愛で汚したい −4−
びょり 様
ナミがルフィに連れて来られた場所は、山道途中に口を開いた洞窟ん中だった。
「・・だだ駄目よ!ルフィ・・!お願いだから正気に戻って!・・ね?」
「ナミ・・もう我慢出来ねぇんだよ、俺・・。」
あああんた・・そんな目ぇ血走らせて言われても・・!
じり、じり、じり、とルフィが近寄って来る。
たじ、たじ、たじ、とナミが後退る。
追い詰められ、ナミの背中が、どんっっと最奥の壁にぶち当たった。
背中が当った衝撃に、背後でパラパラ砂利の落ちてく音がする。
・・って、そんなそんな・・なんっって、お約束な展開なのよー!!
「ナミ・・!」
「ちーかーよーるーなー!!あっち行け!来るな!来るな!・・しっ!しっ!」
背後の大岩にベタッと貼り付き、バタバタと右足で威嚇しながらナミが叫ぶ。
いいいや、落ち着け!自分!犬追っ払ってんじゃないんだから・・!
ああでもでも、どうしよどうしよ?早く助けに来てよ、みんな〜!
とにかく、此処はルフィの気を逸らして、一気に駆け抜けて・・。
「あー!牛が後からモーニングコート着て牛ステーキ頭上に戴きやって来るー!加えて言うなら焼加減はミディアムー!」
―よし!このスキに・・!
前方目指して駆け出すナミ、が、ルフィにがしっっと両肩掴まれ、くるり反転、御対面。
「あのな、そんな嘘、真に受ける訳無ぇだろ?」
うそぉ!?ルフィが・・ルフィが・・かつて無い程のシリアスモードにィ!?
「もう逃がさねぇ・・ナミ!」
「あー!!やめやめ!・・あ、あんた、何そんなハスキーボイスで人をギュッと抱きしてくれてんのよー!?離せ!離して!コラー!!」
おもっきし両の腕でぎゅうぎゅう抱きしめてくるルフィの顔を、頭を、背中を、ポカポカ殴るナミ、しかし奴は絶対離そうとしない。
そしてそのまま、ナミを一気に押し倒し!
砂利の敷かれた地面の上に、2人分の体重を掛けて倒れ込むナミ・・受けた衝撃に思わず呻き声が出た。
「ちょっ!・・待っ!嫌!本当嫌っ!!これにて、これにてお開きにしましょ!・・ね!?ルフィ・・!」
「此処でなら邪魔も入らず最後までヤレる・・諦めろ、ナミ・・。」
必死に暴れるナミの両手首を、片手1本で地に押え付け、真剣な眼差しで被さって来るルフィ。
「皆、何やってんのよ〜!・・ロビン・・チョッパー・・サンジ君・・ゾロ・・早く来てよぉぉ!!」
危うしナミ!このまま裏部屋作るも待たずに、最後までヤラレちまってしまわれるのかー??
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(2003.12.20)