「イヤなら、別にいいゼ。」
「大丈夫です。」
マジか?…そりゃ、俺もチト硬度が足りないとは思ってはいたが……まさか、やって貰えるとは。嬉しい誤算ってやつだ!

結構時間かけて、攻めてるつもりだが、あんま感じてる様には見えねーし。濡れてねぇから…慣れてないんだとばかり思ってたんだが…。これでナミくらい、巧いとありがてぇんだがなっ!

…えらく苦しそうな顔してるな。俺の喰わえるの、そんな厭か?






御祝儀  −3−
            

CAO 様



赤い舌先が、俺の先端を柔らかく、愛しげに触れてくる。先走る雫を溢さぬように、ゆっくりと舐め上げる。嚥下しないまま、その雫を広げる様にカリに沿って回された舌の動きが、あまりにも妖艶で…見惚れていた。その間にも、快感が俺を襲い、あどけない顔したナミにどうしてこんな色気があるのか?抱き締めたい衝動を必死に押さえた。
そうする内に、舌は裏筋を下へ向って徐々に移動を始めた。触れられている部分に、ジワリと血液が集まって来る。…アツい。たまらなく、気持ちがイイ。
程なく袋へ到達した舌が、その唇を伴い包み込む様な口づけを始めた。皺に沿い妖しく動く舌先と、神聖なモノに触れるが如く動く甘い唇。俺の片方が、ナミの口中に飲み込まれた瞬間、背筋を冷や汗が流れた…恐怖と快楽。格好悪りぃが、声を洩らしちまった。
「…っうっ。」
失態だ!俺としたことが、コトの最中に、しかもまだ挿入してもねぇのに…今まで誰と遣ろうが、一度足りと嬌声だけは上げた事はないっ。俺のプライドが、消えかかる。なんかナミにツッコミ入れられるかと、冷静な自分が思ったが、無言で愛撫を続けやがる。それどころか、棹を支えた左手は扱き始め、右手で片方の袋を弄び、口中では片方の袋を吸いやがった!
ドンドン攻めてきやがる、更に激しく…かなり、キツい!と思った瞬間、唇が袋を離れ、棹に戻ってきた。ホッとした俺は、気を抜いていたんだと思う。その後押し寄せる快楽に、恐怖さえ感じた…

裏筋をなぞるように何度も舐め上げ、時に手を添え、唇を纏わりつかせ、ハーモニカでも吹く様に棹を弄び、俺を煽るナミ。本能が俺の眼を眩ませ、堅く閉じさせている…。この感覚だけをひたすら感じ続けていたい。この感触を一生忘れたくないと、忘れる事を恐れる自分がいるから…ふと、呼ばれた。甘い声音で。
「…ねぇ、」
その声に目を開き、ナミを視る。
四つン這いで、俺を見上げる瞳と眼が遇う。か細い指が上下する、その掌の中に、俺のモノが包まれていた。すぐ後方には、コイツのデカイ胸の谷間があり、誘う如く揺れている。何よりも、少しだけ開かれた唇は、コイツの唾液と俺の腺液に塗れ、淫美な輝きを放っていた。そう、そしてその茶褐色の瞳は、刹那の色に染まり、俺を写している…
冷静に考えれば間抜けな格好だが、その時の俺には、神々しい姿に見えた。コックが、いや、俺等の仲間がコイツを語る時によく使う詞が、頭を過った。

(………女神)

普段の俺なら、決して口にしない、それどころか、思い付きもしない…しかも、ナミ相手には。

半拍遅れて返事を返す、
「…お、おぅ。」
「気持ちイイ?」
「あぁ。」
次の瞬間、ナミの瞳に狡猾な光が宿る。薄く笑みを浮かべ、女神が魔女になる。
「ちゃんと、見てなさい!」
パクッ。
俺を見つめながら、喰わえやがった。驚きと快感のあまり、声がでねぇ…しかも、コイツの『俺の反応を一瞬たりとも、見逃さない!』という決意を感じ、俺は微動だに出来なくなる。
(くそっ!てめぇ、やりやがるなっ。)
(あら、これくらいでギブ?)
(な訳あるかっ!)
(そう?素直に負けを認めなさいよ。じゃないと、これからもっと苦しくなるわよ。)
(まだまだ、余裕だ。やれるもんなら、やってみやがれ!)
(じゃ、これならどう?)
目一杯俺を飲み込んだナミは、頬が凹む程吸い上げ、頭を上下し始めた。最初はゆっくり、徐々に速度を早め、深くより深く…
(どう、たまらないでしょ。)
(早くイッちゃいなさい!)
(それとも、挿れさせてって、頭下げる?)
コイツ、眼で話してても、うるせぇ〜けど、我慢できねぇ。このままじゃ…コイツの口の中、気持ち良過ぎる。舌も上下する度に、妖しく纏わり付いてくる。歯列が時々、甘く痛みを走らせる…おかしくなっちまう。自分の全てを捨ててしまう。ナミの全てが欲し…。
「お前の言うHとやらは、お互い良くなるつう事だったよなっ!なら、これ以上、好き勝手はさせねぇ!てめぇも、差し出せっ!」
体を起こし、強引にコイツのしなやかな体を、俺のモノを中心に半回転させた。
今、初めてナミの秘部が、俺の目にはっきりと曝された。止めどなく溢れる、蜜液と共に…。
微塵の迷いも無く、俺はむしゃぶりついた。

「あっ、はっ。……んっ。」
確かな嬌声が耳に届く。




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(2006.01.09)


 

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