おいしい生活 −4−

            

マッカー 様





「‥これにより国の損失が約35パーセント以上の負担をこうむるわけ
これは国家予算的にかーなり莫大な金額になるのよ?
ちょっと ちゃんと聞いてるの?」

ココヤシビーチのナミの家
なんとかかんとかチョッパーの指示のもとやってきたルフィ一行は
ナミに出くわしたとたんこの国の問題点についてナミがこと細かに説明していたわけだが(説教ともいえる) 
いかんせん この国の王子が問題であり その王子が問題でなければこういう事態にはならないわけで‥ つまりは何を言って無駄というか無茶というか‥

「おう! わかったぞ! だったらくいモンいっぱい作ればいいんだな!」
「バカ! あ〜もう! あんたが人並みくらいの食欲におさえろって話してるのよ!」
「時間の無駄だな」
「ムシでもいるのかなぁ...?」

さりげなく 怖いことを言うチョッパー
ソファにふんぞり返るルフィにため息をつくナミ

「いいわ‥もうそういう問題じゃないってのは薄々わかっていたから‥」
「何かいい案があるんだろ? ドクトリーヌはお前に会いに行けって話してたぞ」

テーブルより低いチョッパーは一生懸命背伸びをしてナミに問う

「フフまぁね このナミさんに不可能は無いわ」
「おぉ〜 さすがナミ!」
「ナミ何かあるんだな? あるんだな?」
「お前らこいつにタダで何かしてもらおうなんて考え甘えんじゃねーか?」

一人不信がる男をおいて ナミに期待の目を向ける一行
その男を軽く睨みコホンと咳払いをするナミ

「と...その前に そこの虫をなんとかしないとねー」
「虫じゃねぇ! 妖精だ!」
「自分のキャラ見てそういうこと言ったら?」
「ムシじゃねぇ...」

今まで黙っていたウソップがルフィの帽子の上からふてくされる

「あんた... 薬ほしいんでしょ?」
「あるのか?」
「あるわよぉ? 勿論 ここは魔女の家よ?」
「助かるぜー...これでカヤも元気になる」
「よかったなウソップ!」
「喜ぶのはまだ早いぜ...」
「じゃーねー...ひとつお願い聞いてほしーなー」
「おう! 何だってしてやるぜ」

立ち上がり奥の部屋へと戻ったかと思えば
一本のタクトを持ってウソップにそれを見せる

「なんだこりゃ マジックタクトじゃねーか しっかし使い勝手が悪そうだなー」

それを見るなり品評始めるウソップ

「そうなの 実際これかなり具合悪くてさ
あんた樹木の妖精だったわよね? これに代わるいいタクト作れないかしら?」
「そんなことなら任せろってんだ!
俺の手先の器用さは妖精界1だからな!」
「そう! 良かった! じゃ 来週までにお願いね!」
「おい待て! そんな簡単に言うけどな 結構手間暇かかるんだぞ 来週ってのはあまりにも早すぎ...」
「じゃー この薬はなかったことに...」
「待て待て待て!! 分かった! 仕上げてやるよ!!」
「ありがとう大好きよウソップ!」

「魔女め...」

ぼそりと遠くからつぶやく召喚獣...

「さてお次はあんたの番ね」

ナミは胸元からひとつのマッチ箱を取り出しルフィに手渡す

「ルフィそれに火をつけてみて そしてお願いするのよ」
「?」

言われるがまま彼は火をつける
その瞬間一瞬辺りの光がマッチ棒に収束したと思うと 青い炎が立ち上がる

「なんだ!」
「火事だ!」
「大丈夫よ 本物の火じゃないから」

やがて炎は男の姿に落ち着くと突然ナミに飛び掛る
咄嗟刀を抜くゾロ

「んナァアミッツさぁ〜〜〜〜〜ん! 感激です〜〜〜 とうとうオレを呼び出して頂けたんですね〜!! あぁ この美しい玉の肌‥はぁ‥ 御用は?御用はなんですか? このサンジ呼び出されるのを今か今かと待ち望んで早数年‥今にして思えばその苦労がやっと報われる‥ってなんだテメェ‥」

飛び出した瞬間ナミの両手を掴みその手にほおずりし始める金髪の男
その喉もとには光る切っ先がつけられていた

「テメェこそ何者だ? ナミこいつは敵か?」
「久しぶりねサンジくん 紹介するわ そっちにいる子が今回あなたを呼び出したルフィ王子
そして使い魔のチョッパーにゾロよ みんな この人は魔族のサンジくん ゾロ 刀を引いて」
「‥魔族〜〜〜〜?」

炎の中から出てきた男は真っ黒なスーツに身をつつみ さらりとした金髪のやさ男
格別こう人と違うという特徴はないが 
しいて言えばその口のハザマから見え隠れする吸血鬼のようなオーバーな犬歯
そして彼はナミに対して異常なまでの関心を持っているようだ

「そうよ」
「お前‥どこでこんなの拾ったんだ...」
「ちょっちょっちょ待ってくださいよ ナミさん‥ オレ聞き違えたかな?
今 呼び出したのこの坊主って言いました?」
「言ったわ」
「坊主じゃねぇ! おれはルフィだ!」
「凄い!オレ 魔族って始めて見るぞ!!」
「がーん!! ナミさんが呼び出していただいたのではないのですか? しかも王族?」
「ごめんね」

ちょろりと舌を出して謝るナミ
愕然とするサンジに
憮然とするルフィ
唖然とするチョッパー

「というわけで サンジくんのご主人は一応ルフィだから」

魔族 サンジ
この世の中 確かに存在は確認されてはいたが 
そんなあっさりと出会えるものでもない
大昔にそれと戦もしたが 今はそれぞれの生活範囲内で生きている
人間 妖精 魔族 があり そしてそのパイプが魔女であったり仙人であったり
それらは魔法や術を用いて世の流れにつかず離れずに息づいているのである

サンジは魔族の中でも変り種で 中級クラスの魔人のくせに一人の人間に尽くすといったいわば最下級魔族の営業をかなり好んでしていたところ数年前にナミと間接的に出会い 

「あの頃のナミさんってば積極的でなぁ‥ オレは他の魔女に憑いていたんだが
その魔女との勝負でオレを勝ち取って今にいたるってワケだよ」
「話がはしょりすぎているけど‥ まぁ景品で当たったようなものなの
 ルフィにあげるわ 彼こう見えても料理得意なのよ これからはサンジくんが
いろんなご飯を用意してくれるわよ〜〜〜 それもたっぷりとね!」
「本当か!?」
「景品‥」
「むごすぎるな‥」
「ナァ〜ミさぁ〜ん クールなあなたも素敵だぁ!」
「魔族ってのはみんなこうなのか...?」
「そうそうルフィ あんたこの借り わかってんでしょうね?」
「おう! 何だってしてやるぞ!」
「その言葉...覚えておいてよ フフフ」

生ぬるい風が吹く今ここで一国のとても恥ずかしい一大事が
こうやって幕を引いたワケで
メリーランド王国はこの後も偉大なる発展をし続けたそうである
ただ 一番発展をしたのは他ならぬ 彼女だったわけで‥

「‥.おまえって‥ちっとも働かなかったよな‥」
「うるさいわよ 知能の高い人間ほど無駄なエネルギーは使わないものなの
というわけで帰った帰った」
「‥悪かったな無駄なエネルギーの固まりで」
「なによその目は...」
「なぁ ナミ 無駄な世の中には無駄なエネルギーを上手に発散させる方法があるのを知っているか?」
「‥どういう意味?」
「‥子孫繁栄だ」

「きゃーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


おまけ

「スモーカーさん‥王子‥まだ‥帰ってらっしゃいませんね‥」
「‥あいつは王子クビだ」






おしまい





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<管理人のつぶやき>
王子の食欲で国が危機に陥るとはなんということでしょうか。旅は股ずれじゃない道連れで問題の張本人ルフィも一緒に行きますが、チョパや妖精ウソップを巻き込んでの珍道中です。
一方、ゾロは魔女ナミと曰くありげな関係で・・・(むふふ)。まぁ、通り名がもともと魔獣なんだから、ある意味召還獣にピッタリな人かもねぇ。ナミとゾロが契約を交わすところがゾロナミらしくていいな〜。魔族サンズィの設定もらしくて好きよv
無駄なエネルギーはその方法で存分に発散してもらいたいものです(笑)。

いつもいつも楽しいお話を送ってくださるマッカーさんが、またもやこんな素敵なお話を!コブラ、ドルトン、ボンちゃん、ビビ、ケムリン、ヒナ、たしぎ、カヤ、チャカ、ペル・・・とオールスター総出演で本当ににぎやかでした♪マッカーさん、どうもありがとうございましたーーー!!

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