― おめでとうございます ―  −2−
            

びょり 様




さぁて皆様!お次の挑戦者はこれまたナイスに命知らずな野郎共!なんてったって海賊だ!その名もルフィ海賊だーん!!
皆様どうぞ盛大な拍手でもってお出迎え下さーい!!

「あいつらが『海賊』かー!俺初めて見るよー!」
「命懸けろよー!海賊兄ちゃんどもー!!」

「・・・店内割れんばかりの拍手だな。大食い勝負ってぇのは、んなメジャーな見世物なのか?」
「店の中央にどんっと構えてる円形ステージ、その上に配置されてる丸テーブルにイス5脚・・どうやらあそこで大食い勝負とやらが行われるみたいね。」
「あそこでラーメン好きなだけ食わして貰えるのか!?しししっっ♪すっげぇ楽しみだなー♪♪」
「それにしても・・回転が速いと言った割にはむしろ効率の悪そうな配置ね・・この店の広さなら、1度に30人まで入れて一気に勝負させる事だって出来るんじゃないかしら?」
「それもそーねー・・。」
「だからぜって〜何か有るんだよ〜!普通に大食い勝負やってて5分弱で皆倒れてく訳無ぇだろ!?ナミィ〜、頼むから考え直そぉぜぇ〜!?」

ようこそ海賊の皆様!挨拶が遅れましたが私、司会役の『ナレー・ション・コネリー』、勝負を始めるにあたって、ウチの店長より幾つか説明と注意が有りますので良ぉくお聞き下さい!

「私が店長アルよ。勝負は30分以内にグループの誰か1人でも食べ切ればそこで終了、貴方達の勝ちアル。但し誰も食べ切れなければ、ラーメン代お1人様10万ベリー〆て50万ベリー支払って貰うアルよ。」
「賞金&賞品は食べ切った人数分戴けると伺ったけど?」
「その通りアルよ、お嬢さん。後、ルールとして『1.こちらの指示に従う』、『2.リタイアする時はグループのリーダーが手を挙げて知らせる』・・他の人のリタイア発言は聞かないアルよ、『3.勝負で死傷者が出てもクレームを付けない』、この3点のみ守って欲しいアル。」
「ちょっと待てぇ!!特にその3点目に付いて詳細な説明入れて貰おうかー!?」

それでは説明も済んだ事ですし、いよいよウチの目玉メニュー『超巨大特盛りゴージャスラーメン』をお披露目致しましょう!
前方の扉に御注目下さい!オープン・ザ・ドアー!!

― パーアーパパパーパーダン・ダン・ダン♪(BGM『料理の○人』)

100人前は有ろうかと思われる特製豚骨白味噌仕立てのツユはこの店の門外不出一子相伝秘伝の味。
そのツユに絡めるやはり100人前は有ろうかと思われる美しく卵色した麺は、店長自ら毎朝4時より打ち上げるコシの強さが自慢の麺。
上にあしらわれたトッピングもナルト、ネギ、シナチク、自家製チャーシュー、味付けゆで卵といった基本的な具は勿論の事、北海(ノース・ブルー)に育まれた新鮮なイカ、カニ、ホタテ、イクラ、安全な牛肉をミディアムで焼き上げたジューシーなヒレステーキ、最高級珍味と謳われるフカヒレ、フォアグラ、キャビア、トリュフにエスカルゴ、フグ刺、特上大トロ鮨といった物までふんだんに、彩り良く鏤められています。
中身が一流なら器も一流、人間国宝十四代牡蠣右衛門に特注して作らせた、花鳥風月の文様も見目麗しい丼は正に芸術品でお値段一碗850万ベリー・・絶品です!

「うおおっっ!!マジすっげぇぇゴージャスなラーメンじゃねぇか!!!早く食いてぇ〜!!!」
「食いてェ〜!!!」
「・・器にまで拘る必要有んのかよ・・?」
「味のバランス全く無視してやがる・・ただ贅沢すりゃ良いってもんじゃ無ぇだろが・・しかし、ま、5分弱で人が倒れる程の殺人ラーメンがどんなクソ凄ぇ盛りかと思ったら・・アレしきルフィなら5分で昇天させちまうぜ?この勝負、はっきし言って楽勝なんじゃねぇの?」
「だから他に何か仕掛けが有るんじゃねぇかっつうんだよ〜!!」
「・・・確かに色々疑問点は浮かぶけど、ウチの逼迫した経済状態考えるならば向うべき道はただ1つ、と、そういう訳で・・さあ、行くのよ!!ルフィ!ゾロ!ウソップ!サンジ君!チョッパー!」
「よぉっっし!!任せとけー!!」
「ったく!・・わぁったよ!」
「うっっ!・・突然持病の癪が・・!頭痛、歯痛、神経痛、生理痛、その他諸々の各症状までもが一斉に・・!」
「後でバファリンでも呑ませてやっから、オラ!ステージに上れ長っ鼻!・・ナミっすわぁん♪俺頑張っからねぇ〜♪」
「ぎゃ〜!!鞄掴んで人引き摺るな!!紐が首に絞まっ・・!は、離ぜ!死ぬ〜!!」
「皆頑張ってね〜♪あ、チョッパー!あんたは人型になっときなさい!その方がお腹一杯詰め込めるでしょ!?」
「わ、解った!」
「うぉう!あのタヌキ、いきなりビッグフットに化けやがった!」
「タヌキ凄ェ!!」
「トナカイだ!!」

「・・・まァ、少なくともルフィは食べ切るだろうし、他の奴等も死ぬ事は無いでしょうし、100万ベリー&ラーメン1年分はカタイでしょ!」
「流石の洞察力ね、航海士さん。」

さぁ!オレンジ髪の美少女の指示を受け、ステージに上がりましたルフィ海賊団の兵達!
司会者正面より時計回りにルフィ選手!ゾロ選手!サンジ選手!チョッパー選手!ウソップ選手!
過酷な戦いに挑む者達に皆様、再び惜しみない拍手をー!!
選手の皆さん、席に着いたら自動的に安全バーが下りますので、姿勢を正して座っていて下さいね!

「おい・・・ちょっと待て!」

は?何か御質問でも?ゾロ選手??

「何で大食い勝負すんのに安全バーが必要なんだよ?」
「勿論安全の為に決まってるアル。でないと飛ばされて大変アルよ。」

そぉれでは店長!お手元のコントローラーのスイッチをお入れ下さい!!
本日第30回目の『超巨大特盛りゴージャスラーメン30分回転食い切り勝負』、レディー・ゴー!!

「「「「「な、何ぃ〜〜〜〜〜!!!?」」」」」




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(2004.01.17)

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