私お邪魔なんじゃないかしら?喧嘩?いちゃついてる?さっきから隣の二人は、パーティに行く行かないで始まり、会場を前にして

「そんなに不満なら、何で付き合おうとか言うの?」
「んな事言ってねー!俺の女になれ!っただけだろー?」

(…一緒じゃないですか?)もう、突っ込む気力もありません。ずうっとこの調子で、10分以上待たされてるんですぅ…先に会場入っちゃいますよ。そうしよっ!
「あのぅ……」
……って、えっ、えっ、これどうなってるのぉ?こんな人前で…ナ、ナミサン?肩にMr.ブシドーの腕が…ナミサンの唇が近付いてっ…二人とも微笑んで(でも恐い顔なんですが、お二人とも) …こっ、これは、ヤバい感じで…
「おっ、お先に失礼しますっ!」





はじめて君としゃべった……。  −4−
            

CAO 様

―王女の切なる願い


あー、ビックリしたっ!ナミサンが大胆なヒトだとは知っていましたが…いきなり友人の前でキ、キスしようとするなんて…あー、まだドキドキしてます!動揺したままレストランの扉を開けると、「ビビちゃん!」と声が架かる。
(あっ、まだサンジさんの事、片付いて無かった…)
「ナミサンとご一緒かと…」
(表でキスしてます!…なんて言えないですよぉー。ふぇーん。ナミサン早く来てぇー!)

「お好きなんですね!」
「べっ別に好きじゃないわよ!」
「御免なさい。お嫌いだったんですか?…本。」
「えっ、え本?ううん、好き、大好きよ!本、本ネ。」
「良かった!何時も昼休みにいらっしゃるから、相当お好きなんだって思ってました。私ビビっていいます。一年の図書委員やってます。ナミサン…ですよね?」
「アタシの事、知ってるの?」
「去年の学校見学会の時、お世話になって、素敵な方だなぁって。一度、お話してみたかったんです。ご迷惑でした?」
「ううん、ありがとっ。ええっと、ビビだっけ?よろしくね。」
そんな会話で始まった、私達二人の友人関係。学校見学会で、変な男の人に絡まれてる私を、助けてくれたナミサン。自分より体格のいい男の人を、一発殴って伸しちゃった!凄い美人なのにそれを鼻に駆けない飾らない人柄と、アネゴ肌っていうのかしら?とっても頼りになって、お金にはちょっと煩い現実派。だけど可愛らしさを忘れない…女の私でも惚れてしまいそうな、魅力的な女性で。
彼女と親しくなって、早一月。最近気になる事があるんです。日課の図書室通い、本好きなのは確かなのに、ナミサン一向に読み進んでないみたいなんです。
「何か悩みでもあるんですか?」
「無いわよ!どうしてそんな事聞くの?アタシ何か変?」
「だって、さっきから本読み進んでないじゃないですか。」
「あっ、それは…あそこ見える?中庭で寝てる緑頭。すっごく気持ち良さそうだから〜何だかアタシもつられちゃって……。」
「ふうーん。」
「なっ、何よ!意味深な顔してっ!納得したら、仕事に戻りなさい、図書委員!」
「はぁーい。」…怪しい…慌ててたわ、あれは絶対何かある!私の勘は結構当たるンですから…。
それから毎日観察してみたんです。ナミサンには知られないように…すると、やっぱり毎日中庭をみてるんです。あの男の人を、優しい微笑みを浮かべて…そのナミサンの綺麗な事といったら…先週意を決して、仕掛けてみました。
「あの人、また寝てますよ!昨日、午後の授業遅刻しかけてましたよ!大丈夫かしら?起こして差し上げた方がいいかしら?ねぇ、ナミサンどう思います?」
「どうって、そりゃ起こした方がいいんじゃない?」
「そうですよね。でも私仕事あるし…そうだ!ナミサン代わりに行って頂けません?」
「アタシがぁー!無理よ!」
「でも一度気になると、何か責任感じちゃう…お願いします。」
「……解った、行ってくる!」
彼女を見送り、中庭に目をやると…ええっ…何、アノ娘達!緑頭の人を起しにかかってる?駄目よぉー今は、止めてー!ナミサンが行くんだか…あ、ナミサン!気が付いた?…通り過ぎちゃった。御免なさい…私があんな事言わなきゃ…!ん!こけてるし…はぁ。
あれからのナミサンの落ち込み様は、尋常じゃありませんでした。ずうっと断り続けたサンジさんからの誘いにOKしたのも、きっとそのせいだと思うんです。確かに表面上は何時ものナミサンだけど、何だか投げ遣りというか自虐的っていうか…帰りに昇降口で逢った時も、パーティでモテモテですよって言ったら、
「ビビが思う程、アタシ魅力ないから…。」って、淋しそうに笑ってた。その時、
「ナミサンー!」サンジさんの声が…全くタイミングの悪いヒト…っ、振り返ると緑頭のあの人が一緒に…此れって、奇跡?ナミサンが引き込まれる様に近付いてっ…

「お前、俺の女にならねぇ?」
「いいわヨ、望むところ。」
………きゃぁv

ここはパーティ会場。隣の二人は、手を繋いだまま喧嘩中!?
「手、離しなさいよっ!」
「お前が離しやがれ!」
「てめぇが離せ!マリモがー!」
………もう、勝手にしてっ。




END


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(2005.11.23)

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<管理人のつぶやき>
ゾロはナミをずーっと見てたけど、それはゾロだけではなかったんですね♪
ゾロ、ナミ、サンジ、ビビの各キャラ視点のモノローグがテンポ良くって最高ーー!
キャラの味を出しつつストーリーを補完していってくれてて、なるほど、ここはそういうことだったかと後から分かったりしました(ナミがコケたところとかw)。

HIRAKIさんの初投稿作品でした。どうもありがとうございましたーー!
え?続き書き始めてる?そらもうぜひがんばってや〜〜(笑)。

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