「あの部の予算を削る代わりに、あそこの部で余った備品をまわして」 |
Name the greatest of all inventors. Accident りうりん 様 scene5 「ああ!玄関、開けっ放し!」 「ありゃま」 「買い物に行く時、ちゃんと閉めておけって言ったのに!」 「そんな大事なこと、ルフィが聞いているわけないじゃない」 「あのバカ〜!」 「うわ、何?玄関を占領するがごとくバカでかい靴。超邪魔なんだけど」 「ルフィの友達のでしょ。いま部屋でゲームでもしてるみたいだね。あんた部屋へ行くついでに、友達もお夕飯を食べていくか聞いてよ」 「えー。なんでわたしが?ノジコが聞けばいいじゃない」 「あんたね、お母さんたちがいないから、大学が忙しいこのわたしが替わりに家事をしてんのよ。思い出した時にしかやらないあんたや散らかすことしか頭にないルフィのおかげで、忙しさ倍増なの!おわかり?」 「それは…わたしだって学校のことで忙しいんだから仕方がないじゃない」 「2年前まではわたし、高校生だったけど?」 「う。それは…」 「今のあんたと同じ条件だったけど、家事も学校のこともやってきたよね?」 「ルフィに言ってきます…」 「よろしい」 |
「ルフィ。ルフィー!ルフィ!」 |
こらあ!さっさと開けなさいよ!この食欲魔人!!」 「んだよ、ナミ。ドアを壊すんじゃねえか」 「あんたがさっさと開けないから悪いんでしょ!お友達がきているんでしょ?ノジコがご飯を食べるのか、聞いてこいって」 「えー。飯かあ」 「ノジコ、忙しすぎて頭から湯気出ているから、さっさと言ってきなさいよね」 「おお!おーい、おまえ飯、食ってくか?食ってけよ。食ってくよな」 |
「ルーフィー!!友達、何だって?」 |
「えー?そうなのか?別にいいじゃねえ」 |
「ルフィ―――!」 |
「そっか。じゃあ、仕方ねえな。また食いに来いよ!」 |
「もうちょっとしたら帰るってよ!」 |
「そうなの―?じゃあ、お菓子だけでも取りに来て!」 |
「おう!」 |
「ノジコ、腹減ったー!飯食おうぜ、飯」 「あんたがお腹を空かせていない時なんてないじゃない。ナミが降りてくるまで待ちなさいよ」 「呼んでも来ねえ奴はほっとけよ。おれは腹が減っているんだ!育ち盛りなんだから仕方がないだろ」 「あんた、生まれたときから育ち盛りじゃない。それにしても、さっき帰ったあんたの友達さ」 「んあ?ろろのころか?」 「…口に入っているなら、しゃべらなくていいから」 「おかわり!」 「初めて見たけど、学校の先輩?」 「んにゃ」 「じゃあ、誰かの兄弟?」 「ひがう!」 「…ご飯を飛ばさないの」 「おかわり!」 「じゃあどこで知り合ったのよ。あんたの友達にしては、わりとまともだったじゃない?ちゃんと挨拶していったし。愛想はなかったけどさ」 「ろろはへんどーをひているからな!」 「何いっているのか、わかんないわよ」 「おかわり!」 「もうちょっと落ちついて食べなさいよ」 「ん。わはっは!」 「わかってないわよ、あんた。よその人が見たら、うちが全然食べさせていないみたいな食べっぷりよ」 「ん。腹が減っているからな」 「育ちざかりにしても、食べ過ぎよ。あんたのおかげでうちのエンゲル係数95くらいいってるよ」 「おお!そりゃすげえな。シシシ!」 「笑い事じゃない!」 「いってえ〜。手加減ねえなあ」 「あんたに手加減しても仕方がないじゃない」 「ん。そうだな。おかわり!」 「…摂取している栄養、ちゃんと脳みそにも回すんだよ」 「ははは!おもしれえ事いうなあ」 「ほら落ち着いて食べなさい。こぼれているわよ」 「おおおお。もったいねええ!」 「テーブルを舐めるな!」 「殴るなよ。しっかし、この肉巻、うめえな。肉の中が肉だったらもっといいんだけどなあ」 「あんた対策に野菜でボリュームを増やしているの!うちの家計のことも考えなよ」 「ん。わかってる!」 「わかってない!」 「わかっているって。早くおれに海賊王になれってことだろ?」 「誰がそんなことを言ったのよ。中学になってもそんなこと言うなんて頭が痛いよ」 「風邪か?ノジコ。俺に移すなよ。受験生さまなんだからよ」 「あんたが言うな!受験生らしいことなんて、なーんにもしてないくせに」 「でもあいつ、前にもうちに来たことあるぞ」 「あんた、ほんっとに話を聞いていないわね」 「広場でおれが蹴ったボールがナミに当たったときがあったじゃねえか」 「そんなことあった?」 「ナミが気絶しちまってよ。叩いても、引っ張っても起きねえし、重くて持ち上がらないからどうしようかと思っていたら、他のグループと来ていたあいつがナミをおぶってくれてよ」 「え!それ、いつのことよ」 「んー。このあいだかな」 「まだ最近なの?」 「帰ったら、ちょうど父ちゃんがいてさ。気絶したまんまのナミを見て『おまえがやったのか!』って、あいつにすげえ拳骨しちまってよ」 「さすがお父さんと言うか…。そんな誤解が?まあそういうシチュエーションなら、そう思っちゃうかもしれないけど…」 「で、サッカー部の練習試合に行ったら、向こうの学校にあいつがいてさ」 「え?サッカー部?中学の?ちょっと、さっきのボール事件はそのまえの話なの?」 「言わなかったか?」 「言ってない!いくつの時の話よ」 「中学ったら13くらいだろ?」 「中学じゃなくって、ボール事件!」 「何怒ってんだよ」 「あんたが怒らすようなことを言うからでしょ!」 「更年期か?」 「ル――――――フィ――――――!!!!」 「いってえええええ!暴力反対!人類みな兄弟!」 「あんたと兄弟ってことが、わたしの汚点だよ!!」 「ずみばぜん…」 「で?最初のボール事件は何歳の時の話?」 「おれが小学生のときだな」 「…中学の前は、ふつうは小学生だけどね」 「4年生くらいだったぞ。あいつは6年じゃねえか?」 「その次にあったのが中学?長い間会わなくて、よくわかったわね」 「だってあいつの髪、きれいな色だからな」 「そうね。あの翡翠色はあんまり見ない色ね」 「それに拳骨されたとき、ふいを突かれたとはいえ、父ちゃんにひざ蹴り入れたんだぜ!」 「小学生が!?お父さんに?うそでしょ?」 「父ちゃんも油断していたんだろうな。きれいに決まっていたぞ」 「さすがサッカー部ね。足技が得意なんだ」 「んにゃ、剣道部だ」 「はあ?」 「その時は助っ人だったんだ。でもサンジとすげえ互角でやりあっていてさ。おれ、すっげえ感動したぞ。いまは海青で剣道しているって言っていたな」 「何なのよ、それ…」 「で、今日、学校帰りに腹減ったなー。でも金がねえなあって思ってコンビニの前でボーっとしていたらあいつが店から出てきてさ」 「あら」 「お互い『おお!』って感じで。握り飯とか買ってくれたから、おれん家に来いよって言って連れてきた」 「ちょっと待った!」 「んあ?」 「おにぎりを買ってもらって、それっきり?そんなんだったら、無理やりにでもお夕飯を食べて行ってもらったのに〜」 「そんなことしたら、おれの食う分がなくなるだろ」 「あんたは食べ過ぎ!ナミの分まで食べちゃって…。そういや降りてこないね、あの子」 「でも海青かー。あいつがいるなら行ってもいいかな、おれ」 「あんたそれ、自分の成績を熟知しての意見なわけ?偏差値もまあまあよ。スポーツ入学って手もあるけど、あんたの場合VIPは取ったけど、部としての成績はいまいちだったじゃない」 「そこはそれ、どうにかなるだろ」 「あんたの場合、本当にどうにかしそうだよ」 |
「…ん〜」 |
「あ、ナミ。何していたのよ。つかあんた、寝てた?制服がしわだらけじゃない」 「気がついたら寝てた〜…」 「降りてくるのが遅かったから、ルフィがご飯を食べちゃったよ。すぐ作るから待ってな」 「ん、いい。牛乳だけ飲んで寝る。お風呂入っていい?」 「いいよ。ちゃんと制服はかけておくんだよ」 「んー。わかってるー」 「そういやあんた。小学生のころルフィにボールぶつけられたことある?」 「そんなの数えられないくらいあるわよ。ノジコだって何度もあるでしょ」 「ん、まあね。そのとき男の子におんぶされて帰ってきたことがあったらしいけど、覚えてる?」 「え?足をひねってサンジくんたちに送ってもらったこととかはあったけど」 「翡翠色の男の子は?」 「翡翠色?んんん…覚えがないなあ」 「そうなんだ」 「ルフィに迷惑をかけられたことなんて、生まれたときから、ずーっとよ。巻き込まれた人全員なんて覚えてないわよ」 「それもそうか」 「お風呂もらうねー」 |
「あー。もうだめ。絶対寝る」 「明日早く起きてやりますので、今日は許してくださぁい」 「おやすなさーい…」 |
♪♪♪♪♪〜♪ 「…本日の営業は終了しました」 「コアラか」 「…スル―すると、うるさいんだよね」 「えー…とぉ はああ?!」 「ちょっ、え ええええええええ!」 『海青の学校祭に参加することになったんだけど、あんたも来る?』 |
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