a water tower −epilouge−
CAO 様
「若先生、今日もお泊まりですか?」
「知ってて聞かねぇで貰えますか?」
「いえ、いえ、仕事熱心でいらっしゃるから、誉めて差し上げてるんですよ〜」
「それは、失礼いたしました。ありがとうございます。」
「心が込ってませんよっ。」
帰り際、長年勤める助手のおばちゃんに、今日もまたイジメを受けた。まあ、仕方ない。俺がまだ鼻垂れ小僧だった頃から、親父のトコで働いてくれてる人だから、少々揶喩われるのもご愛嬌ってもんだ……ただし、鼻は垂らしてなかったが。これだけは、誓って言っておく。鼻はタラしちゃねぇ!
兎に角、親父の病院で働くようになって2年を過ぎたってのに、未だ子供扱いされるのは堪ったもんじゃねぇってこった。
「はぁ〜………込められるか。」
確に俺は獣医としちゃまだまだ駆け出しで、インターンみてぇなもんだが、『若先生』と呼ばれても、腹ン中じゃ何時までも経っても『ゾロ坊っちゃん』と思われてンのが分かるだけに、不本意極まりない。
「今日もお泊まり…」
1年目はまだ良かった。毎日患畜と触れ合って、日々勉強。自分にできる事できねぇ事を知って、克服する喜びとやらも味わって、日進月歩の毎日。確にキツイ事も度々あったが、そりゃ命を預かってンだ、仮にも医者って名乗ってっから、多少の覚悟くらいはある。おばちゃん達にイビられようとも、親父…院長に叱り倒されようとも、俺はヘコタレたりしなかった。
だが2年目。
親父…院長は何トチ狂ったのか、ペットホテルを併設すると言い出しやがった。
反対する俺に、「ご時世を考えろ」と、有無を言わさず押し切って。
パートみたいなおばちゃんの助手や事務職しかいねぇ、家族経営の小さな病院で、誰がお泊まりペットの面倒を見るンだ?案の定、そのお役目は、獣医師国家試験をパスして、1年間臨床経験を積んだ『俺』にお鉢が回ってきた。
嫌な予感ってのは、良く当たる…そう思った。
そして、半年前にメデタクオープン。
駅前は数年前に都会的に生まれ変わったとはいえ、まだまだマンションやアパートよりも戸建てが多いこの地域、そうそうペットホテルもねぇだろうと踏んでいた俺の予想を裏切って、かなり盛況な上、診察よりも売り上げ率を伸ばしている。
「帰る場所になっちまったじゃねぇかよっ!」
お陰で俺は、駅向こうの実家に殆んど帰れねぇ!朝から晩まで病院の建物の中に缶詰だ。
まぁ、風呂もベッドもキッチンも、ペットホテル改築時に増設された時点で、既に親…院長の策謀は働いていたんだろうがよっ。
ったく。後は嫁でも貰えば、立派な新居の出来上がりってな状態だ。でも、そこまで仏顔した腹黒鬼院長の言いなりになってやるもんか!
何故なら、俺には夢がある。
少しは近付いてる……って、最近は思うンだ。
だってよ、ノラ猫が寄ってくんだ。
毎晩のように……
『ドンッ、ドンッ、ドンッ……』
ほらな、今日も来た。
「うっせーな、テメェは!何回も叩かねぇでも分かるっつうんだ。ドア壊れンだろ?」
「サッサと開けないアンタが悪いンじゃない?」
「俺のせいかよっ!ナミ、お前な〜…」
「会いたかった?」
満面の笑みで、んな事言うなよ。
「一昨日、来たばっかじゃねぇか?」
「何よ…一日たりとも離れたくないって、言ってたのは何処の誰よ!」
うおっ、抱きつくなっ。んな、通用口で…患畜の飼い主に見られたりでもしたら、俺は明日っからどんな顔して診察すりゃいいんだよ?
つか、疼くだろっ!
「言ってねぇ!俺はそんなの言ってねぇからなっ。」
「そうだっけ?なら、コレは何?」
その妖しい笑顔は止めろ。
てか、その手を股間に回すのは反則じゃねぇのか?
「グッ……触ンな。」
「白衣のアンタ、ソソルのになぁ〜」
このヤロ…辛抱できるかっ?一昨日は、女の事情とかヌカシやがってヤッてねぇし、ちょっと前まで劇団の地方公演とかって2ヶ月近く会ってねぇンだぞ。クソッ!
「事情…とか言うのは、も、いいんだよな?」
「大丈夫だけど…」
「ヨシッ!」
何だか言い足りなさそうなナミを担ぎ上げ、俺は宿直室という名の自宅へ運んだ。
いきなりベッドに放り投げ、逃れる余裕も与えず覆い被さった。不満顔のナミに唇を与えてやると、直ぐ様機嫌が直りやがる。可愛いもんじゃねぇか。
知ってっか?猫って、頭抑えるとおとなしくなるんだ。
顎を軽く押さえ唇を開かせてやれば、ピンクの舌がチロチロ覗いて俺を誘っている。パクリと喰い付けば、俺の舌に絡みついて離れようとはしない。裏っ側の筋を辿るように舐め上げると、満を持して甘い吐息が唇の端から洩れてきた。そのまま舌の上を舐めると、ナミの舌は蠢めいて俺の中へ伸びてきた。もっともっとと、ねだるみたいなその仕草が、愛しさを募らせる。
俺達は、あの給水塔と別れを告げた後も、こうして続いている。勿論、あれ以来一緒に暮らすような事はなかった。
当然だ。
二人共、未だに夢は遠く、『彼氏と彼女』に想いが届かぬままだから。
でも、少しは大人に近付いたとは思う。あの頃のように、コイツだけしか見えなくなる程のめり込む事はなくなった。だが確実に、コイツが俺の前から消えてなくなる…そんなのは考えられねぇくらい馴染んじまってる。ナミのいない俺は有り得ねぇと、はっきり断言できる。
それは、恐らくナミも同じだと……
ナミの白い薄手のシャツの釦を外し、下着の上から零れそうな乳房を鷲掴み、こねるように揉み上げる。このなんともいえねぇ弾力と溶ろけるように手に馴染む上質の肌には、何度触っても感嘆する。これが、俺だけのモンだと思うと喜びも一潮で、誰にも渡さねぇと今まで何度誓った事だろう。
そして、こうやって下着越しにでも分かる起立した乳首を親指で弾いてやると、ナミは悩ましく啼くんだ。こんな風に……
………んっ
え?
………あっ
な?
………………イヤア〜ン
うをいっ!
「ナミ、全然カンジてないだろ?」
俺は下着の上から喰わえていた乳首を、名残り惜しい想いで外した。そりゃそうだろ?こんな気の無い反応しやがって!ダテに長年、コイツだけ抱いてきた訳じゃねぇ。ナミのイイ場所なんて、目ぇつむってたって分かるんだ。その気の無い時だろうが何だろうが、グチャグチャに濡らしてやれる自信があるンだぜ、俺は!
それがどうだ?自分から誘うような真似してきやがったくせに、いざ鎌倉となった段階で、心此処に非ずときちゃぁ〜、幾ら心の広い俺だって問い質したくなるってもんだ。
「うっ……分かっちゃった?」
「ったりめ〜だろ!ナミ、俺を甘く見ンじゃねぇぞっ!」
「ごめ…」
「謝んなっ。何が悪りぃのか教えろ。テメェがカンジねぇと、ヤル気も失せる。」
「カンジてない訳じゃないの…」
「何だ?言えねぇ事か?」
「言えばゾロ気にすると思うし…」
「余計気になンだろ?言えよ。」
「じゃ……気にしないって、約束して。」
片乳出してそんな真面目な顔されてもなぁ〜?
余計ソソられるだけなんだが……なんつうか、処女のお前に懇願されてるみてぇで。
「何か分かんねぇのは嫌やだが……お前がそう言うなら、約束してやる。気にしねぇ!ほら、言え。」
「うん……今日ね、ノジコの結婚式だったの。知ってるでしょ?」
俺は、頷いた。
一昨日言ってたからな。だから今日は、普段着ないスーツ着てんだろ?受付やるとかで…それがまた、キャリアっぽくて中々エロいじゃねぇか?俺には味わえねぇオフィスなんとかつうのか?アレみたいな雰囲気で…
「それは滞りなく終わって、しかも凄く素敵だったンだけど。」
何だ?煽られて結婚したくなった…てか?
俺は別に構わねぇんだが。新居もあるし……
「2次会でね、先月までずっと相手役やってたゲストの役者さんと一緒になったのよ。」
「あぁ…あのエロそうな奴だろ?お前が置いてったパンフに載ってた。」
「エロいは余計よ。」
「そいつがなんだ…惚れたか?」
「舞台の間は、ね。」
「おいっ!」
浮気か?浮気なのか?まさか、本気になったトカ言い出すンじゃねぇだろな?俺は、許さねぇぞっ!
「ジュリエットはロミオに恋するモンなのっ。でも、ナミはロミオなんて眼中に無いわ…分かってるでしょ?」
ったく、ビビらせんな〜。有り得ねぇって分かっちゃいても、そりゃ心配にもなんだろ?実際……まぁいい。その企んでますみたいな上目遣いは、昔っから苦手なんだよぉ。グッとくるつうか、勝手に体が反応しちまう…
「やっ…ゾロ!まだ、話し終わってな…いっ…」
「……続けろよ。」
「じゃ…触ンの止め…あっ…」
「聞いてやってんだから、乳くらい触らせろよぉ〜いちいち、煩せぇな!俺も気にしないつったんだから、お前も気にすんな。」
「どういう道理?ンンッ……も、バカ。」
イイくせに、素直じゃねぇ。乳首勃ったまんまだし、目だって潤んでんじゃねぇか。体は欲しいって言ってる…
「……プロポーズされた。」
な?
な!
な〜
「何だとっっ!」
思わず指に力が入った。
「痛ったぁ〜い!」
「お、悪りぃ…けど、テメェがおかしな事言うから…」
「言ったのは私じゃないわ。彼よ、ロミオ。」
「テメェがその気にさせるような事、言ったんじゃねぇのか!」
「ばっ!言う訳ないでしょ?」
おいっ!乳ハミ出させて掴みかかってくんじゃねぇ〜ぞっ!こっちは襲いてぇの必死に堪えてるってのに、天然で誘いやがって……!
それが、原因なんじゃねぇのか?それより…
「何て答えた?」
まさか…イエスとか言ったンじゃねーだろーな?
もしそんな事したら…
「勿論、断ったわよっ!」
はぁ〜。ビビらせやがって。この魔女が。
当然っちゃぁ、当然の巓末だよな。心配損だぜ。コイツが俺から離れる訳ねぇンだから。俺が居なきゃ夜も昼も…って、それは俺か。
まぁいい、取り敢えず頂くモン頂いてだな、後は…
「ちょっと、ゾロッ……ンン…も、何処触って…」
「気にすんな。」
「気にする…やっ……ソコ、ダメってぇ…」
ベッドに座り込んでいるナミは、タイトなスカートが捲れ上がり、カブリつきたくなる太股が丸見えだ。ストッキングに覆われた黒い下着をチラリと覘かせてりゃ、ほっといても手だって伸びる。ほら、中指でちょっと触っただけで、ウネウネと腰が動いてンじゃねぇか?
「あぅ…も…どうなったか……知りたく無いっっ……のっ…?」
「断ったなら、いい。」
「すご…い…シツコくって…あぁ……こ、困った…」
「?何だ…オーケーしたのか?」
「してないけど…」
腰浮かせろよ。上手く脱がせらんねぇだろ?ったく、押し倒〜〜す!
ヨシッ。それでいい。ちゃんと分かってんな。流石、ナミ。それでこそ俺のおん…
「旦那がいるの。」
あ?
「………そう、言っちゃった。嘘、吐いちゃったわ。」
俺……の事か?俺、だよな?俺、以外考えらんね…だろ?
「へぇ〜、旦那いたのか?」
下着ン中指入れてやろうと思ってたが、止めだ、止めっ!テメェが『俺』だって言わねぇ限り、触ってやんね。
取り敢えず、下着の上からだけは、触っといてやるが……コリコリしたとこが指に引っ掛かってるぞっ。イイんだろ?早く言えよ…俺だって。
「ばかぁ〜嘘っ…ンンンッて…やぁ……ダメッ…」
言わねーならこのままだっ!
「俺、紹介して貰ってねぇよな?」
「そ、そんなっっ…あっ…」
「長げぇ付き合いなのによ〜つれなくね?ナミ。」
「…ばかぁ…」
涙目が可愛いじゃねぇか。泣け、鳴け、哭け……啼かしてぇ〜
「何時紹介してくれんだ?」
「もぅ………分かってるくせに。」
「何が?」
ほれ、下着の上からでも濡れてんの分かるぞ。ちっと指押し込んでやろうか?
真ん中辺りの俺がいつも挿れてやってるトコ、グッて指突っ込んで………
「…アッアッ……アァッ…」
下着細くよじって引っ張り上げてやるっ!割れてるトコに食い込んで、凄っげエロいじゃねぇか。脇から襞見えてんぞ…辛抱できねぇ〜早く言えよ〜なぁ、『旦那』は俺だろ?そう言ってくれよ、ナミ。
「……ゾッ…」
「何だ?」
「………よ。」
「聞こえねぇな。」
「…だ…から…」
はっきり言えよっ!あ………指、入っちまった。
ヤベッ、こいつ良すぎて忘れっちまうかもしんね。早く抜かねぇとな…けど、柔らけぇなぁ〜何度突っ込んでも、この気持ち良さは堪られねぇもんがある。しかも、指なんてこんな細いのにギュウギュウ締め付けてきやがるし、とんでも無くあったけぇ温度が溶けるみたいで俺を刺激しやがる。こうして指をちょっと曲げて上っ側を擦ると、ザラリとした感触んトコが気持ちいいのか、ナミは一際高い嬌声を上げて艶々した体をうねらせて俺にしがみついてくる。その時の切なそうな顔がまた……って、そんな場合じゃねぇ!
「アッアッ…ン………!何で?」
「言えよ。」
焦った!も少しで、イカせちまうとこだった。ヤバイヤバイ……
何だ?えらく不満そうじゃねぇか。そんなに俺にイカして貰いたかったのか?
でも、ちゃんと言わねぇ限り駄目だ。俺は、知りてぇんだ。お前に『旦那』だと言わせられる男は俺なんだって、お前の口から聞きたいんだ。
頼む、教えてくれよ…ナミ。
「………アンタよ!」
な?やっぱ、そうだろ。そうだって思ってた。当たり前の話だよな。そうか、そうか……へっ?
何だ、その不満そうな顔は?無理矢理言わされたってか?んなこたねぇだろ?実際、俺を想って、エロ役者断ったんだろーが!
「ゾロ以外誰がいるっていうのよっ!分かってるクセに、何で、何で……意地悪ばっかすんの。バカッ!」
「バカって言うなっ!」
「じゃ、大バカよっ!そんなに私が信用ならないの?こんなに毎日毎日足繁く通ってんのは、ただヤリに来てる訳じゃないんだから。アンタと会いたいから、アンタと一緒にいたいから…」
「ナ・ミ?」
「此処だと休まるから、此処だと安心するから、此処が私の帰る場所だと思うからっ!もう此処が、ゾロが……私の家族は、アンタだけなんだからっ!」
「……あ。」
ナミの目が潤んでたのは、気持ちイイからだけじゃねぇのか?……ねぇよな。
俺の気持ちばっか押し付けて、駆け引きだとか考えて…やな、大人になっちまってたんだ、俺は。
何時もお前に教えられちまう。頭上がんねぇはずだ…何時まで経っても。
「約束したのは誰よっ!自分の所為で泣かせたりしないって………バカッ!」
「すまねぇ……けどよ。」
「言い訳なんていらないっ!」
「うっ…」
だな、俺はまた、何にも言ってなかったな。
涙溢すなよ。
俺は…………
「約束守れねぇで悪かった。だから………もっかいチャンスくれねぇか?」
「何?都合のいい…」
「家族になって…よっ。」
そうだ、兄と妹じゃねぇ、本当の家族になろう。
「お前の本当の『旦那』にしてくれ。」
たった一人だけしか成れないものに、俺はなりてぇ。
「…そうすりゃ、テメェは嘘吐きになんねぇだろ?」
「ゾ・ロ?」
「いやか?」
「………アンタ、気にして…そんなつもりで言ったンじゃないわ。」
「気にしたりしてねぇよっ!気にしねぇつっただろ?」
「だけど…」
「だけどもくそもねぇ!いいのか?いやなのか?答えやがれ!」
「いや………じゃない。」
「なら、決まりだな。」
もう、誰にも渡さねぇ。や、最初っからそう決めてたんだ。こうして、抱き締め続けてやるよ。お前を。
ん?何だ、まだ不安なのかよ?ほら、キスしてやっから、言ってみろ。
「ね、『彼女』はいいの?」
成程、そっちの話か。
テメェは相変わらず心配性だな?大丈夫………
「アイツとは上手くやる。上手くやれそうなくらいには、俺も大人になった…と思う。だから、お前も『彼氏』と上手くやれよ。」
「バカ…………また、涙出てくるじゃない?約束やぶってばっかなんだから、アンタって。」
この場合、破った訳じゃねぇだろ?んと、自分に都合のいい女。
まぁ、泣いてんのをどうにかしねぇと、後で何言われっか分かったもんじゃねぇし…取り敢えず、啼かしとくか?
「エッ?ゾロ?」
「ついでだ。も一人、家族増やしとくか?」
「ちょっと、待って。私、まだ…」
「待たねぇっ!」
ウチのカミサンが濡らして待ってんのを、旦那がほっておけるはずがねぇってんだ。違うか?
つか、疼いて仕方ねぇンだよっ!
お前が欲しくて。
給水塔で出会ってからずっと。
消えちまってからも。
再会してからも。
出て行ってからも。
給水塔がなくなっちまってからも。
こうしてる今も。
きっと、終わった途端、また……
「……あっあっ……ゾロッ…」
「何だ…イイのか?ナミ…」
「ン……私…」
スゲェ〜!コイツ何時も以上に締め付けてきやがる。最近は正上位だけじゃ満足出来なくて、かなりアクロバティックな事もやってたつうのに…コイツの吐息聞いただけで、イッちまいそうになる。俺の名前をコイツが呼ぶと、愛しくて胸が締め付けられるみてぇだ。
さっきっから、繋がってるとこ見てたけど、もう興奮が収まらなくなりそうで、コイツの苦しそうにひそめた眉間を見るようにした。でも、この顔をさせてるのは、俺がコイツん中に挿れてる所為だと思うと、出し入れしている部分が脳裏にチラついて離れない。
汗だか愛液だか分かんねぇくらいグチョグチョに濡れたナミの襞を割って、俺ンが出入りを繰り返してる。刺さった俺が腰を引くと、自分でも驚く程デカイのがナミの中から顔を出す。こんなのどうやってこの細い体に収まってるんだ?不思議で仕方ない。けど、それをまた押し込んで見れば、際限無くナミのソコは呑み込んで、まだまだ足りないと俺を責め立てる。ジュプジュプと淫らな音も部屋中に谺して、飛び散る体液が滑りを加速させて、何度もナミに沈み込んで。
最深部に突き刺さる俺が、そのまま角度を変えて、ナミの内部を擦り上げた時、ヒクつく体が臨界を突破しようとしているのが分かった。
だから、敢えてナミに折り重なり、全体重を掛けコイツを押し潰すくらい抱き締めた。
愛しくて堪らなくなって…
「も…ひとつ…アッ…嘘つ…」
「吐いたのか?」
「う……うん。」
も一押しでイッちまいそうだ。ナミの目が俺を写してる。この目は、俺一人だけをみている。下の方から伝わってくる幸せな痛みが、この目を潤ませて、俺を望んで止まないと知らせてる。胸ん中が熱くなってきやがる。お前の中に居られる…今を手放したくねぇ。
「なんつったんだ?」
他の男の事なんて考えンじゃねぇぞっ!
俺だけ見て、俺だけにカンジてろ!
その快感に震える唇から、俺だけに心を話せ!
「子供もいる……って。」
出来たのか?
や、違う。まだだな……
でもお前を、不実な女にさせたりしない。
俺の大事なカミサンは、偽りの無い笑顔が自慢なんだ。
その宝物は俺が守り抜くって約束した。泣かせたりしねぇって。
「嘘吐きなんかじゃねぇよ…今、作ってやっから。」
「ゾロ?」
「中で出すから、安心しろ。」
そうだ、お前への気持ちを形にしよう。
そして、一緒に………
「…アァッ…ゾロッ…」
小刻に震えるお前の中へ、俺の全てを放出したら、俺の心の全てを言葉にしよう。
「愛している」と。
ギシギシ揺れ続けるベッドの脇で、写真立ても一緒にカタコト揺れていた。
まるで揺り篭みたいで、写真の中の男は大口開けて気持ち良さそうだ。
もたれ掛った給水塔は、きっと地震か?と思っている事だろう。
今は無いあの給水塔は、そう思っているに違いない。
なぁ?また、夢に一歩近付いたと思わねぇか?
だってよ、きっともうすぐノラ猫が、俺ンとこに仔猫を運んできてくれそうだろ?
あ……もう、ノラ猫じゃなくなっちまうか?
完
←6
(2007.02.07)
<管理人のつぶやき>
その後、彼氏彼女(仕事)との付き合いも順調、着実にステップアップしている二人です。
そしてもうすぐ家族になるんですね^^。
それにしても、ゾロってホントにホントにナミのこと愛しちゃってくれてるな〜〜(笑)。
大団円です。CAOさん、最後までホントにありがとうございました!!!