毎日同じ時間に鳴る、いつもの着信音。

その時間の正確さに思わず微笑んでしまう。

周りの友達は彼氏からの着信音を流行りのラブソングにしてるけど・・・

あいつにそんな甘くさいの似合わない。

だから簡潔に、分かりやすい着信音。






You've Got Mail
            

波男 様



「ナミさん、もう来ますかね?」

「まだよ・・・だってまだ12時28分じゃない」

この部屋は、女子高でも決められた人しか入れない生徒会室。
並んでお弁当箱を広げている女の子達は、楽しいランチタイムの一時を過ごしている。

その中でもとにかく目立つ生徒会長のナミと副会長のビビ。

美しい姿と切れる頭。皆から憧れられる存在だった。

そのナミとビビに“彼氏”という存在が出来てからは、一種のブームのように連日女子達の恋愛話に花が咲いている。


最初に彼氏が出来たのは意外にもビビの方だった。


名前はサンジと言い、コックを目指している隣の男子校の生徒会の書記らしい。
物凄い女好きという噂で最初は心を許さなかったビビだが、自分にも、女の子にも誠実だという事と、レディーファーストを大切にしているという事と、自分は他の女の子とは違い特別な存在なのだと分かってサンジの努力が1年がかりで実った恋だった。

そんなビビとサンジが街でデート中、偶然にもサンジの悪友のゾロと出会った。

その出で立ちは、緑色の短い髪、目つきの悪い瞳に3連のピアスとビビは柄が悪いなぁなんて思っていた。



しかし、ビビは何かを・・・そう、何かを思い出した。



それは去年の今ごろいつも世話になっているナミとの会話だった。

ナミは学校まで電車で通学している。
ビビは車での送り迎えの車で通学している。

いつも元気いっぱいのナミが急にビビにある相談をしてきた。
それは、朝一緒に学校に行かないか?という相談だった。

しかし、ビビが車で来ている事をナミは知っているし、彼女はこんな事を言う女性じゃない。

帰りが遅いから車で送ると言っても遠慮するような女の子だからだ。

何かあったの?と聞いても『何でもない』というナミ。
そして、『今の話しは無かった事にして!』と笑って行ってしまった。

それから2ヶ月間、ナミは何処となく変だった。

朝いつも元気に登校してくる彼女は元気が無く、疲れているように見えたのだ。

それでも、自分を見つけると笑顔になるナミ。

しかし、それからもう1ヵ月経ったある日、事件が起きた。

ナミが学校を遅れて先生の車に乗って登校してきたのだ。

そして、そのまま保健室に入っていった。

ナミが学校に遅れる事も無いし、ましてや学校の先生と一緒なんて何かあったに違いない。

ビビが慌てて保健室に行くと、そこにはスカートが切られ、合間に見える太股には白い包帯が巻かれているナミが立っていた。

ビビがナミに話しを聞くと、3ヶ月前から変な男と電車がよく一緒になってたらしい。
一定の距離を保った状態で自分を凝視する男。
気味が悪く電車を変えても、車両を変えてもその男は3ヶ月間ナミを付回したらしい。

そして1ヵ月前からは、気づかない内に制服のポケットに狂気じみたラブレターを入れられてたらしい。

ナミは気味悪がってその紙をすぐに駅のゴミ箱に捨ててたらしい。

そして今日、その男はナミのスカートの一部を切り取ろうとしたらしい。

恋焦がれて起こした行動か・・・それとも手紙を捨てられた腹いせか・・・。

その時に運悪く電車が揺れ、切り取る為に使われていたカッターで太股を切られたという事だった。

刃の向きからして、本当だったらカッターの刃はナミの太股に刺さる所だったのだが、ある男の子が刃を素手で掴んでくれたおかげで爪で引っかいたような傷で済んだらしい。

その男は手から結構な出血があり、すぐに病院に連れて行かれたらしい。

「ナミさん!どうしてもっと早く相談してくれなかったんですか!?」

「ごめん・・・ビビ・・・」

「でも本当に、ちょっとの怪我で良かったです・・・今日は車で一緒に帰りましょう!」

「うん。分かった・・・」

「その助けてくれた男性は怪我大丈夫だったんでしょうか?」

「それが、私も気が動転しててお礼も言えてないのよ・・・」

「見た事ある男の子ですか?」

「同じ年くらいの男の子で・・・手を抑えてくれた時に緑色の髪と3連の金色のピアスが見えただけなの」

「そうですか・・・」

「また同じ電車になるかもしれないから、その時でもお礼を言いたいわ」

「そうですね」

しかし、それからそんな風貌の男子は見かけず、ナミはずっと気にしていた。





もしかして・・・

あの時ナミさんを助けてくれた人?



その人はゾロというらしく、サンジとはとても仲が悪いようだった。
というのも、今も街の真中だというのに壮絶な口喧嘩を繰り広げている。

握っていたサンジを引っ張ると、やっとその喧嘩は終わった。

「サンジさん!喧嘩はやめてください!」
「はぁいvビビちゃんvv」

そしてビビはゾロに一回頭を下げると、ゾロもペコっと頭を下げてくれた。

「サンジさん、こちらの方はお友達ですか?」

「・・・友達っつーか腐れ縁のクソ毬藻だよvv」

それを聞いたビビはゾロを真っ直ぐ見て『はじめまして』と挨拶をした。

素っ気無いながらもゾロも『はじめまして』と返してくれた。

そしてビビは急にゾロの手を取ったのだった。

そこには少し傷の跡が残っていた。

「ビ!ビビちゃん!」

「お!おい!!」

「やっぱり〜!!」

急な彼女の行動にビックリするサンジとゾロ。
しかしビビはゾロの手を持ったまま『見つかったー!』とキャッキャとはしゃいでいる。

呆然とする中、ゾロは一言「離してくれないか?」とビビに言った。

そしてビビは我に返りゾロの手を「すいません」と言いながら手を離し、そして次に携帯を取り出した。


電話をかけた相手は勿論ナミで、すぐにナミを呼び出した。



それからナミはすぐに飛んで来て、あの時のお礼をゾロに告げたのだった。

あの日、剣道の試合があり、あの電車に乗っていたらしい。

「試合は大丈夫だったんですか!?」

その事実を知ったナミは慌てたが、ゾロが「大丈夫」と言った。

何でも剣道では有名な選手でとても強いのだとか・・・

それよりもと、ゾロもあの時の事を意外にも心配していたらしく、傷は残っていないか?等とナミに尋ねた。

その少し見せるゾロの優しさに、ナミは少しづつゾロに惹かれていった。




それから4人で何回か遊んだりしたのだが、惹かれあっているはずなのに何故か進まない二人にビビはまずメールアドレスを交換する事をナミに進めた。

しかし、ナミが勇気を出してゾロにアドレスを聞いたのにも関わらず、ゾロは今時の高校生には珍しく携帯を持っていなかった。

「あ!そうなんだ!・・・ったく今時の高校生なら携帯の一つくらい持ってなさいよ!」
「あぁ!?必要ねぇんだよ」

そう言いながら喧嘩している2人だったが、明らかにナミは残念そうだった。




そして、次の日、ナミに知らないアドレスからメールが入った。

そこには件名も入ってなく本文にただ一言・・・「買った」と入っていた。

名前何て書いてなくったって分かる。

ゾロだった。

昨日、帰りに買ったのだろうか?

自分の為に?

そう思うと心なしか顔が緩む。

そして、可愛い絵文字をたっぷり使っていっぱい色んな事を書いて返信した。


それから、ナミからメールを送ってゾロから簡潔なメールが返信される日々が続いた。

『ゾロへ(^0^)/

ナミだよ!今ね3時間目が終わったとこ。
朝寝坊しちゃってご飯食べてないからお腹すいたよ(;_;)
今日のお昼はね、カツサンドなんだ!!
デザートはね、蜜柑2つ☆
私の大好物は蜜柑だって話した事あったっけ?
私のお母さん蜜柑農園やってんの!
だからちっちゃい頃から蜜柑が大好きなのよん♪
甘酸っぱい匂いとかたまんないよねvv
ダメ!蜜柑の事書いてたらもっとお腹空いて来ちゃった・・・(><)
やばい!授業のチャイムだ!
じゃぁ、またメールするね☆ミ
ナミより』


『俺も腹へった。』



こんなメールの遣り取りでも、ナミは嬉しそうだった。
しかし、ビビはちょっと思う所があった。

それは、ゾロからのメールは無い事。

返信はしてくれるが、メールを送ってくれる事は無いのだ。

昨日もその話しを夜サンジと電話で話しをした。

サンジの話しでは、ゾロは返信機能と漢字変換機能をようやく覚えた所らしい。
最初のメールもサンジが付きっきりで教えて送った物だったらしい。

「おれも自分から送ってやれって言ったんだけど送り方がわかんねぇみたいなんだ」
「そうですか・・・」

「また明日も教えてみるから、そんな暗い声出さないでビビちゃんv」
「うん。お願いしますねサンジさん・・・」



その日の放課後、また今日も4人で遊ぶ約束をしていた。

いつもの待ち合わせ場所から少し遊んで・・・

夕方、サンジとビビが前を歩く中、後ろでナミとゾロは仲良く話しをしている。

「なぁ・・・」

「何?」

「明日・・・」

「明日?何かあるの?」

「明日・・・俺からメールする」

「メール?」

「・・・だから待ってろ」

「・・・うん。」

そう頷いたナミは嬉しさを隠し切れないように、ニコニコと笑っている。

ナミだって、やっぱりゾロからのメールが欲しかったのだ。

返信は絶対してくれるけど・・・それは嬉しいけど・・・やっぱり送って貰うメールは格別に嬉しい。

(でも、メール送信予告をするって・・・面白いなぁ)

そんな事を思いながらも、巻いていたマフラーをもう一度巻きなおして緩む顔を少し隠した。


次の日は、朝からソワソワと落ち着かないナミを皆変な目で見ていた。
事情を知っているビビは、ナミの可愛らしい行動を微笑ましく見ていた。

朝から何回も見ている携帯の画面。

ポケットから取り出してメールが来てないか送受信している。

そんなナミの行動を知ってか知らずか、時間はお昼休みになった。

いつものように皆でご飯を食べる。

しかし、一向に鳴らない携帯電話。

ナミは携帯を開けて時間を見た。


12時29分


パコンっと言う音と共に携帯を閉じ溜息をつく。

心配になってナミをビビが覗き込むと、携帯がメロディを奏でた。



♪♪You've Got Mail♪♪



ウキウキと受信ボックスを開くナミ。
ビビも覗き込んで、未開封のメールを開く。


「メール受信 : 受信時間12時30分

元気ですか?
俺は元気です。

ゾロ」


その画面を凝視していたナミとビビは・・・固まった。

「げ・・・元気か・・・?」

「って、昨日ばっちり会ってるわよね・・・私達・・・」





・・・・・・・・・空白の時間・・・・・・・・・





耐え切れず笑い出したのはビビだった。

「ご・・ごめんなさい!あははは!」

「ちょっとビビ笑わないでよ!」

「だって!だって!あははは!」

ビビが大笑いする中、ナミは携帯の機能を呼び出した。
そして保存を選択して、ゾロに返信した。



「ゾロへ

メールくれてアリガト!!
元気だよ〜(^o^)/~

ナミ」



それから毎日12時30分に同じメールが入った。

きっかり12時30分。

入ってくる文章は決まってるけど・・・ちょっぴり寂しいけど、元気ですか?と
書か
れていると元気になってくる感じがした。

(ゾロ・・・今日も元気なんだ!よし私も頑張ろっと!)

そう思えるから・・・。

そして今日も12時30分。
あの声が聞こえた。


♪♪You've Got Mail♪♪

「メール受信 : 受信時間12時30分

元気ですか?
俺は元気です。

ゾロ」


しかし・・・

こっそり吐く溜息。

寂しい文章よねぇ・・・。


それでも今日もまたメールが入った事はやっぱり嬉しくいそいそと返信をした。




その放課後・・・

「ナミさん!!」

「ビビ!どうしたの慌てて・・・」

「Mrブシドーが・・・ゾロさんが!」

「ゾロが!ゾロがどうしたの!?」

「救急車で運ばれたそうです!」

その言葉を聞いた瞬間・・・ナミはカバンと携帯を掴んで教室を飛び出した。

「運ばれた病院は『グランドライン総合病院』です!」

後ろから聞こえるビビの声に手を振ってナミは止める教師を振り切って学校前を通ったタクシーに乗り込んだ。

タクシーの中、自然と手を組んで祈るような格好になってしまう。

何よ!元気ですってメールに書いてあったじゃない!

何があったのだろう・・・病気?事故?

早る気持ちに、手足が震える。
頭がパンクしそう・・・。

そう思った時、タクシーは病院に到着した。

ビビからメールで送られてきた病室の番号を目指して急ぐ。

(1173・・・1173・・・何だってこんなに広いのよ!)

(1173・・・1173・・・1173・・・あ!あった!)

勢いのあまりドアを壊しかねない勢いで開けると、そこには音でビックリしたゾロが寝かされていた。


「ハァハァハァ・・・ハァ」

「・・・ナ・・・ナミ?」

「ハァハァハァ・・・ハァ」

「よう!どうした?息切らして・・・」



「こんんんの・・・馬鹿!!!」



その形相は見る見る変わって行き、ナミの顔は般若の数倍を怖くさせた感じだ。

傍に居るサンジと医師は、固まってしまった。
当のゾロも固まっている。

「何よ!何なの!どうしたのよ!」

これは病状を聞いているのか?そう思ったサンジは横からナミに状況の説明をした。

「ナミさ・ん・・・こいつは・・・ナミさんにメールを送る為に40度の熱がある身体を引きずって学校に来たんだ」

「・・・」

「時間に間に合わないと思って走ったら咳きこんじまったみたいで教室でナミさんにメールを送った後すぐに倒れて・・・」

「・・・」

「今点滴したらコロっと復活した所なんだvv毬藻は光合成して病気治せって感じだよねぇvv」

「ナミさん?」

俯いた背中から溢れ出る暗黒のオーラ。
ちょっとしたギャグを言ってしまったサンジはナミに平謝りした。
そして、じゃぁ・・・と言って病室を出て行ってしまった。
残されたゾロは居心地悪そうに頭をかいている。

その時、ドスの利いたナミの声が聞こえた。

「ゾロ?」

「お・・おう・・・」


「何で家からメールを送らなかったの?」

「あぁ・・・何か携帯の変なボタン押したら動かなくなっちまって・・・サンジに聞く為に学校に・・・」


「何で元気でもないのに『元気です』って送ったの?」

「何か急いでボタン押してたらいつもの癖で・・・」


「・・・」

「ナミ?」


それだけを聞いたナミは急に俯いてしまった。


「ナミ?」

ゾロが呼びかけても返事も無く、ただ俯いている。

でもちゃんとゾロは気づいた。

病室に床に溜まる雫達を。
ナミが俯いたところから落ちる涙の雫を。

「泣いてんのか?」

そっと近づいて、ナミの顔を覗き込むゾロ。


その時見たものは、ナミの握った拳だった。



綺麗に決まったナミのアッパー。

(おおっと凄い!綺麗に入った〜〜!byサンジ)

ゾロは綺麗に吹っ飛んだ。

(掬い上げるような綺麗なアッパーでしたねby病院の先生)




「いてぇえ〜〜!」

「当たり前でしょ!綺麗に決まったんだから!私のアッパー!」

「何で殴られてんだ俺は!」

「うるさい!」

そう言って上げた顔は涙でぐしゃぐしゃになったお世辞にも可愛いとは言えない顔だった。
その顔を見た瞬間、ゾロの口も手も足も動くのを忘れたかのように固まってしまった。

「いい!よく聞いて!
私、あんたのメール本当に毎日嬉しいわ!
あんな短いメールでも、今日も元気なんだって・・・ゾロは今日も元気なんだって分かるから!
素っ気無いメールで、毎日同じ内容で・・・物足りなかったり寂しかったりしたけど・・・。
それでも元気なんだって分かったから・・・元気か?って聞かれれば元気になれたから・・・。
だから嬉しかったのに・・・」

「メールは、電話は、手紙は、自分の思いや状況を知らせる為に取る手段なの!」

「癖で・・・癖でって・・・癖だろうが何だろうが嘘をつかないで!」

「元気じゃないなら・・・元気じゃないって言って!」


「好きな人の言葉って凄い影響力なのよ!女の子にとっては!」



呼吸すら忘れて伝えられたナミの言葉。
泣いているせいで途中詰まったりしたけれども、一つ一つの言葉がゾロの胸に刺さった。

涙を拭く為に、制服でゴシゴシと目を拭いているナミ。

あれじゃ目が腫れるとタオルを取って、ナミの手を掴んでタオルで目を覆った。

そして、柔らかいタオルで目を覆って何も見えていないナミを包み込むように抱きしめた。

ビクっとナミの身体が震えた。


「ちょ・・・ちょっと・・・」

もがくナミに『じっとしてろ』と囁いた。
それでも身体を捩ってタオルを外そうとするナミ。

しかし、ゾロはそれは許さないと力を込めて抱きしめた。
そうすると、少しナミが大人しくなった。


「・・・とりあえず顔見られたくねぇからこのまま聞いてくれ」

「まず・・・素っ気無い短いメールしか送れなくて、寂しくさせて悪かった」

「嘘ついて・・・心配かけて悪かった」



「泣かせて・・・大事な言葉も言わねぇで悪かった」

「お前にそんな事言わせて悪かった」

「お前のメール・・・いつも嬉しかった。
好きな奴が元気にしてんの分かるから・・・嬉しかった」


そこまで言うと抱きしめていた腕の力を抜いた。
そして、ナミの顔を覆ってるタオルを退けた。

そこには、また泣き出したナミの顔があった。


「・・・私・・・ゾロの事・・・助けて貰った時から好きだったの」

「・・・好きなの・・・ゾロの事・・・」


「おう・・・俺もお前の事が好きだ・・・」

「携帯・・・早く使い方覚えてね・・・」

「・・・おう。」

「その時の気持ちを送ってね」

「・・・おう。」

「もう一回さっきの言って?」

少しだけ悩んだ後、ゾロは携帯を取り出した。
しかめっ面で、小さなボタンを一生懸命探しながら打っている。

そして今日2度目のゾロからのメールが来た。

♪♪You've Got Mail♪♪

「メール受信 : 受信時間14時18分

俺はお前が好きだ

ゾロ」

それを見て泣き出しそうになったナミを慌ててゾロは抱きしめたのだった。







それから・・・

「ナミさん、もう来ますかね?」

「まだよ・・・だってまだ12時29分じゃない」


♪♪You've Got Mail♪♪


「あ!30分になりましたね!」

「うん」

「昨日のメールは『眠たくて元気じゃない。腹減ってる』でしたよねvv」

「今日は何ですかねvv」






開かれた受信ボックスには・・・


「メール受信 : 受信時間12時30分

元気か?
俺はお前に会ってないから元気無い。

ゾロ」


その画面を見てちょっと微笑む12時35分のナミの横顔は、やはり綺麗だなっと思うビビだった。

毎日同じ時間に来るメール。
気持ちを伝える大事な手段。

毎日同じ時間に微笑む彼女は・・・。

幸せの象徴・・・。




〜FIN〜


(2004.11.25)

Copyright(C)波男,All rights reserved.


<管理人のつぶやき>
刃物を素手で掴む、携帯持ってない、いつも同じメル文・・・と、ゾロらしさが満載(笑)。
いつも同じ時間にメルを打つ。不器用ながらもナミを喜ばせるために一生懸命やってたんだよね。でも、元気でないのに「元気」とメルを打ったのはマズかったですな。ナミ、本当に心配したんだよ〜。
ナミの本心をぶつけた叫びは女の子らしい正直な気持ちがつまっていました。さすがのゾロにも十分に伝わりましたv ゾロに「好きだ」とかメル貰ったら、卒倒するよ、あたしゃ(@▽@)。
それにしても「俺はお前に会ってないから元気無い」って・・言うようになったなぁ、ゾロ(笑)。

あっちむいてホイッ!」シリーズを書いておられる波男さんの初パラレル作品でした。
波男さん、大変な時期なのに投稿してくださってありがとうございました〜〜!

 

戻る
BBSへ