夜明け前にBARで  〜「待ち人」Z side 〜

panchan 様

 

「ハァ、ハァッ・・・・アブねェ・・・グッ・ァ・・まいった・・・ハァ・・」



 ドンッと壁に拳を着く。
それでは収まらずドンドンッとさらに2発壁を叩いた。

・・・マジで、ヤバかった。
しかし我ながらよく耐えた。

さっきまでナミと二人きりでいた部屋を逃げるように出て、
何とかたどり着いたはシャッキー'S ぼったくりBAR 店内。
そして今、その店内のトイレにいる。
まだ手に、体に、口に、ナミの体温と感触が残っていた。
思い出すだけで、ようやく徐々に取り戻しかけてる理性が吹っ飛び、
はちきれんばかりに固く膨張してドロドロ渦巻き続けている下半身の熱が、
今にも爆発しそうだ。


 「フゥーーーーーーッ、フゥーーーーーーッ」

下半身と頭に集中した熱を静めるため深呼吸を繰り返してみる。
なかなか熱の収まる気配は無い。このうごめくマグマを手っ取り早く静めるには
自ら処理して出せばいいだけなのだが、それはそれでプライドに障る。

「ハァ、ッ、ハァ・・」

当初は店内に辿り着くや否やトイレに一直線、己の欲に全面降伏だった。
だがいざとなって、そのままさっさと自分で出す事が情けなく思えてきた。

仁王立ちで腕を組み、目を閉じて歯をくいしばる。
小便みたいに、必ず出さなきゃならねェってモンでもねェ。
興奮で血が上った頭を落ち着かせるため、そのまま瞑想することにした。

 ”心頭滅却。さすれば、ヤりたい気持ちもなんのその。”

おれは仁王立ちのまま(もちろん下も仁王立ちで)瞑想に入った。



**********



 シャボンディ諸島に着いてから数日振りに、偶然あのBARの前を通りかかった。
立ち寄ってみるとそこには、2年ぶりに再会の仲間、ナミがいた。酒が欲しくて
BARに寄ったのでナミの存在は予想外だったが、そのまま久しぶりに一緒に飲んで、
いつの間にか夜も泊まっていけという話になった。
酒が飲めて満足したおれはもう泊まるつもりなど無かったが、なぜか
そのまま居座ることになった。長い間酒に満足にありつけず、大の字で寝ることも
無くなっていたおれにとって、飲み放題と安眠が魅力的だったのは確かだ。
まさか久々に再会した仲間との時間を惜しんでいたなんてことは、おれに限っては
有るはずも無いし、そうだったとしたら己に対して苦笑いしか出てこねェ。

問題は、そっからだ。

バーカウンター付の個室に移動した時から、思い返せばナミの様子はおかしかった。
あいつ、あのデカいダブルベッドがド真ん中に鎮座する部屋を見てから、
柄にも無くずっとおれを意識してやがったのか。
おれはといえば、レイリーも戻ったことで安眠確定、酒のことと寝ること
(純粋に睡眠)しか頭に無かったってのに。
人二人余裕で寝れそうなベッドで、広々手足広げて寝れそうだと思って
漏らした言葉に、なぜ鉄拳が飛んできたのか、おれにはわからなかった。
殴られ、その拍子に酒もこぼされ、おれは服も体も酒まみれだってのに、
さらにガミガミ文句も言われ。
本当に女は鬱陶しい。
ここで言い返すとさらに鬱陶しいことになるのは、さすがのおれでもわかる。
だからあいつの言う通り酒臭い体にシャワーを浴びると、
サッパリ気分も良くなって、とにかく飲むだけ飲んでさっさと寝ることにした。

そうしてまた気分良く飲み始めたってのに、話がなぜかベッドの話に及び、
ナミはまた柄にも無くその顔を赤く染め照れながら、
おれが「2人でも寝れそうなベッドだ」と言ったのを、
「ナミと一緒に寝れそうだ」と誤解しているようなことを言い始めた。
そこでようやくおれも、このベッドに男女二人、連想するのはアレしかない
ことに思い至った。

くそっ、面倒くせェ。
あいつ、以前はおれのこと男として意識しているような素振りなんか
見せたことねェぞ。おれだって、どこぞのコックと違って女にガツガツなんか
したことねェし、ましてやナミのことをそんな風に見たこともねェ。

ただ、この状況は何とも言えず居心地が悪い。

酒は惜しかったが、もう一つの楽しみである睡眠を取るため、迷わず
もう一室用意されているはずの2Fの部屋へ行くことにした。
ナミもその方がいいだろう。おれにはサラサラそんな気はないが、
そういう目で見られるのが心外だし、弁解するのも鬱陶しい。

出て行くことに決めたおれが「じゃあな」と部屋を去ろうとすると、
急にナミが引き留め始めた。何なんだ。本当に女はよくわからん。
留まる気にはならず、おれはナミを残し部屋を出た。



 やっぱり酒一本だけでも持ってくりゃよかったと思いながら、ブラブラと
2Fへの階段を探した。確かこっちだと思って行けば全て行き止まりや勝手口。
ようやく見つけて足取り重く2Fへ上がると、これまた扉がいくつも並び、
どこの部屋だか見当もつかず、とりあえず片っ端から開けてみる。
同じような扉ばかりで、どこがどこだか、開けたのかまだ開けてないのかも
わかりゃしねェ。倉庫に二回、クローゼットのような部屋には三回当たった。
正解はまだか。そろそろ当たりだろ、と勢いよく開けた扉は、
中の光景を見て一番のハズレだったことに気付いた。

「・・・」

「何か用か?」
何事も無いかのように声を掛けて来るレイリー。

「あら、若いのにもうお楽しみは終わり?それとも追い出されたの?」
顔だけでこちらを振り返り笑いながら言うシャッキーも動じる様子は無い。

「・・悪ィ、邪魔したな」
おれの方が動揺して、すっかり部屋の場所を聞きそびれた。
扉を閉めて数歩立ち去り、ハッとして後ろを振り向くと、
もうどこの扉だったか、わからなくなっていた。
「・・・」
2Fの部屋はやめだ。
この際ベッドは諦めて、BAR店内のソファで寝ようと階段を下りた。

さて1Fへ下りたものの、次は再びBAR店内に続く扉探しだ。
さっきの動揺を引きずってか、今度は自然と開ける前にノックするようになった。
しかしえらいモン見ちまった。知り合いのはなおさら見たくねェってもんだ。
なかなか他人のヤってる現場にバッタリ出くわすなんてことは起こらないが、
さっきナミとの妙な空気を味わった後だけに、余計に焦っちまった。情けねェ。
それにしてもレイリーの奴、もうじいさんだとかなんとか言ってたんじゃねェのかよ!
と心の中でツッこまずにはいられなかった。
さて、すでに勝手口に二回、食料庫に三回。
次もドンドンとノックしてから開けようとしたら、中から「はい」と聞き慣れた
女の声が返ってきて、おれは持ってた刀を落としかけた。

・・・仕方ねェ。こうなりゃ部屋交代だ。



何だか知らねェがさっきと打って変わって扉を開けたナミは機嫌が良さそうだった。
しかし戻ってきたおれを笑って馬鹿にする態度に腹が立って、
さっさと部屋から出て行かせようとした。
大体さっきあんなモン見たせいで、下手すりゃ今度はこっちが意識しちまいそうだ。

「おい、早く荷物持って出ろよ。」
「まあ、まあ、いいじゃない。もう少しお酒付き合ってあげるわよ。」
「いらねェから、早く部屋かわれ。」
「そんな言い方しなくてもいいでしょ。」
「男と二人っきりで警戒してたんだろ。
 おれだって誤解なんざされたくねェんだ。早く出て行け。」
「・・女としてこの状況に警戒するのは当たり前でしょ。でもよく考えたら、
 あんたなんか別に何にも意識するような相手じゃなかったわ。」
「ハァ・・。おれだって別にそういうのには興味ねェんだよ、
 どこぞのアホコックと違ってな。」
「あんたってやっぱり・・・男の方がいいとか!?」
「なんでそうなるんだ!!そういう意味じゃねェ!!女みたいなくだらねェもんに
 かまけてるほど、おれはヒマじゃねェってことだ!!」
「くだらないとは何よ!単にあんたが、色んな事に目を向けられない、
 単純馬鹿なだけでしょ。」
「なんだと!!」
「そうやってすぐに威圧して、力でねじ伏せようとするんだから。
 私もあんたも、お互い異性として意識してないってことで、それでいいじゃない。
 さあ、今から飲み比べするわよ!ゾロ!」
「だからっ・・!もう飲まねェでさっさと部屋明け渡せって言ってんだ!」
「あら、女はくだらないとか言いながら、勝つ自信ないんだ〜。
 それならそう言えばいいじゃない?それとも何?あんた、私を意識してんの?」
「てめェはっ!・・・・オイ、おれが勝ったらドアの外に放り出してやるから、
 廊下で寝るの覚悟しとけよ・・」
「女相手にヒドイわね〜。じゃ、私が勝ったら100万ベリーね!」
「金かよ!・・お前おれに勝てると思ってんのか?!後悔するなよ」

途中で薄々気付いてたが、いつのまにかあいつのペースに巻き込まれ、
結局飲み比べすることになっちまった。

まあ、いい。
以前も何度かあいつとは飲み比べをしたが、おれには勝てるはずがねェ。
酒も限られてる。さっさと飲み潰れさせて、力づくで・・・
ってオイ!なんかいかがわしいことするみたいになってんじゃねェか、おれ!
くそっ!どうも調子が狂う。
とにかくさっさと勝負着けて終わらせるぞ。そしてナミを追い払って、
このデカいベッドで一人悠々と寝るんだ、おれは。

我ながら、かなりの勢いで飲んだ。ウワバミとはよく言ったもんだ。
しかしガンガン空いていく酒瓶を見ながら、このペースについて来れる
目の前の女に改めて感心した。ナミはずっと機嫌が良さそうで、
とにかく酒を流し込んでいるおれの生返事をものともせず、嬉しそうに
何だかんだと話しかけてきた。
途中からさすがに酔い始めたのか、その顔は頬が赤みを帯び、
トロンとなった目つきをこっちへ向けて来やがる。
・・・やめてくれ。
何だか見てはいけないものを見ている気分で、とにかく飲み比べを早く
終わらせようとナミの分まで飲みまくり、ついに部屋にあった大量の酒は
全て空になった。よしっ、終わった。

ほっとしておれはベッドに転がった。
これでゆっくり寝れるってもんだ。あいつは相当酔いが回ってフラついていたが、
もう後は勝手に出て行ってくれ。おれは一気に襲ってきた眠気に逆らうことなく、
遠くにシャワーの水音を聞きながら、あっという間に眠りに落ちていった。



**********





 夢か。

 やわらかくて、温かい。

夢の中で何かを捕まえたような気はした。
その心地よい感覚。


この感覚は何だったか・・・・

この匂いは・・・・


放したくない心地よさに、漂う花のような匂い。
おれの生きる、血生臭くて冷たく厳しい世界とは、異質。
なんだ?・・ついに死んじまったか、おれ?
もしもここがあの世なら、まあこんなのも悪くねェな・・

誰かがおれを呼んでる。
急にそんな気がした。誰の声だか、聞き覚えはある。
大丈夫だ、まだ逝く気はねェ。
おれにはまだ、やらなきゃならねェ事がある。


血が頬を伝う感覚に、ハッ!と意識が戻った。

「ゾロ・・?」

おれを呼んでた声の主。
吐息が掛かるほど近くで呼ばれ、感じた違和感に顔を上げてみると、
その状況に違和感は混乱に変わり、眠気が一気にぶっ飛んだ。

何でこんなことになってんだ?!!

「ナミ!?・・・!!」
おれの下で、おれに押さえ込まれ涙を流すナミ。
自分の頬を手の甲で拭うが、さっき血だと思ったのはどうやらナミの涙だ。
ヤベェ!まさか寝ぼけて無理矢理襲っちまったか!?
それしか考えられんこの状況にさすがのおれも焦ったが、意識を下にやると
しっかりズボンは穿いてるし事後特有のスッキリ感もない。
しかし涙を流し続けるナミに、おれが何かしたことは間違いなさそうだ。
「おれ・・・・何か、したか?」
何も答えず一層涙を溢れさせるナミに、
「おい待て!泣くなよ!!頼む!覚えてねェけど・・おれが悪かった!」
と、離れるため体を起こしかけたら、ナミが首にしがみつくように
抱きついてきて、おれはさらに混乱した。
とにかくナミから離れようと体を起こし必死で後ずさったが、おれの首に
ぶら下がるようにくっついたまま、ナミは一向に離れない。
「おい!ナミ!離せよ!」
まだ取り返しのつかない事まではしていないハズだったが、こんなに密着して
その柔らかい体を押し付けられると、取り返しがつかなくなるのは時間の問題だ。

「ゾロォ・・」
力ずくで引き剥がそうかとした、その時だった。


「ぅぅ・・生きてて・・よかったぁ!!」


一瞬、耳を疑った。
また柄にもなく、こいつ・・・。

二年前のあの日。
おれの力不足、不甲斐なさゆえ、敵を倒すことも仲間を守ることもできず、
おれはあの七武海、くまの野郎に飛ばされた。
自分でも命あったのが不思議なほど満身創痍、
今振り返れば、あの時の自分はまだまだだった。

襲い来る敵を倒し、仲間を守ること。それが一味でのおれの役目。
それを果たせなかったおれなのに、時を経て今、こうして無事再会できたことに、
こいつはこんなにも涙を流しているのか。

ただ、強くなるためだけに。
鷹の目に土下座までして、二年間がむしゃらに前へと突き進んだ。
ひたすら自分を、剣の腕を、磨き続けた。

心配かけたな。
自分が情けねェ。
おれだって本当は、心配だった。

泣き続けるナミを、抱き締めた。

もう不安にさせるようなマネはしねェ。これからは必ず、守る。
今のおれには、その自信がある。

ナミを落ち着かせようと、子どもをなだめる様に背中を優しく
ポンポンと叩いてやった。

今夜はどうにも飲みすぎたか。おれまで柄にもなく感傷的になってやがる。

ナミのすすり泣く声がようやく止まり、今度は笑いが漏れ始めた。
まったく、こいつも飲みすぎだ。

「気持ち悪ィなァ、この酔っ払いが。」

ずっと絡みついていたナミの腕がようやくおれの首を開放した。
ほっとしたが、離れることを惜しいと思ったりもする。妙な気分だ。
そして改めてナミを見下ろすと、こいつほぼ全裸じゃねェか。
イヤ、薄々、背中を触った時に何もなかったことや、直に押し付けられている
そのデカイ胸の先端の感触に、気付いていないこともなかったのだが。
今おれとナミは向かい合って座り抱き合ってる状態、
つまりいわゆる座ってヤる時の体位ってやつだ。
さっきまでは涙に気を取られていたが、これはマズイ。
だんだん下が反応し始めた。
おれだって若い男、この状況で反応するなと言う方が無茶だ。
だが今、ナミは明らかにかなり酔っている。
酔って判断できなくなった女をどうこうするのは、おれの信念に反する。
耐えろ。

両手でおれの頬を撫で、上目遣いでおれを見るナミ。
涙で濡れた目尻は赤く、目つきはトロンとして色気を放ち、
おれを誘ってるようにしか見えない。
色白でデカイ胸の谷間や、華奢な肩、鎖骨が視界に入る。
肩のタトゥが白い肌にアンバランスで何ともいえない。
ナミの背中に置いたおれの手に触れるキメ細かい肌と、
フワリと掛かるオレンジの長い髪。
柔らかそうにふくらんで、半開きになった唇。
すべてかキレイで・・・エロい。

ヤバイ。
下はもう収まりがつかなくなってんぞ。どうすんだ?おれ!?

ナミがそっと優しくおれの左目の傷をなぞった。
その感覚と同時にナミの恍惚とした表情が目に飛び込んで強烈におれを刺激した。
もう堪らなくなって、グッと目を閉じた。

「あ、ごめん。痛かった?」
「いや・・お前・・そんな顔すんな。・・我慢できなくなんだろうが。」

「・・・・あ・・」

おれのソレは勢いよくズボンの中で立ち上がり、ナミの下腹に当たっていた。
ようやく気付きやがったか。

「あんたも女に反応するのね・・・」

まるで予想外のように言うナミ。
こいつ、どういうつもりだ!こんな格好で男の腕の中にいて色目使いやがって、
ヤられんのが当然だぞ!普通もうヤられてんぞ!おれをナメてんのか!?
こいつおれに無防備すぎる。ちっとはビビりやがれ。

「あのな・・・・甘く見んなよ。おれも男だぞ。」

ナミの細い腰を掴んで引き上げ、ズボン越しにデカくなったソレを
ナミの女の部分に押し付けてやった。

「んあぁん!」

ぐああああああァ!!なんつう声出すんだ!!
ヤベェ・・ナミをビビらせるつもりが、おれの方が追い込まれてどうする。
しかも・・下も何も穿いてなかったとは・・・。耐えられねェ。
おれの方もさっさと全て脱ぎ捨てて、ヤっちまうか。もう限界だ・・・
今すぐ押し倒して柔らかい胸を揉みながらこいつの中に入りたい・・・

ナミがおれの耳元に顔を近付け、そっと囁いた。

「ゾロ、抱いて・・・」




**********



「ぐはっ!!」

思い出しちまった。おれに抱いてくれと言ったナミを。
あの時、ついになけなしの理性までが吹っ飛びかけたおれの頭の中で、
けたたましく鳴り響いた警報音。

だめだ。
この女はだめだ。
こいつは・・勢いで手を出していい女じゃねェんだ。

女から誘われその気になれば、おれも女を抱くことはあった。
今まで抱いた女は、正直ほとんど顔も覚えていない。
体だけが目的の、刹那な関係ばかりだった。

だがおれにとってナミは、大事な仲間だ。
ナミはその女達とは違う。

あの時ナミを抱いてたら、おれは後悔してた。
まだ共に航海の途中だ。その後はわからねェが、ナミを抱くとしたら、
それはすべてにケリが着いてからだ。今じゃない。
それまでおれとナミは男と女でなく、仲間同士だ。

とはいえ・・しばらくはナミを見るだけでムラムラしそうだな、おれ。


 ”強くなったんでしょうね?”

去り際のおれにナミの掛けた言葉がよみがえる。

そうだ。こんなところで悶々としてる場合じゃねェ。
性欲に惑わされ精神をかき乱すとは、おれもまだ甘い。


結局、なにも吐き出すことなくトイレを出た。
当然、下半身の熱はこもったままだ。こじらせた欲求不満を静めるには、
別の興奮しかない。
剣を振るうこと。
やはりおれには、こっちのほうがいい。

BARの扉を開け外に出た。冷えた夜明け前の空気が心地よい。
手応えのある奴、束になってかかって来やがれ。
今なら何人でも相手してやる。

はやる気持ちで刀に手を掛け、
まだ暗い朝もやの中、おれはBARを後にした。







 終


 〜おまけ〜

BAR店内

 バタン。

「・・・・デュバル様、今の・・・」

「ああ、寝たふりしてたが気付いてた。
 ありゃ間違いねえ・・・剣士の旦那、ナミの姉さんに振られたな・・。
 ああ、おれがハンサムなばっかりに、すまねえ・・。
 ドンマイ!!旦那!!」



2F

「・・・ものすごい殺気だったな。ワハハハハ。」
「そうね。」
「まあ、大事な女ほど、なかなか手は出せないものだ。」
「・・・若いって、いいわね・・・」
「年寄りの渋さもいいだろ?」
「もちろん。アハハ。」





おわり


(2011.03.29)


<管理人のつぶやき>
2年後ゾロナミ待ち人のゾロサイドのお話です^^。ゾロ側の気持ちがどうだったのかすごく気になっていたので、それが分かってとても嬉しいですよ!それにしても、返す返すもゾロには「よく耐えたね」という言葉を贈りたいです(笑)。あと、個人的にはレイリー&シャッキーのオトナカポーの睦み合い場面にニンマリしてしまいました^^(詳しい描写はないけれど、返ってそれでもわ〜と妄想してしまいましたよ!)。

panchanさんの2作目の投稿作品でした。ステキなお話をありがとうございました。
そして、更新が遅くなり大変申し訳ありませんでした;;。

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