇで・・・。
ウソップに抱き付いて随分楽しそうにしてたじゃねぇか。」

確か・・・楽しそうっていうのは聞いたと思うんだけど、気のせいかな・・・。
もしかしなくても見てた訳ね、こいつ・・・。

「あいつ結構大変そうに呑み散らかした酒の片付けしてんだ・・・ちったぁ感謝しろ。
それから俺の前で他の奴といちゃつくな
・・・今度似たような事して今みてぇに寝てた時は何するか分からねぇからな。」

だからね、ロロノアさん・・・それ、よく聞こえてなかったんですけど。



「・・・。」

それから確か、髪を撫でられた様な気がする・・・。
それで無意識にゾロの手をとった様な、とらなかった様な・・・。

「・・・!?テメェ、起き・・・。」

そのまま手を握ってた様な覚えもあるけど、完全に眠っちゃって
目が覚めた時は航路を見る時間だった。



「・・・。」



あれ・・・あたし横になった時タオルケットかけてたっけ・・・?

「あ・・・。」

そっか、ゾロ暫くいてくれたんだ。



・・・ん?



「あいつ・・・人が寝てる間、あたしに何かしてないでしょうね・・・。」

って・・・んな訳ないか。
キスマークひとつ付いてれば殴りに行けるんだけどな・・・。



「・・・よし!今日も1日頑張りますか!」



何時の間に戻って来たのか、まだ眠ってるロビンを横に甲板に上がる。
まだうっすらとしか陽は昇ってないけど、快晴なのはすぐに分かった。

あいつにあたしの想いを言うのは、もう少ししてからにしよう
・・・とにかくは、この後あいつに会ったら思いっ切り皮肉った目でいじめてやる。



言ってみれば、暫くいてくれた事への照れ隠し・・・覚悟して待ってなさい。







END




 

<管理人のつぶやき>
ナミのイライラモードからスタート。一体どうしたのかなと思ったら、ああマリモが原因ですか・・・。でもナミ自身も行動に移せないところもあって、なかなか二人の仲は進展しない様子v ゾロも寝てるナミ相手なら素直になれるのにねぇ・・・。ウソップはいいヤツだよなぁ。

サイトが復活した時にみづきさんが「復活祝いSSを送りますから、何かリクありましたらどうぞv」とおしゃってくださいました。そのお言葉に甘えて、「ストイックゾロナミ」をリクしました!ハイ、もう私の趣味丸出しです!!
みづきさん、素敵な禁欲的お話(笑)をどうもありがとうございました!

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