誕生祝い (TAKE 3)

            

森魚 様


「誰かの為に何かをしたい!!」 そういう気持ちは不思議と何かの力になりまして、
ログポーズは指してないが遠くに島を見つけたのでありました。
次の旅の前に少し寄り道するのも楽しかろうて。そんな船長命令も発令されまして、
ゾロの誕生祝をそこでやってしまおうという話になるのです。

誕生日ということで、店でも貸しきって盛大にやりたいところではありますが…。
悲しいかな貧乏海賊。 そんな余裕などは無いわけで御座居ます。
しかしご安心ください。たどり着いたこの島は、どうやら小さな無人島。
お金を払う場所など無いのです。
生い茂る森を白い砂浜が囲っている小さな島。誰もが簡単に想像できるあんな島です。
いちどう、さてどうするか?と頭を抱え始めた時、またもや我らが船長が言うのです。

「今日はゾロの誕生日だからな、今日はゾロをこの島の 王様 にしよう!」

えーーー!と、いう不満がゾロを含めて全員からあがる。しかし船長はお構いなしだ。

「そんで、誕生日と言えばやっぱりプレゼントだから、この島からゾロへのプレゼントを見つけてこよう!!いわゆる冒険だ!!」

『冒険…』、そっちが本命かよ…とルフィにしてはうまい事を言うのです。
こんな島に一体何があるというのか。プレゼントを探す方も、もらう方もあんまり期待できません。
しかし、頭の良い人間という者は存在するのです。
こんな不満をあがった船員のやる気を起こさせる術を知っているのです。

「じゃぁ、ゾロは王様だというならば、プレゼントをもらったら 当然 私たちに、その ご褒美 をくれるのよね??」

なんでも言う事きいてもらうわよ〜…と、発言者(匿名)は魔女の微笑と共に付け加えたので御座居ます。

 「肉」
 「見張り交代とトイレ掃除」
 「実験台」
 「実験台」
 「実験台」

これには、それまで乗り気のしなかった者はもちろん、プレゼント探し発案者である青年も一層のやる気を増したのでありました。

「よ〜〜〜〜し、ゾロ。待ってろよ! 肉獲ってきてやるぞ!」
「ふはははは。王様vv よろしく頼むぜ〜」
「すっげぇもん作ってやるよ、この天才ウソップ様がなっっ」

ゾロ王の否定の言葉を待たずして、駆け出す者数名。もはや取り返しのつかない状況になったので御座居ます。
そんなちょっぴりの悲しみに王様が打ちひしがれていると、かわいい船医さん。

「どんな物が欲しい?」

と、ちょいちょいと服の裾を引っ張って尋ねてくるので御座居ます。そのつぶらな瞳には、あの魔女様の言葉を信じている輝きを宿しているので御座居ます。
それには王様、さすがに罪悪感を覚え、彼らの望みを叶える努力をしようと思ったのでありました。

「そうだな…食べれる物なら…何でも…」

ちょっと謙虚な王様。素直に「分かった!!」と嬉しそうに駆け出す姿を見送ると、背後に女性陣の存在を確認するので御座居ました。





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