Dream −3−
ねここ 様
そして放課後。俺たちは(何故か)全員集合した。
ルフィの予言(?)通りだ。
皆夢で出会ったときと変わらずだ。チョッパーを除いて。
チョッパーはちょっと小柄な少年だ。高1でこれほど小柄のも珍しい。だが、可愛いから良しとしよう。
そしてロビンは保健医だ。おい、考古学者じゃなかったのか?
「・・・ホントに今日全員集合するとわな・・・」
「?それどういう意味よ?」
「いや、ルフィが今朝予言――もとい勘を働かせて『今日みんなに会えそうだ』って言ったんだ。・・・ルフィ、恐るべし」
「ふ〜ん・・・ルフィは動物的勘が鋭そうね。・・・いろいろと役に立ちそう」
最後の言葉が気になったので質問した。
「『いろいろ』ってなんだよ」
「『いろいろ』は『いろいろ』よ」
「・・・・・・・・・。もう一つ質問するが、夢ん中で妙に張り切ってたけど、どうしてだ?」
「決まってるじゃない!報酬のためよ報酬の。金がなきゃこの世は生きていけないわ」
「・・・夢の中の物現実に持ってこれるか!不可能にも程がある!!」
「!!そう言えばそうだったわ・・・こんな馬鹿にも気づくことができることをなんで気づかなかったのかしら!?あ〜、ただの骨折り損のくたびれもうけじゃない!!」
そのままナミはあーあー言っている。ほっといて置こう。
「てかよ、何でこんなにいきなり沢山転校生が来るんだよ?そこでおかしくねぇか?」
それに対してビビが口を開いた。
「えっと、私は一人暮らしして自立をするためにこの町に来ました。で、アパートから一番近かったのがこの東海高校なんです。サンジさんは彼の祖父がこの近くにお店を出すためきて、彼はそれに着いてきた――と言う形です」
続いてウソップが言った。
「んで、俺とチョッパーは兄弟なんだ。よく似てないって言われるけどな。親の都合でこっちに越して来たんだ。ここまで来るのに山あり谷ありでそれはそれは大変だったんで――」
話が長くなりそうだったので、ロビンに話しかけた。
「で、ロビン。考古学者じゃなかったのかお前」
「て、だから人の話を聞けっつってんだろ!?」
ウソップのツッコミが入ったが、これは無視に限る。
「考古学者だけど、いろいろ免許を持っててね。ちょうどこの高校の保険医の座が空いていたから入ったのよ。ただそれだけのことよ」
ふん、ただ偶然が重なり合っったのか。でも、『偶然』と言うよりは『必然』の方が良いのかもしれない。
俺たちは偶然集まったのではない。『必然的』にあつまったのだ。
「取りあえず全員集合記念でどっかいくか?」
と、ルフィ。なにが『取りあえず』なのかわ解らないが、これには皆賛成している。
「んじゃ、行くか!」
「「「「「おお!!」」」」」
これから毎日このメンバーで大騒ぎするだろう。これはただの勘だが。
だが、皆で大騒ぎするのも悪くはなかった。
願わくはこの日々がいつまでも続くように――
この日の夜、俺は夢を見た。海賊船に持っている夢だ。
俺は刀を3本もっていて、剣士だった。ルフィは船長。ナミは航海士。ウソップは狙撃手。サンジはコック。
ビビはアラバスタと言う王国の姫君。チョッパーは船医。そしてロビンが考古学者。
この面子で俺たちは旅をしていた。1人1人の夢を叶えるために。
いつも大騒ぎしていて、『俺』も楽しそうだった。
きっとこれは前世だろう。なんとなくそう思った。ということはウソップの言っていたことは本当だったのだろう。
皆幸せそうな・・・とても楽しげだった。
俺の前世はこんなだったのか。そう思っていたら、目が覚めてもう朝の七時半だった。
この夢のことを皆に話したら全員それを見たと言うのだ。
不思議なこともあるものだ。
だが、『前』のことなんてどうでもいい。
俺は『先』を見つめて歩む。
この仲間達と共に・・・
願わくばこの日々がいつまでも続くように――
FIN
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(2006.07.08)Copyright(C)ねここ,All rights reserved.
<管理人のつぶやき>
不思議な夢の世界で出会った人々と、現実世界でも再会(しかも一日にして一気に・笑)。
彼らは前世からの因縁の仲間達なのでした。実際彼らは転生しても仲間になりそうですな。
パラレル設定と、最後には原作設定が交錯する、なんとも不思議なお話でした^^。
ねここさんの6作目の投稿作品にして初連載でした。どうもありがとうございました!