次こそは・・・?
            

ねここ 様


文化祭が終わってから、俺はナミとよく遊んだりしていた。・・・ルフィ達も一緒だが。

大体週末に6人で集まってどこかへ出かけたり、誰かの家に集まってゲームをしたり。

そして皆が俺の家に来た。初めてきたってのに「泊まるから」とか言いやがった。

お前らに遠慮という言葉はないのか?

まぁ両親は旅行へ行っていて俺以外誰もいないし、どうせ皆が帰ったら暇だろうから了解した。

少しのどが渇いてきたな・・・。

(そういえば・・・)

つい先日台所から酒を拝借して(くすねて)いたのだ。

確かベットの下に隠しておいたはず。

確かめてみたらやはりあった。

うちは防音設備が(何故か)整っているから、ちょっとくらい騒いでも外には聞こえない。

ゾロはベットの下から酒瓶を取り出し、皆の方を向いていったった。


「おい!これ、飲むか?」


それからは飲めや歌えやの大騒ぎだった。

まず最初に潰れたのはサンジだった。そう言えばコイツ、酒弱かったっけ・・・。

次にビビ、ルフィ、ロビン、といった感じで次々と潰れていった。

残ったのは俺とナミ。正直以外だった。

ナミは酒に強いみたいだ。そして今も俺の目の前で杯を重ねている。

「ナミ。お前酒強いな」

「まぁね。よく母と姉の晩酌に付き合わされてたから。今ではこの通り。でもゾロも強いわね〜。私のこのペースに着いてきた人はゾロが初めてよ」

「未成年に酒のませる親の顔が見てみてぇよ」

「あら、今その未成年がお酒飲もうって言ってきたから飲んでるのよ?あまり人のこと言えないんじゃ?」

そこで会話は途切れてしまった。

暫しの沈黙が流れる。

「・・・飲み比べしてみない?」

「・・・ああ、いいぜ」


結果・・・もともとあった酒の方が先になくなった。


「あ、お酒なくなっちゃった」

「あ、ちょっと待て」

確かまだあったはず――そう思ってさっき酒があった辺りを手探りで探してみたがないようだ。他の所も探してみたら、指先が何かに触れた。触ってみると、人の手のようだ。

吃驚してベットの下を覗き込んでみたら水色の髪が見えた。――ビビだ。

何時の間にこんな所に?ついさっきまでナミとルフィの近くにいたはずなのに。

「ゾロ、どうかしたの?」

「え、あーいや。ちょっと吃驚しただけだ」

そう言ってゾロはナミに見るよう言った。

それを見たナミの顔はやはり吃驚したようだ。

「ちょ・・・ビビ!あんた何でこんなところで寝てんのよ!?」

「あ、ナミさん・・・お休みなさい」

一瞬起きたと思ったが、ビビはまたすぐに寝てしまった。

その様子を見てナミは諦めたようだった。

「で、お酒あったの?」

「ん?あーすまん。無かった」

「なんかまだみんな起きそうにないし・・・ね、ゾロ。ちょっと酔い覚ましに外に行かない?」

「――ああ。いいぜ」

なんなんだ?いきなり。


俺たちは外に出た。するとナミは俺の方を向いて言った。

「ねぇ。あの時――なに言おうとしたの?」

あの時――?・・・もしかして文化祭の時のことか?

あの時言おうとしていたことを、

「今、言えと?」

「うん。気になってるの。何を言おうとしたか――言って」

言えって・・・無茶言うなよ・・・あんなこと、今言えるかっ!
ナミは何を言うか解ってて聞いてきてるのか?

「あー、あれか。あれはー、ちょっと・・・あー、ナミ」

俺はもう腹をくくった。いずれは言わなきゃだめなんだから。

「ナミ、俺はおま――」

「ゾーロー!!どこいったんだーー!!!」

部屋の方から声が聞こえた。どうもルフィが起きてしまったみたいだ。

「あ〜!ナミさんもいないっ!ナミさんどこ〜!?」

ビビも起きたようだ。連鎖反応のようにサンジまで騒ぎ出す。

「おい、ナミ。戻るぞ」

「え?・・・うん」

・・・・あいつらは人の恋路を邪魔するのが好きなのか?

はぁ・・・もうどうすりゃいいんだろう、俺。

次こそは・・・・?




FIN


(2006.09.09)

Copyright(C)ねここ,All rights reserved.


<管理人のつぶやき>
ねここさんの『気になるアイツ』『気になるアイツ2』『まだまだこれから』の続編です。
前作で告白一歩手前でジャマが入りました(チッ)。でも、ナミもけっこう意識してるみたいな?
そして、またイイところで!!(そんなお約束な・笑) 

ねここさんの13作目の投稿作品でした!ホント次こそは期待してるよゾロ君。

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