「聞いたわよっ!シャンクスに投げ飛ばされたんでしょっ!」
「ナミ、それどこで…」
「サンジ君が…」
あのエロコック余計な…ったく、どいつもこいつもくだらねぇ事ばっかしやがって!

「関係ねぇ!お前には。」
「…かっ、何よっ!アタシの…」
「俺と奴の問題だ!アイツが俺を認めるか、認めねぇかつうな!…認めさせてやるさ。お前は………心配すんなっ。」

「ゾロ…。」
んな嬉しそうな顔すんな!また、キスしたくなんだろっ!ここ、何処だと思ってんだ。廊下の真ん中、教室から丸見え…クソッ。
「ちょっと、来いっ!」





娘の彼氏は、とりあえず殴っとけ!  −3−

CAO 様

 

「で、どんな良い事があったの?」
「なんで分かった?」
「アンタの態度見てりゃ、誰だって一目瞭然サ!」
「知りたいか?」
知りたいも何も、聞いてくれって顔してんじゃないの。全く解りやすい旦那だよっ!可愛いちゃ、可愛いけど…
「あー知りたい、知りたい。」
「そんなに知りたいか!実はな〜今日体育の時間…」


「はーバカだとは知ってたけど…まさかここまでとは。呆れてモノが言えないわっ!」
「何だとっ!可愛いナミを狂暴な狼から守ってやったんだぞっ!褒められて当然、蔑まれる謂われはないだろー。」
「そんなつもりは無いよ。ただ、娘バカも大概にしろって。子離れしなよ、いい加減…」
「なっ!ベルメール、お前は娘が心配じゃねーのかっ?」
「心配はしてるよ!けど、その分信用もしてるっ!…私達の娘じゃない?違う?」
「お、俺だってナミを信じちゃいるが、相手があのアホだぞっ!それに17・8のガキっていや、ヤリたい盛りじゃねーかっ!そんな毒牙に…」
「…アンタがそうだった様に?」
「……。お前に会ってからは、そうじゃ無かっただろっ。……」
「今更、テレてどうすんの?」

全く、男ってヤツは…どうしてこう、幾つになっても子供なんだろうね。要は、娘を奪われたくない。その憎い男をやっつけてご機嫌って?はっ、馬鹿馬鹿しいけど、可愛い娘の為に一肌脱ぎますか?

「シャンクス!解ってんのかい?そんな事続けてたら、本当にナミに嫌われちまうよ。」
「いいや、ナミはバカじゃない!解る筈…」
「そうかねー?アンタのやってる事は、火に油を注いでいる様にしか見えないよ。」
「…ベルメールッ。」
「何せ私の娘だ。思い込んだら引かないよっ!障害が大きければ大きい程、燃えるって……アンタも覚えが無いとは言わせないよっ!ノジコができたって判った時、アンタ、ゲンさんに…」
「あわゎゎゎ〜も、もういいからっ!解ったからっ!……。」

なーに?神妙な顔しちゃって。頭じゃ理解してても、心は納得できないって?そんなもんだろ?
「それに私は、ゾロ気に入ってるよ!アンタが言う程バカじゃないし、見た目程悪いヤツじゃないし。何より言い訳や嘘付いたりしないトコいいねー、アンタみたいでサ。」
「俺?…まぁ、ロロノアは担任した生徒の中でも、中々骨のあるヤツではあるが…良い意味でも悪い意味でも。」
「初めてゾロが家に来た時、真面目な子で驚いたんだ!ナミはもっと派手なのが好みだと思ってたから。で、話してみて…年の割に冷静な判断力のあるトコなんか、シャンクスそっくりだって。そう、思った。」
「……そうかー?お…」
「結局、ナミはなんだかんだ反抗してても、ファザコンなんだねー。ちょっと、妬けたワ。」
「…………。ナミっ。」
ナミ、ごめん。かあさん脚色し過ぎだったカモ?

「そうそう。あの子、ナミ送って来ても、絶対二人で部屋に籠もったりしないんだよっ。」

「…マジか?」


はー。親子揃って百面相とは…そろそろ、眠くなってきたし、ここらで駄目押しと行きますか?
「ねぇ、ゲンさん、よく許してくれたよねー。考えてみたら、私達子供だったし…今のナミやノジコよりもずっと。」
「あぁ。頭上がんねぇよ。」
「娘の様に可愛いがってた私だけじゃなく、アンタが大学出る迄面倒見てくれてさー。」
「……内心、俺の事殺してぇって、思ってたカモな。」
「実際、ヤバかった時もあったし。ナミがデキた時とか…」
「知ってたのか?」
「当然!私を誰だと思ってんの?」
「……あン時、花畑が見えた。」

「…立場利用してイジメるなんて、アンタらしくないよ!」
「んなつもりはねぇ…」
「正々堂々!私が惚れた男の一番の魅力なんだけど?」
「ん?俺の事だろっ!」
…頑張れ、お父さんッ。

「…けど、ナミ可愛いんだよな〜はぁ。」
全く…。




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(2006.02.02)

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