punishment game
            

みづき 様






「ちょっと・・・何であたしが・・・?」



先端に赤い印が付いてる棒をあたしが引いたのは
あたしの誕生祝いと銘打ったいつものバカ騒ぎの最中だった。



何であたしな訳・・・?
この手の事には強い筈なのに・・・。



「「「ばっつれ〜む!罰れ〜む!」」」

すっかり酔ってるルフィにウソップ・・・それにチョッパーは、声を揃えて言ってる始末・・・。



こんの酔っ払い共わ〜〜〜・・・。



「ナミすわ〜んvどうかころ俺にすれきら罰を・・・v」

サンジ君も完全に酔ってるわね・・・。

「ナミらん、罰げ〜む〜〜〜!」
「クエ〜!」

カルーも酔ってるみたいだし頼みの綱のビビもこれで・・・残ってるのは後1人。



「・・・諦めろ。それに今のこいつらじゃ大した事言やしねぇよ。」

その残ってる1人・・・ゾロを見たらそんな事言って来た。
こいつ・・・自分だけ酔ってないからって、楽しんでるんじゃないでしょうね・・・?



「あま〜い!そろ考えら甘いれ、ゾロ!」
「そうらぞ!甘いんらぞ、ゾロ!」

そしたらウソップとチョッパーが声を揃えてそんな事言って来た。
まぁ・・・チョッパーは合わせただけだと思うけど・・・。

「ろういう時の罰れ〜むはキスをするろ、相場は決らってるのらろ!」
「るんらろ!」

あの・・・更にカツゼツ悪くなってるんですけど、2人共・・・。



・・・ん?



今何て言った、あんた達!?



「・・・キス?」
「おぉ、そうだ!」
「そうらぞ!」

「お。おもりろそうらな、それ。」



ルフィ、あんたね・・・。



「・・・あおるな、そこ!」
「いいらね〜かよ〜。罰ゲームらねぇら〜!」

あのね・・・あんたまで言わないでくれる?

「そうら!これはばるゲームらからな・・・ちゃんとらって貰うれ!」
「ろらうぞ!」



そしたら急に立ち上がったチョッパーに腕を掴まれた後皆の正面に立たされて
同じく立ち上がったウソップがそんなあたしの前に連れて来たのは・・・ゾロだった。



「ちょっと・・・何のつもり?」
「何のつもりだ・・・。」
「決まっれるじゃれ〜か。ゾロには罰れ〜むの相手になっれ貰うのらよ!」



「「・・・は?」」



って・・・何ゾロと声揃えてんのよ、あたし!

「ウソップ、あんたね〜。」
「テメェ・・・。」

ゾロが相手って・・・何でそうなるのよ!



「そうらろ、ウソップ!何でナミらんの相手ら俺らなくれ、そのクソラリモらんだ!」

いつもなら速攻でウソップに蹴りを入れてそうなサンジ君も
酔いの所為かやっぱりカツゼツ悪いし、ゾロの隣にいるウソップに言ってるだけ。



全く、どいつもこいつも・・・。



「何らって、罰れ〜むらからな!」

ウソップ・・・そこ胸張って言うトコじゃない。

「・・・というわれで、ここはひろつ盛大にやっれくれ!」
「やっれくれ!」

そしたらウソップとチョッパーは、言うだけ言ってさっきまでいた場所まで戻っていった。



あんた達ね〜〜〜。



「え・・・?」
「・・・?」

半ば呆れて戻ろうとしたのはゾロも同じだったけど
あたしは急に右足に重みを感じて動けなかった。

見たらそこにあったのは伸びてる腕・・・ゾロの方には左足にそれがあった。



「ルフィ〜・・・。」
「テメェ、何のつもりだ・・・。」



動かそうにもルフィの手の力が強くて動かない。
あのねぇ・・・何て握力してんのよ、このバカ力!



「罰ゲームらろ、ナミ!ゾロらっれいいらねぇか・・・減るモンらねぇんらからろ。」
「「・・・。」」

まさか、あんたからそんな言葉聞くとは思わなかったわ・・・。

「そうれるろ、ナミさん!減るものららいれす!」
「クエ〜!」



ちょっと・・・ビビまで何よ、急に?
しかも何、その何かを期待してる目は?

「・・・。」

見たらゾロはサンジ君と言い合ってるし・・・あぁ、もぅ!!!
どうしたらいいのよ・・・。



あ・・・。



そうだ・・・。



「分かったわ・・・するわよ、罰ゲーム。」



そう言ったら皆あたしを見たけど・・・一番驚いてたのはやっぱりゾロだった。

「おい、ナミ・・・。」
「いいじゃない。ルフィとビビも言ったでしょ・・・減るモンじゃないわ。」

そしたらやっぱりというべきかしら・・・すぐに反対したのはサンジ君だった。

「ダメれすろ、ナミさん!それららクソラリモの代わりり、ころ俺が!」
「ありがとサンジ君。でもこれ罰ゲームだから。」
「ナミざ〜〜〜ん〜〜〜。」

あの・・・酔ってるのか泣いてるのか、分からなくなってるんですけど・・・。



「ルフィも手を離していいわよ。ちゃんと罰ゲームするから。」
「おう。」

その後ルフィはすぐに手を離してくれた。



さてと・・・。



「ゾロ・・・。」
「・・・?」
「あたし罰ゲームなんて思ってないから・・・本気だから。」



なるべく口を動かさないで小声でゾロに言ったら、ゾロはあたしをみてまた驚いてた。



「・・・。」



そんなゾロの方を向いてゆっくり頬に手を掛けたら・・・ゾロもすぐあたしと向き合ってくれた。
でもその顔はまだ驚いたまま。



もう少しかしら・・・?



「何してんのよ・・・目、閉じなさいよ。」
「おい、ナミ・・・。」
「いいから。」

まだ驚いてたけど、ゾロが目を閉じたのに合わせて
今度はゆっくり自分の方へゾロを引き寄せる。



ちゃんと本気だって思ってる・・・?



それともからかってるんだって思ってる・・・?



「なんてね。」

そしたらゾロはすぐに目を開けて、また驚いてあたしを見てた。

「驚いてるわね。」
「テメェ・・・。」

言いながらゾロに笑い掛けたら、ゾロはやっぱり眉を寄せてた。



ごめんね、ゾロ。



「あんらろ〜・・・ずり〜ろ、ナミ〜!」
「甘いわよ〜、ルフィ。」

そう言い返したらルフィは頬を膨らませたけど
すぐあたしに『ニカッ』と笑ってくれた。

「・・・ま、いっか。」



「いや〜・・・一時はどうらるかろ思ったれ。ら〜、チョッパー。」
「お〜!どうらるかろ思ったろ!」

ウソップ・・・チョッパー・・・あんた達がそれ言う訳?

「ろんらナミさんは素敵ら〜!」
「素敵れす〜、ナミらん!」
「クエ〜!」

サンジ君・・・ビビ・・・そう言ってくれても微妙なんだけど・・・。
カルーも・・・一緒になって鳴かなくていいから。



「・・・?」

見たらゾロはいつの間にかあたし達のいる場所から離れてた。
すっごく機嫌悪そうね・・・。



「何してんのよ、こんなトコで。」
「・・・。」

案の定ゾロは機嫌が悪いみたいで
隣に行って聞いても何も答えてくれなかった。



・・・ホントに分かり易いんですけど?



「随分と面白ぇ真似してくれたじゃねぇか。」
「・・・そお?いいじゃない・・・皆あぁして酔ってるんだし、覚えてないわよ
。」

見たら皆はさっきまでの事が無かったみたいにまた飲み始めてた。
あの様子じゃ酔い潰れるのは時間の問題ね。



「どういうつもりだ・・・。」
「ん?」
「さっきのふざけた真似だ。」
「別にふざけてなかったわよ?言ったじゃない、本気だって。」
「あぁ、そうかよ・・・。」

ちょっと・・・何よその顔。

「・・・信じてないわね?」
「信じられる訳ねぇだろが。」
「あっそ。随分勿体ない事したわね・・・こんないい女が本気だって言ってんのに。」
「そうだな。」



こいつ・・・。
何よそのぶっきらぼうな言い方・・・。



「でも悪い気はしなかったんじゃない?」
「あ?」

そう言って笑い掛けたら、ゾロも口端を上げたっけ・・・。

「そうかもな。」



そうかもって・・・。



ったく、こいつは・・・。



「そ〜よ〜・・・少しは感謝しなさい。」
「へぇへぇ。わぁったから、もう戻れ。」
「え?」
「酔い潰れたぞ、あいつ等。」
「あ・・・ホントだ・・・。」

見たら、しっかりビビがカルーに寄り添って眠ってた。
ビビだけじゃなくてカルーも男連中も眠ってる。



しょうがないわね〜。



「じゃぁ、ビビ連れて行くわ。後の連中お願いね。」
「あぁ。」

それからすぐ何とかビビを支えながら、あたしは一緒に部屋へ戻った。





絶対・・・今日信じなかった事、後悔させてやるんだから。



覚悟して待ってなさい・・・!







FIN




 

<管理人のつぶやき>
メルで「投稿ひとつも無かったらどうしよう〜」と泣き言を言うと、「りうかいしました!!! なにかリクください」と頼もしいお言葉が返ってきました!さすが、みづきちゃん!
で、リクいたしましたのは、「ナミに寸止め喰らうゾロ」。オホホホv ビバ!寸止め!ですわよ。
そして。ゾロ吉くん、喰らってます、喰らってます、寸止め(笑)。
罰ゲームとはいえ、もう少しでナミとキスできたのにねぇ。内心どきどきでしたのね。でも、寸止めされて拗ねてるのね(笑)。

ごちそうさまでした。私が一番イイ思いをさせていただきました(ニヤ)。
みづきちゃん、本当にどうもありがとうございました!

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