味噌汁   −1−
            

味海苔 様




サンジ君が、倒れた。

発見者はゾロ。本人曰く、鍛練を終えて何かを飲みに入ろうとしたら、お皿の割れる音がした。慌ててサンジ君を受け止めたらすごく熱かった、らしい。今はロビンの能力で部屋に運ばれて、チョッパーが診てくれている。

「終わったぞ」
みんなが、チョッパーに注目する。チョッパーは濡れた蹄を拭きながら告げる。
「病気じゃなくて、多分過労、だ。最近ろくに寝てないしな。でも、今夜よく寝て体を休めれば、すぐ回復するぞ」
「…メシ〜…」
「そうだよ、今日の夕飯と明日の朝はどうするんだ?」
「ウソップの言う通りよ…。あ、ノジコの料理ノート!あれを使えばいいわ!あたしの他に料理できるのは?」
「おれ、お粥ならできるぞ!ドクトリーヌに教わったからな」
「…俺もだ。味噌汁くらいならな」
「「「「「!?!?!?」」」」」
「…まさか、剣士さんが料理をするとは思わなかったけれど。取り敢えず今夜は、船医さんと航海士さん、剣士さんね」
「あの〜、俺らは?ルフィは料理できねぇし、オレ様の超豪華料理は明日の朝…?」
「…ウソップ、あんたはサンジ君のとこ。ロビンはルフィを押さえてて。ルフィは、絶対につまみ食いしないこと」
「「了解!」」
「え〜、分かったよ〜」
「何よその返事!大体サンジ君が寝れないのはあんたのせいなんだから、これくらい我慢して!」
一同、頷く。

…さて、棚からノートを出したはいいけど、何がどこにあるのかしら?探ってみなきゃ…。
私が材料を揃えた頃に、ゾロがアサリと味噌を持って来た。
「あー、そっちに鰹節と干し鰯あるかぁ?」
「…悪いけど、自分で探して?今野菜切ってるから」
「…りょーかい。」

(その頃、サンジは…)
ガバッ。
「食材の匂いがする!!料理は俺がするから、ウソップ!どけっ!!!」
「おおおおいおい、落ち着けって!まだ休んでなきゃ!」
「料理しなきゃ、俺が船に居る意味がねぇっ!!いいからどけっ!」
バタン。
「俺が悪かった。謝る。んで、サンジは寝てろ。」
「「ルフィ!?」」
「許すが、俺に料理をさせろ」
「いいや、寝てろ。これは船長命令だ」
「でもっ…!」
「サンジ、今仕事してもこの状態が長引くだけだぞ。そりゃ気持ちも分かるけど、ルフィの言う通りだ。今は寝てろ」
「……分かったよ。」
((ほっ。))
「んじゃ、俺は戻るな。任せたぞ、ウソップ」
「了解、船長!」
この後ルフィは、ロビンに見張られ続ける。

グツグツグツ…。
ゾロが料理するなんて、何か不思議ね…。ひょっとしたら、私より手際いいかも……。
「できたー!お粥炊けたぞ!」
「早いわね!具は何なの?」
「えーっとね。ほうれん草と、人参!これ色の相性いいんだ!」
緑とオレンジ……ゾロと私!?やだ、ちょっと恥ずかしい…。
「ナミー、何で赤くなってるんだ?大丈夫か!?」
「ううん、何でもない。大丈夫よ」
「良かったぁ!」
「…二人で仲良くしてねぇで、仕事だ!俺ももうすぐ終わるが、お前はどうだ?」
「あ、あたし?もうすぐよ!」
見るとゾロは、味噌をといでいるところだった。私も味見して、出来を確認する。
「「よし、出来た!」」




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(2012.08.11)


 

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