コイツ、一体何言ってんの?
アタシを渡さないトカ、結婚はやめたトカ。しかも、アタシのせいって!…どういう事?アタシがスキって事?そう、思って良いの?
アンタへの気持ちを整理する為、恥も外聞も捨てて、アンタに全てを投げ出した。スキってだけは言わないと、堅く心に誓って、体だけで全部感じて、アンタを忘れないって…
なのに。これは、現実?それとも、聖夜が見せる、夢?
御祝儀 −8−
CAO 様
さっき迄、半泣きだった癖に、何でそんなに惚けた顔してんだよ!俺は、変な事言ってねぇぞっ!解んねー女だな、ったく。
「そうだっ!お前がワリィ!」
「アタシは何にも…」
「お前が抱かせたりするから、他の女抱けなくなったんだよっ!」
「…それは、アタシじゃなく、アンタの問題じゃない?」
「あほっ!てめぇのせいで、勃たなくなっちまったんだ!」
「?イン…」
「ちげーよっ!」
ナミを抱き締めた時から、ずっと熱くなっている下半身を押しつけながら、
「お前以外じゃ、反応しねぇ!」
「………」
なんだよぉー!嬉しそうに瞳輝かせたかと思ったら、急に頬染めて俯きやがって…てめぇらしくねぇ、いやに可愛らしい態度取りやがって!けど、んなのもまた、たまんねぇーな?
「てめぇのせい、だろっ?」
俺の胸に寄せたナミの顔を、見つめながら呟く。
「知らないわよっ。」
甘い声だ。あの夜、俺の名を呼んだ時と同じ、否、それ以上に…
「責任、とれよっ。」
小さな顎に手を添え、上に向かせる。戸惑うナミの表情に、言い聞かせる様に、唇を重ね…暫し、恋人のキスを。
「本当に、止めちゃったのね…結婚。」
意地の悪りぃ言い方しやがる!
「仕方ねぇだろっ。勃たねぇ女と暮らせるかっ!」
「じゃ、御祝儀返しなさいよっ!」
「あぁ、三倍にして返してやるっ!今からすぐに…」
コイツを抱え上げ、ベッドへ一直線だ!もう、一刻の猶予もねぇ…ヤろうぜっ!
「ちょっと、電気消しなさいよっ!」
「何でだ?こないだは、点けたまんまだったじゃねぇか?」
「あっ、あれは…最後だと思ってたし…」
「最後って、お前…」
コイツの覚悟を観た気がして、頬が緩む。口にゃ出さねーが、コイツかなり俺に惚れてンじゃねぇ?
「やらしー顔してんじゃないわよっ!」…ぼかっ。
「痛っ。てめぇ、グーパンは止めろ!」
「アンタが、変な顔するから。自業自得よ!」
「はぁー?そんな変な男と、これからヤろうとしてるてめぇだって、十分おかしいんじゃねぇ?」
「じゃ、やんないっ!」
なっ!そうきたか!
でも、もうその手には乗らねぇ。俺だって、そうそうバカじゃねぇ。これから先ずっと抱く女と、仕切り直しなんだからよっ。ここで、決めねぇで、どこで決めるつうんだ!たった一晩だけで、こんなに填まった(ハメ具合がまたイイ…)女は、お前だけなんだから。お前だって大勝負賭けるくらい、俺に惚れて…
ブルブルとベッド脇のテーブルの上で、携帯が震えた。手を伸ばす。受話器の向こうから、けたたましい声が届く。
「ナミさーん!まだ、皆飲んでるから、おいでよー!」
カレンダーに目をやると、24日の欄に大きな×印。そう言えば、毎年クリスマスは仲間内で集まって、飲み明かしてたと思い出した。
「いかねー!」
「…藻?何で?…これ、ナミさんの携帯じゃ?…ワリィ!間違えた。やー、デート中すまん…てっきり、ナミさんにかけたと…」
「否、間違ってねぇぞっ!」
「ど、どういう事っ?何でお前が?ナミさんはどこだ!」
「ナミなら…俺の下にいるぜっ!そういう事だから、切るぞ。もう、電話すんな!」ブチッ。
「今の…」
「あぁ、エロコック。」
「アンタ何言ってんの…」
文句をいうコイツを見つめながら、室内の明かりを消す。その途端、いきなり口を閉ざしやがった。ベッドの上に座り込み、体を堅くしたナミの背後から、そっと包んでやる。俺の腕で。
「毎年恒例の飲み会だとよ!…断った。」
「な事したら、皆にバレバレじゃない?」
「俺はかまわねー。それに、邪魔されなくて済むし。」
「けど、アンタ彼女とデートだから、今回行かないって…」
「何も違わねぇ、彼女とデート中…だろっ?」
頷くナミに、絡めた腕に力を込め、頬を寄せた。
「今年のクリスマスくらい、二人で過ごしてもかまわねぇだろ?」
ナミの目を覗く。薄暗い中に、幸せそうな光が見えた。
「お前が否なら、何にもしねぇよ。けど、抱き締めるくらいは、許せよ!」
縋り付き、唇を求めて来るナミに、気付かれぬ様、小さくガッツポーズした。
終
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(2006.01.09)
<管理人のつぶやき>
読み始め「え?え?え?」となった人多数と思います・・・・。そう、読み進めていくと全体像が分かる「ああ、そういうことなのかー」と。
うう、ゾロとナミのえちーはすごく淫らでエロいのに、その実すごく切なかったりするのだ。
でもねでもね、最後は大団円でしたよね!ああ、よかったよーvvv
CAOさんが床作品に挑戦してくださいました。CAOさん、どうもありがとうございました!!