何人も恐れる荒海に漕ぎ出そうとする漢が居る。
何人も見知らぬ島を見つけ出そうとする漢が居る。
この記録はそんな命知らずな漢達・・そう、『海賊』の、死力を尽くした闘いを綴る1頁である。






― おめでとうございます ―  −1−
            

びょり 様




「グランドライン有数の巨大中華街『ブルーライト・ヨコタテ』、中でも無駄にド派手に金字で『おめでとうございます』の店名入ったでっかい赤看板・・あの店ね!」
「『おめでとうございます』たぁ、おめでたくもふざけた店名だな。」
「良いじゃねーかゾロ!めでてーんなら!・・んで!?あの店でラーメン食い放題やってんのかナミ!?」
「正しくは『超巨大特盛りゴージャスラーメン30分食い切り勝負』よ!普通の人間になら100人前は有ろうかというラーメンを30分以内に食べ切れば、賞金なんと100万ベリー!ぷらーす、ラーメン1年分の豪華賞品付!・・ってちゃんと事前に説明しといたでしょ、ルフィ!」
「ラーメン100人前を30分以内で食い切るだけで、賞金100万ベリーに1年分のラーメンまで貰えちまうのかー!?すっげぇー!!」
「さっすがナミさん♪何時でも船の経済状態を第一に考える健気なお姿、見惚れる程にお美しい♪♪」
「100万ベリーもラーメン1年分も、ウチじゃ精々1週間足らずで無くなっちゃうんじゃないかな・・。」
「船医さん、貴方の意見は至極的を射ていると思うわ。」
「にしても、店の前凄ぇ行列だなー、あれじゃ2時間待ちは有り得そーだぜ?」
「そこのピノキオ君達、大食い勝負の参加志願者かい?」
「誰がピノキオだ!?くらぁ!!」
「ええ、そうよ!あんたはお店の人?」
「そうだよ♪行列なら気にしなくていい、ウチの店は回転が速いからね♪なァに、20分もすれば順番が来る・・」

― ・・ーポーピーポーピーポーピーポーピー!!

「またお宅の勝負参加者が倒れたんですか!?」
「いいかげんにして下さいよ!今日だけで13回目の呼び出しじゃないですか!!」
「駄目だ!完全に白目剥いてる!・・気を付けて運べー!!」

― ピーポーピーポーピーポーピーポー・・・・・

「・・・・・・・今の救急車は・・?」
「ウチの大食い勝負は中々ハードでねー、大概のお客さんは30分ももたずに、5分弱位で倒れちゃうんですよー♪その度にああやって運び出す羽目になってねー、いやァ、まいっちゃうよォ♪」
「何『まいっちゃうよォ♪』なんて朗らかに笑いやがってんだこのぉ!!さては唯の大食い勝負じゃねぇなぁ!?・・・おりる!おりるぜ、俺ぁ!!そんな不健康な勝負、断っっじて受けねぇ・・!!」
「自慢だけど、このイベント始めて5年間、未だ誰も優勝者出てないから♪それでも受けるってなら、此処に参加する方のお名前を記帳してね♪」
「悪いけど、今日その自慢の歴史とやらに、欠陥住宅の如くヒビが入る事になると思うわよ!・・ええと、参加者・・ルフィ、ゾロ、サンジ君、チョッパー、ウソップ・・と。」
「って人の話聞けコラ!そこのナミ!!俺は出ねぇっつってんだろが!!大食い勝負なんてルフィ1人に任せときゃー充分だろが!!」
「うっさいわねー!この店はグループでの参加しか認めてないし、賞金100万ベリー&ラーメン1年分は1人につき出される額と物なの!出る人数多けりゃ、それだけボロ儲けの率も上がるってもんでしょー!?理解したらキリキリ並ぶ!!」
「ぎゃー!!離ぜー!!誰が!誰が助げでー!!血塗られだ魔女がいだいげな美少年の命を摘もうどじでいる〜!!」

― バキャッッ!!

「誰が血塗られた魔女で、いたいけな美少年なのよ!?」

― ゲシッッ!!

「ナミさんに向って失礼な事言ってんじゃねぇよ!嘘っ鼻!!」

「よぉっっし!男全員でめいっぱい食うぞー!!」
「オレも頑張るぞー!!」
「頑張ってね、船医さん。」

「・・・諦めろウソップ、既に退路は絶たれた。」




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(2004.01.17)

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<管理人のつぶやき>
さて、お立会い!びょりさんの投稿作品第2弾だよ〜(カランカラン♪)
しばしびょりさんの痛快ワールドをご堪能ください!

 

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